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チェキヶ原の戦い二
ポック、ポックと馬をハンドルで操作し、こほうぎこなたが古戦場に着いた時、戦はもう四百年も前に終わっていた。
「なんで!?」
「仕方がないわよ。古戦場なんだもの」
母ちゃんに言われ、こほうぎこなたは首をひねった。
「よくぞ来た! こほうぎのこなたよ!」
武田テイヘンが手に持ったアレを前に掲げ、迎えた。戦はこれからだった。
「あなたがアレ?」
「そうとも。ワシがコレよ」
「始めるの? ソレ」
「おおとも! 大伴家持!」
「それはダレ?」
「ワシも知らん」
「なんて読むの?」
「聞くな!」
母ちゃんが席に着いた。
「じゃ、始めるわよー?」
かくしてクイズバカ王日本一決定戦の火蓋が切って落とされ、一対一の、誰も見ていない熾烈な戦いが今、火蓋が切って落とされ、始まったのである!