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こほうぎこなたはかく語りき  作者: フリードリヒ・ハラヘルム・タダノバカ
新6章 世界名作文学大全集
54/213

地方人

 昨日、誰かのママンが死んだ。


 毎日世界のどこかで誰かのママンが死んでいる。なんて不条理なことだろう。どうでもいいので私はシネコンに映画『ドラえもん のび太の宇宙小戦争』と『アリータ バトルエンジェル』を観に行った。それ以来映画を観ていないので、多少古いことはご容赦ください。


「世界のどこかで誰かのママンが死んでいるというのに、呑気に映画を観るだなんて! それでも血の通った人間なの!?」


 世間の不評を買い、私はシネコンを慌てて出るしかなかった。まだ『ドラえもん』のほうを観ていないのに! ちなみにアリータは可愛かった。


 砂丘を歩いていると、あちらから島根県人が2人、並んで歩いて来た。

 殺気を全身から漂わせている。島根県人と鳥取県人はとても仲が悪いのだ。


 島根県人の1人が懐からピストルを取り出すのが見えた。


「おい! 逃げろ!」

 いつの間にか私と並んで歩いていたセイン・カミュさんが優しく言ってくれた。

「あとはボビー1人に任せとけばいいから!」


 ちなみに『異邦人』『シーシュポスの神話』や『ペスト』で有名なアルベール・カミュ氏はセイン・カミュさんの叔父にあたる。


 砂丘を走った。足が疲れた。まるで砂に足を取られて疲れるように。っていうかこれ比喩になってないじゃん。


 島根県人の1人が私を追って来ていた。私はあっさりそいつのピストルを奪い取ると、そいつは「あっ」と言った。「やめて」とも言った。「やめてごさんと怒ーけんな」とズーズー弁でも言った。太陽がまぶしかった。いくらなんでも6月でこの太陽ギラギラはないだろうと思った。髪を金色になんか染めるんじゃなかったと思いながら、気づいた時には「バン!」という擬音語のようなものを私は聞いていた。さらに続けざまに2発、「バン! バン!」という音が真っ白な空に鳴り響いた。


 KUWATA BANDだったのだろうか? それともシブがき隊なのか……それはわからなかった。


 調べたらスパイダーズも『バンバンバン』という歌を歌っていたそうだ。明石家さんまさんもムッシュかまやつ作詞作曲の同名曲を歌っているが……


 歌詞は、書けない。


 歌詞を書いたら、終わりだ。


 それが『なろう』というところなのである!


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― 新着の感想 ―
[一言] 戦前歌謡は概ねダイジョーブ ワイはカエウタ好きなんやけどなー 痛し肩なし
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