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こほうぎこなたはかく語りき  作者: フリードリヒ・ハラヘルム・タダノバカ
第二章 ときめきジェノサイド
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アダムスキー玲子

 僕が五宝木こほうぎさんにフラレて屋上で落ち込んでいると、空が眩しくなった。


「あ。空からシャンデリア降りて来た……って、そんなわけあるかいビシッ!」


 僕が1人でツッコんでいると、それは目の前に着陸した。


 アダムスキー玲子だった。

 って、誰やねん、それ。ビシッ!


 アダムスキー型UFOみたいなめっちゃ変な形のスカートを穿いた貴婦人だった。まさかそのスカートでパラシュートのように空から降りて来たというのか!?


「この学園に」

 その貴婦人は僕に言った。

「こほうぎこなたという名前の女学生がおりまっしょい?」

 変な語尾だった。


 僕は答えた。

「その名前……今はあんまり聞きたくないんだけど」

 フラレたばっかりだからな。


 貴婦人の目がピカッと光った。

 意味はないようだった。


玲子りんこ?」

 屋上の扉をスパーン!と開けて五宝木こほうぎさんが颯爽と現れた。

玲子りんこなのね!? 地球に何をしに来たの!?」


玲子れいこよ。間違わないでちょうだい」

 貴婦人の目が怖くなった。

「我がライバルこほうぎこなた! ワタクシの勝負を受けてくれまっしょい!」

 その変な語尾どうにかしろ。


 僕はフラレたばっかりだったので、五宝木こほうぎさんに見つからないようにアダムスキー玲子の後ろに隠れた。


「うまいわ! 賢人けんじんくん! いいポジション取りだわ! 2人であっし潰すわよ!」

 そう言い間違えながら五宝木こほうぎさんが金色のツインテールをなびかせながら、走って来た。


 ドゴオッ!!


 五宝木こほうぎさんのラリアットを受けて、僕はコンクリートの壁にめり込んだ。


「ふほほ、ふほほ」

 アダムスキー玲子はいつの間にかワープして攻撃を避けていた。

「ぶっふほるつ、ぶっふほるつ!」

 なんて変な笑い方だ!


「無様ね、玲子」

 何を指して無様だと思ったのかはわからないけど、五宝木こほうぎさんがそう言った。

「言っとくけど私、笑い方は普通だから」

 言葉遣いが普通じゃない自覚、あったんだ!?


 笑い方を批判されたアダムスキー玲子は傷ついたように肩を落とすと、そのままフワ〜ッと浮き上がって、アドバルーンみたいに空へ上がって行った。


「勝ったわ!」

 五宝木こほうぎさんが喜びのダンスを踊りながら、僕のほうへやって来た。

「ごめんね。大丈夫おじょうぶ? こんなにへきにめり込んじゃって」


「だ、だーいじょーうぶだあー……」


 珍しくボケた僕にびっくりするような顔をすると、五宝木こほうぎさんはぷっと吹き出した。


「じゃ、ココイチのカレーでいいわ」


 なぜか僕は学校帰りにおごらされることになった。


 まぁ、いい。これで僕はまた五宝木こほうぎさんと付き合えることになったのだから。



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