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バカの乱
母「では次の問題よ! ……あっ!?」
こ「どうしたの、ママ!?」
母「問題用紙が……飛んで行っちゃった……。風で……」
武「では儂が問題を出そう」
母「お願いするわね」
武田テイヘンが厳かに出題する。
武「では行くぞ? コホン……」
こ「ピンポーン! コホンぎこなた!」
武「黙れ。まだ出題しとらんわ」
母子はゴクリと生唾を飲み、出題を待った。武田が歌い始める。
武「♪べんせい〜、しゅくしゅく〜……」
母「ピンポン! はい! いきなり歌い出て気持ちが悪い!」
武「出題しとるんじゃ! 聞け!」
こ「ピンポーン! 聞きたくない!」
武「聞けや!!」
母子「「ピンポーン! わたしがうたう! ガオッ! わたしよ! いいえわたし!」」
かくしてバカの乱は令和6年何月であったか忘れたが、一本のカラオケマイクを巡って勃発し、歴史に名を残さずに、終わった。
(完)