こほうぎこなたはこう言った。
こほうぎこなたが目を覚ますと、カーテンを閉め忘れていたのか東向きの窓からは、新しい朝日が眩しく射し込んでいた。
「落雷、喰らっちゃったみたい」
目を細め、テヘッと笑ってそう言うと、ペロッと舌を出しながら、こほうぎこなたはクマさん柄のベッドから身を起こす。
ハムスターの無数に描かれたパジャマを伸ばしてあくびをすると、楽しそうに呟いた。
「私は寝過ごした」
枕元の時計はそろそろとHRが始まる時間を告げていた。
窓辺にとまったスズメに微笑みかけ、言った。
「おはよう、小鳥さん」
スズメが意味がわからなそうに小首を傾げた。
「しょうちょうじゃねーよ、ことりだよ。なんだよ、しょうちょうって。うんこは大腸から出るもんだよ」と抗議しているようだ。
「あなたもお腹の中はどうせカラスみたいに真っ黒なんでしょう?」
そう言って、ふふっと笑うと窓を開ける。窓全開のまま着替えを始め、セーラー服を装備した。昨夜のうちに準備しておくのを忘れた学生鞄を手に取ると、朝日を全身に浴びた。
「この爽快な朝に、私は進む」
そう独り言を楽しそうに口にすると、窓から外へ飛び出した。「ぷんからしょー!」という掛け声とともに。
「待っていろ。愚かなる民衆どもを啓蒙してやる」
こほうぎこなたはこう言った。