50/213
罪とバケツ
ペテルブルクのとある学校の廊下で、ラスコホーギ・コナタは水の入ったバケツを持たされて、立たされていた。
『この僕に体罰を与えるなんて……!』
ラスコホーギ・コナタは自分のことを選ばれた人間だと思っていた。
選ばれた人間はつまらない人間を殺しても良いという思想の持ち主だった。
『あの先公……! 斧で頭まっぷたつにして殺してやるわ!』
いや、やめて。そんなことされたら小説情報を『残酷な描写あり』に変えないといけない。
「そうにゃ、そうにゃ」
猫の大群が廊下をぞろぞろと通って行った。
「そーにゃ、そーにゃ」
可愛かった。
猫の尊さに打たれ、ラスコホーギ・コナタは跪き、汚い廊下に口づけをした。
ガラリと教室の戸が開き、先生が出て来て、言った。
「どうだ、ラスコホーギ・コナタ。先生の頭に斧を突き立てたこと、反省出来たか?」
ぴゅーぴゅーと血の噴水が止まってなかった。
ギャグなので『残酷な描写あり』にはしません。