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こほうぎこなたはかく語りき  作者: フリードリヒ・ハラヘルム・タダノバカ
第三章 しーにゃん
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しーにゃんとの会話

 こほうぎこなたは猫を飼っている。


 チンチラシルバーの女の子で、名前は『しーにゃん』である。


 こほうぎこなたはいつもしーにゃんと一緒に寝ている。第一話目に登場しなかったのは、その日はたまたま異母妹いもうとのこほうぎそなたと寝ていたからである。


 しーにゃんは相手がこほうぎこなたに限り、人間と会話のできる猫であった。




「こなたん」

 ベッドの上で、しーにゃんはこほうぎこなたに話しかけた。

「なんかちゅ〜る欲しい」


「しーにゃん、知ってる?」

 こほうぎこなたは答えた。

「人間の9割はバカなのよ」


「ちゅ〜る欲しい〜」


おろかな愚集おろしゅうおろ骨頂ほねいただきとは何かを教えるために私は生きているの」


「ねー、ちゅ〜る、ちゅ〜る〜」


「私はきっと、超人になろうとしているのかもね」


「どーでもいい〜、ちゅ〜る〜」


「えっ? 私はバカではないのかって?」


「そなこと言ってなぁ〜い」


「わかってないわね、しーにゃん。いつでも難問むずいとい正解ただときできるのは一握いちあくりよ。つまり、物珍ぶっちんしい人のほうが天才。しん。残りの9割がバカに決まっているでしょう?」


「どーでもいい〜、ちゅ〜る〜」


「まぁ……、どうでもいいわよね」

 こほうぎこなたはそう言うと、ゴソゴソしはじめた。

「百発百中、私のほうがバカだったら、気分があくいものね。さ、この話はもう、やめやめ」


「ちゅ〜るっ?」

 しーにゃんが大きな目を真っ黒にした。


 しかしこほうぎこなたが取り出したものはへんな目の描かれたアイマスクだった。


 こほうぎこなたはそれをかぶると、枕に深く頭を埋めてしまった。


「このハイリスクがないと私、落ち着いて眠れないから。じゃっ」


「ハイリスクじゃねーよォ〜、アイマスクだよォ〜、それ〜」

 しーにゃんは肉球でこほうぎこなたの鎖骨を揺らしつづけた。

「オチ着いてねーよォ〜、ちゅ〜る欲しいよォ〜」


 こほうぎこなたは寝息を立てはじめた。


「すうぴぃ」



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― 新着の感想 ―
[良い点]  面白すぎて何を言ったらいいのか、解らなくなります(ほめちぎって います) [一言]  渾名が、ネコの渾名が、昔の私と一緒でした(呵呵大笑)。返信、要りません、楽しい、有り難う御座います。…
2022/08/06 08:52 退会済み
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