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朗読アプリのお姉さんが『眩い』を『くるめい』と読むのをやめさせる方法
こほうぎこなたは『小説家になりお』の作品を朗読アプリを使って読んでいる。
寝る前にスマホを枕元に置き、1時間後に終わるように設定して、布団に入ってそれを聞くのだ。
面白かったら寝られなくなるし、つまらなかったら寝落ちできるし、どちらでもよかった。
しかし気になることがひとつあった。
朗読アプリのお姉さんが、誰かの作品を読み上げる。
「その時、ノーラは見た。天蓋を突き破って、くるめい光が降り注ぐのを」
こほうぎこなたは目を開け、思わず叫んだ。
「くるめいって何よ!?」
がばっと起き上がり、スマホの画面で文章を確認すると、そこには『眩い』という漢字がある。
「お姉さん、バカなの!? これは『眩い』って読むのよ!」
仕方なくお姉さんを昭和のヤンキー仕様に改造した。
ビー・バップ・ハイスクールに出てくるような、チリチリパーマで超長いスカートを穿いたお姉さんに改造した。
「その時、ノーラは見た。天蓋を突き破って、マブい光が降り注ぐのを」
「……うん、よし!」
こほうぎこなたは熟睡した。