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こほうぎこなたはかく語りき  作者: フリードリヒ・ハラヘルム・タダノバカ
第二章 ときめきジェノサイド
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賢愚の彼岸

「ねえ、賢人けんじん

 五宝木こほうぎさんが言った。


賢人けんとだってば」

 僕はツッコんだ。


 屋上で一緒に並んで、壁にもたれてお弁当。母さんの作ったやつだけどな。早く彼女の手作り弁当が食べたいよう。


「今度の日曜日、テクニックに行きましょう」

「ピクニックじゃなくて?」


「ペットバトルのお茶を持って行きましょう」

「ペットボトル、ね。闘わない、闘わない」


天気あまっきが良ければいいわね」

「どうしたら天気をあまっきに言い間違えられるんだよ」


「お弁当、さくって来るからね」

「さくってくる、ってどんなだよ!? あれ……? でも……」


 お弁当、作ってくれるんだ?


 初めての彼女の、初めての、手作り弁当、か……。


 いいな……。


 テクニック、ぜひ行きたいな……。


「うん、行こうよ。どこの山へ行こうかな」

 僕が言うと、五宝木こほうぎさんは即答した。


「テクニックが必要といえば、やはりアルプスでしょう」

「それはピクニックじゃなくて本格的な登山って言わない!?」


「乗り越えてこそ強くなれる山もあるわ」

「乗り越えるつもりないから! のんびりお弁当食べたいから!」


「ピアニストが何を弱気かっけなことを言ってるのよ」

「アルピニストでもないし、かっけでもないし!」


「あなた、いつも私の言葉にゴミ出ししてくれて、ムカつくわね」

「ダメ出しじゃないよ! ツッコミ入れてるんだよ!」


「正しいことなんてないのよ! 私は正しいわ!」

「使い方間違ってるよ! それに後半矛盾してる!」


「鍵ーーーッ!」

「それを言うなら『キーーーッ!』だろ!」


 こうして僕と五宝木こほうぎさんは、別れることになったのだった。



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