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こほうぎこなたはかく語りき  作者: フリードリヒ・ハラヘルム・タダノバカ
新4章 メルヘン
45/213

荒神の不思議なダンプ

 昔々、一ヶ月ぐらい前のことです。

 あるところに荒神あらがみ雄一郎ゆういちろうという男らしい名前の、ガテン系男子がいました。

 荒神は土木工事関係者の作業員で、ダンプカーで土砂を運搬していました。


 ある時、荒神が荷台を上げて土砂を降ろそうと、PTOスイッチをオンにしてクラッチを踏み込むと、車からへんな音がしました。


 ぽわぽわぽわぽわ


 そんなへんな音でした。


 なんだろう? と思った荒神は、車を降りて確認に行きました。

 見ると、ぽわぽわという音は、積んでいる土砂の中からするようです。


「誰かいるのか?」

 そんなわけないよなと思いながらも、荒神は聞きました。


 すると土砂の中から美しい女性の声がしました。


「こすってくださいまし」と。


「は?」と荒神は間抜けな声を出しました。


「こすって」

 声はさらに言いました。

「私を、こすって。こすって!」


 何をしたらいいのかわからないので、荒神はとりあえず車体の汚れをこすりました。

 たまたま手にしていたウェスでダンプの荷台のアオリ部分をこすると、土砂の中から白い煙が上がりました。


「なんじゃ、こりゃあ!?」

 荒神は思わず叫びました。


「あっ、あっ、はあんっ♡」

 美しい女性のはしたない声が上がりました。


 そして土砂の中からどしゃーっ!と飛び出しながら現れたのは、言わずと知れたこほうぎこなたでした。


「ようやく出られたわ!」

 こほうぎこなたは悦びの声を上げました。

「貴様ら人類を滅ぼしてやる」


 口だけです。そんな力はありませんでした。


 荒神は文句を言いました。

「何か願いをひとつ叶えてくれるとかじゃないのかよ?」


 そんな力もありませんでした。







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― 新着の感想 ―
[一言] 洗屋位置や物が足りん まぁ、コスッたら出ちゃうのはしゃーないわ
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