タケとリー物語
タケはその街をシメる不良チームのリーダーだ。
最近、よその街から流れて来たリーというやつと争いが絶えない。
「おーう、リー。今日こそはテメーをぶちのめしてやんよォ」
「出来るもんならやってみな。言っておくが俺はジークンドーの達人だぜ」
2人はたまたま入ろうとしたマクドナルドの前でばったり出会うと、火花を散らした。
「こっちはケンカ百段だぜ!」
「いい度胸だ、来いや!」
ぶつかり合おうとしたその瞬間、2人の間に金色の光が、ぱあっと発生した。
見るとタケノコがいつの間にかそこにあり、金色の光を中から浮かべているのであった。
「なんだ、こりゃあっ!?」
「邪魔だ! 退け!」
タケの拳が、リーのキックが、タケノコを割った。
するとタケノコの中から、とっても可愛いお姫様が出て来たではありませんか。
お姫様は産まれるなり、言いました。
「喧嘩を止めなさい、愚か者たちよ」
「だ、誰ですか?」
「ど、どなた?」
「ワタクシの名前はこほうぎこなた姫。いきなり文体が『ですます調』に変わっても、驚くことはありません」
「なんだ、こほうぎこなたかよ」
「なーんだ、こほうぎこなたか」
2人は構わずマクドナルドの入口の真ん前で再び喧嘩を始めました。
観衆の興味の的はただひとつ、タケとリーのどちらが強いのか?
果たしてどちらが勝って、翁になるのか?
店長が警察を呼びました。
2人はずらかりました。
誰にも見られずにいたこほうぎこなたが、自分を見てほしくて素っ裸に脱いでいました。
猥褻物陳列罪で逮捕されました。
此の世は不条理なことだらけです。