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最終回は突然に
「だめだ……! 囲まれちまった!」
戦士オブロンは銃を握りしめて悔しがった。
「強い! ……敵が強すぎる!」
絶望を顔に浮かべながら、飯焚係のドリル夫人は、お椀によそっている豚汁をこぼした。
「どなた……?」
救世主美少女三姉妹の末妹どなたが叫ぶ。
「あのひとたちは……どなたなの!?」
「最終回よ」
次女のソナタが答える。
「ナロウ軍の最終兵器、最終回だわ。あんなものにどうやって勝てと作者はいうのかしら」
「勝てないからこそ最終回なんだよ!」
モブキャラのこほうぎあなたが泣いた。
「僕ら……あいつらに殺されるんだ……。わあぁん!」
長女こほうぎこなたはおおきなあくびをして、言った。
「どうせまた、なかなか終わらないんでしょ?」
すべてを破壊する爆発音が響き渡った。