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なめこ汁のおきて
「ねぇ、起きて」
こほうぎこなたが揺らすのは、味噌汁の背中。
「ねぇ、起きてってば、なめこ汁」
「……はっ!?」
なめこ汁は目を覚ました。
「こ……、ここは、どこだっ!?」
「どこって見てわからない? 電子レンジの中よ」
「なっ……、なんでこんなところに!?」
「決まってるじゃない。あなたを あ た た め る た め よ」
「ひぃっ!? やめてくれっ! そんなひどいことを……!」
「何がひどいのかわからない」
「セリフと顔が合ってないぞっ! そ、その悪魔みたいな顔をやめろっ!」
「……じゃ、あたためボタン、押すわね」
「ぎゃああああ! やめてくれ!」
ピポポッ♪ パポポッ♪ ピパポピポッ♪
「できたわ♪」
もう、何も言わなくなった、なめこ汁──
このあと、こほうぎこなたが、おいしく、いただきました。
ヒヒヒヒヒヒ