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こほうぎの血統
「こなた。あなたもこほうぎの娘として、これから習い事を嗜んでもらいます」
「はい、ママ。それで、何を習えばよろしいんですの?」
「毛づくろいなんて、どうかしら?」
「毛づくろい? そんな習い事、あるんですの?」
「あったら面白い、毛づくろいの習い事」
「面白いってだけで習わされてはたまりませんわ!」
「では、おピアノなんて、どう?」
「あれは小学校低学年の時にわたくし、投げ出しましたでしょ! だってバイエルンの意味がわからないんですもの!」
「そのめんどくさがりな性質……。あなたもこほうぎの血統なのね」
「ええ、血統書つきの」
「総統ね」
「ですラー!」
「おわり」