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こほうぎの剣は
こほうぎ家の床の間に飾られていたこほうぎの剣は偽物であった!
父オブロンが真っ赤なウソをついていたのであろうか? 否! それは真っ赤なウソなどではなかった!
「本物のこほうぎの剣は存在するんだ」
父オブロンはかく語りき。
「しかし、それじゃない。それは長篠のSAで4万ぐらいで買ったやつだ。つまり、それがこほうぎの剣だといったのは、死んだおじいちゃんがついた真っ青なウソなのだ」
「では……」
みんなが聞いた。
「本物のこほうぎの剣はどこに?」
「ぐっさんが知っている」
「ぐっさん……?」
「ああ」
父オブロンはうなずいた。
「ぐっさんだ」
次女そなたが聞く。
「ぐっさんって……山口さん?」
「いや……」
父が答える。
「江口さんだ」
かくして一行は本物のこほうぎの剣を求めて、江口さんを探しに旅立ったのであった!
こほうぎの剣を手にしたものは、世界をも手に入れることができる。
そんなホラ話を、信じて!
== こほうぎこなたはかく語りき ==
(完)
ご愛読ありがとうございましたm(_ _)m