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こほうぎこなたはかく語りき  作者: フリードリヒ・ハラヘルム・タダノバカ
第一章 曙光
3/213

こほうぎこなたは通学する

 こほうぎこなたが丘を下る通学路をのんびり歩いていると、カラスに出会った。


 電柱の途中に止まって、カラスが見下して来る。


「オイ、こほうぎこなた」

 話しかけて来た。

「てめー、オレらのこと真っ黒いとか言いやがったよな? アホー、アホー」


「真っ黒いのは正しい」

 それだけ言うと、こほうぎこなたは無視して学校へと歩いて行った。


 カラスは怒って追いかけて来た。





「おはよー、こなたん!」

 後ろから元気よく駆けて来たのは仲良しの横辛筒子よこからつつこだ。


「ごきげんよう、ツッコ。今日も遅刻?」


「あんたもね」


 2人はにこにこ笑いながら、並んでゆっくり、決して急ぐことなく森の通学路を歩いて行った。





 しばらく行くと森の中の道の上に、一人の中年男性がうずくまっていた。ボロボロの服に身を包み、やって来る二人を待ち構えるように見ている。


「先生、おはよう」

 そう言いながらこほうぎこなたは通り過ぎようとする。


「いや、さすがにこれ、先生じゃないから!」

 ツッコがツッコんだ。


「人のこと『コレ』って言うなや」

 男がいきなり襲いかかって来た。


 カラスと男がぶつかる。カラスのくちばしが男の目に入った。男が振り上げていた拳がカラスの頬を殴打した。2人は相討ち。ばっさり道の上。


「あはは」

「うふふ」

 こほうぎこなたとツッコは楽しそうに通学を続けた。






 学校に着くと昼休みに入っていた。

 ちょうどよかったので2人は忍び込むように玄関から入り、お弁当を持って屋上へ直行した。


 屋上に校門が作ってあった。その前ではさっきのボロボロの服を着た中年男が待ち構えている。


「きっとここへ来るだろうと思って待っていた」

 男の正体は生活指導のながれ先生だった。

「おまえら、刈り上げにしてやるわ!」


くしながれ先生!」

 こほうぎこなたが声を上げる。


「どうしたらそんな言い間違い出来るんだ」

 ながれ先生は薄い頭を守りながら舌打ちした。


突破つっぱするよ、ツッコ!」

「それ言うなら『とっぱ』だよ、こなたん」


 2人は屋上の柵を飛び越え、自由とは何かを知った。



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― 新着の感想 ―
[一言] 横辛筒子さん( *´艸`) “自由とは何かを知った” ツボりました(*^。^*)
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