真・最終回
「遂に……終わるのね、あたしたち」
次女ソナタは血を流す胸を押さえ、ピンク色の唇を赤黒く染めながら、微笑んだ。
「ようやく……終われるのね……、このクソ連載を」
ナロウ軍の最終兵器『最終回』はすぐ目前まで迫っていた。
禍々しい死の匂いを漂わせながら、ゆっくりと近づいてくる。
「思えば長かったわ……」
長女こなたが妹の首を優しく締めながら、その微笑みに答えた。
「2年も続くなんて……思わなかった。正確にいえば2年と6日……」
「受けなかったわね……」
母・ドリルも優しくこなたの背中にフォークで何度も小さな穴を開ける。
「あなたの言い間違い……。受けなかったわね。あなた、なろう中に流行らせようとしていたのよね?」
こほうぎこなたは憎むように母に顔を突きつけ、叫んだ。
「バカ!」
「バカはあなたよ!」
ドリルは娘に指を突きつけた。
「読んだらバカになる小説の主人公のくせに!」
実の母親から『バカ』と言われてしまった。
こほうぎこなたにとって、それは最大の褒め言葉であった。
彼女のモデル並みのプロポーションの体の奥から、みるみるやる気が漲ってきた。
やる気に満ちた主人公は、無敵の状態となった。
「みんな! 敵を屠るわよ!」
腕だけをムキムキと百倍に膨れ上がらせて、こほうぎこなたは赤いハイヒールで前へ向かって駆けだした。
「やる気になったあたしは無敵なんだから! 戦いはこれからだ!」
こほうぎこなたは、こう言った。
これで本当に完結です。
長いあいだバカなものにお付き合いいただき、どうもありがとうございました(•ᵕᴗᵕ•)⁾⁾ぺこ
フリードリヒ・ハラヘルム・タダノバカ&中の人