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最終回2
不思議である。
作者フリードリヒは、この連載を一度『完結』にしたはずであった。
しかし今、再びの最終回を無事書ききって、達成感に酔いしれながら、ふと『小説情報』を見ると、設定が『連載中』に戻っている。(まじで)
完結済みにしても、その後に長いこと連載を続けていれば、設定は『連載中』に戻るものなのであろうか?(不思議)
つまり、あの時の失敗は、やり直せる?
時は戻ってくる? 取り返しがつかないと思っていた、あの恥ずかしい過去は、挽回するチャンスが再び巡ってくる? そんなのものなのか?
ああ……それならば──
それならば!
……なんだっけ?
忘れたい過去というものはあるものだ。
どうしても忘れられないそれはじつは愛しいものだったりする。
ほんとうに消し去りたい、しょーもない過去というものは、結構いつの間にか消えているものである。
とりあえず……なんだっけ?
私、何がしたかったんだっけ?
どういう話で、何をしとかなきゃいけないんだったっけ?
すべて忘れた。除夜の鐘とともに。
一月二日だというのに。