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こほうぎこなたはかく語りき  作者: フリードリヒ・ハラヘルム・タダノバカ
第九章 吾輩はねこほうぎこなたである
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ねこは炬燵で丸くならない

 ねこほうぎこなたはねこほうぎである。こほうぎこなたではない。


 外は寒い。ねこは喜び庭駆け回る。私は炬燵で丸くなる。

 炬燵で丸くなるのは私である。断じてねこではない!

 私はねこが炬燵で丸くなっているところを見たことがない! 炬燵の中を見よ! ねこは炬燵の中では溶けている! 液体になっている!

 カレーは飲み物であると言ったのが誰かは知らないが、ねこも液体である。飲める。飲むことができる。おいしいかどうかは知らない。


 話が逸れた。


 私はねこが炬燵板の上で丸くなっているところさえ見たことがない。炬燵の中から出て来たねこは、まるでサウナから出て来た人のように、全身からぽかぽかの湯気を立ち昇らせながら数歩歩き、パタンと横に倒れる。そして伸びる。ガムのように伸びる。

 私は真実を突きつけたい! ねこは炬燵で丸くなるなどという嘘を世間にばら撒いた人々に、真実を突きつけたい!

 ねこは炬燵で丸くならない! ねこは私の膝の上で丸くなる! 平和にゴロゴロと喉を鳴らしながら、ねこは私の膝の上で丸くなる! 私はその背中や頭、顎の下、しっぽの付け根などを撫で回す!

 そして眠くなって来た。私は寝転ぶ。半纏を着ているとはいえ、炬燵は下半身しか温めない。

 私は炬燵布団にくるまって丸くなる。私は炬燵で丸くなる。

 私の上ではねこが丸くなっている。


 平和である。


 いつの間にか私は心地よい夢の中に突入しまーす。


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