こほうぎの剣
☆☆☆ ぴかーっ
「こほうぎ家には代々伝わる宝刀があるらしい」
父こほうぎオブロンが言った。
「それを手にした者は世界すら手中にできるという話だ」
「それは素敵」
こほうぎこなたは話に食いついた。
「それはこのあたしが持つにふさわしい剣だわ」
「おじいちゃんが所持していたらしいが、どこにあるかは不明だ」
「それじゃあ、おじいちゃんに聞いてみよう」
「おじいちゃん、天国だろ」
「じゃあ、おじいちゃんのお部屋に行ってみるわね」
こなたはおじいちゃんの部屋の襖をカラランと開けた。
「よく来たな、こなたよ」
おじいちゃんが座布団に座っていた。
こなたは言った。
「これは……空巣?」
「わしの顔を見忘れたか」
「だっておじいちゃんはあたしが3つの時に死んだのだもの」
「そうじゃったかのう……」
「ええ。自動車で谷へ転落して……。無理心中だった」
「どうも最近ボケがひどくてなあ……」
「それは私」
「まぁ確かにおまえはボケ」
「それはともかく……」
こなたはおじいちゃんの胸ぐらを掴むと、脅した。
「吐きなさい! こほうぎの剣はどこにあるの!?」
「あそこじゃ」
床の間に飾ってあった。