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こほうぎこなたはかく語りき  作者: フリードリヒ・ハラヘルム・タダノバカ
新9章 こほうぎの三姉妹
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こほうぎの次女そなたの逆襲

 こほうぎ家の次女、こほうぎそなたは一家で唯一、ふつうの女の子である。


 父オブロンは貴族の王になるのが夢。

 母ドリルは小学校の国語教師で子供たちに誤読漢字を教えている。

 姉のこなたは世界征服を目論む主人公であるし。

 妹のどなたには人格がない。


 そして次女そなたはアクの強すぎる他の家族と比べると、どこにでもいる『ふつうの女の子』であった。


 しかし、こほうぎ家の中では彼女は異端である。


 ことあるごとに『おかしな子』扱いされ、『どうにかふつうに導いてやらなければ』と心配されている。


 そろそろ精神病院に送られそうな雰囲気だ。


 彼女はいつも、自分の『ふつうでなさ』を家族から思い知らされ、自室のベッドに突っ伏して泣いていた。


 ある日、そなたはネットの知恵袋に悩みをぶちまけた。


『家族の中で浮いています。なんで私はこんなにダメなんだろう』みたいなことを、書き連ねた。


 王子さまというHNの15歳の男の子から、こんな回答がついた。


『あなたはダメなんかじゃない。他の家族の方のほうがおかしいです』


 そなたは呟いた。

「自分のことを王子さまだなんて……、このひと頭、おかしいの? それともやっぱり、パパみたいな常識人なの?」


 そこへ父のオブロンが入ってきて、言った。


「ネットは検閲しているぞ。おまえは私に管理されている。何しろ私は貴族の王だからな」


 そなたはベッドに突っ伏して、また泣き出してしまった。


「何が正しいのか……、やっぱりわからない!」



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― 新着の感想 ―
[良い点] そこはかとなくイヤンなリアリティ [気になる点] 〉姉のそなたは世界征服を目論む主人公であるし。  「こなた」かな?
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