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こほうぎオブロンの危機感
こほうぎの父、オブロンはソファーに座ってトリスウィスキーを傾けながら、呟いた。
「いかん……。いかんぞ! なんだかこの頃、『こほうぎこなたはかく語りき』が酔っ払いの落書き広場みたいになってるじゃないか! これじゃいかん! 何より一体どれぐらい、私が登場していないのだ!?」
酔っ払っているので確認するのは面倒だった。
「思い出せ! この連載、始めた頃は崇高な純文学を貫く目標があったのではないか!?」
ジャンルを見ると、コメディーであった。
「こんなコメディーがあってたまるか!」
作者は同意した。
「しかしあれだ! 絶望なきところには希望もない! 絶望しろ! 堕ちよ! 生きよ! 暗いマンホールの穴の中から夜空に月を見上げるのだ!」
アネモネ姉さん!https://ncode.syosetu.com/n7864hq/
とりあえず──
こほうぎオブロンは酔っ払っていた。