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こなたの彼氏
「こなたは彼氏とかいるのか?」
夕食の時間、父のオブロンが娘に聞く。
「作ったら私に知らせろ」
「そんな庶民的なもの、このこほうぎこなたが作るとでも思って?」
娘はカレイの素揚げを食べながら、答えた。
「作るなら第一王子のほうがよくってよ。ぽいっ」
「お姉ちゃんは絡みにくいから男の子が寄って来ないの」
妹のそなたが本当のことをバラした。
「だっ……、誰が絡みにくいのよ!? このアバズレ妹っ!」
「そうか……。こなたはモテないのか……。そんな、どんな男の理想にもなれる外見をしておきながら……」
父が安心したように言う。
「ならば、父さんの仲間だな。にこっ」
「か……、勝手に仲間にしないでくださるっ!?」
こなたが激怒しながらカレイの素揚げを口に放り込む。
「あ……。そなたちん、お醤油とって?」
「はい」
「ありがとう」
「どういたしまして」
その頃、母のドリルは外でヨイトマケをしていた。