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こほうぎこなたはかく語りき  作者: フリードリヒ・ハラヘルム・タダノバカ
新番組『こほうぎ家のオフショット』
133/213

親子 De デート2

 パパと並んで街を歩いていたら、突然パパがわたしの顔を覗き込んで、言ってきた。


「なぁ、そなた」

 わたしを見るその目がなんだかいやらしい。

「おまえはかわいい女子中学生(JC)に育ったなぁ。パパは一緒に歩いていて、いい気分だぞ」


 不快だった。


 確かにわたしは最近、小悪魔キャラに育ちつつあると思う。男の子をとっかえひっかえして、弄んでるつもりはないけど、自然にそんな形になっている。


 パパまでわたしをそんな目で見ないでほしい。


 いくらわたしが、こほうぎ家の美貌を受け継いで、芸能事務所のスカウトさんが見たらほっとかないほどの美少女に花開いたとはいえ、実の娘にそんな視線を向けないで。けがらわしい。


 あまりにも気に障ったので早足で前を歩き出した。どうせ無為な親子デートに終わるのは目に見えていた。わたしが『子犬が欲しい。家にペットが欲しい』と言ったらパパが『よし、見に行こう』と言ってくれたのだが、どうせ見に行くだけでお迎えはしないのだ。だってママが動物アレルギーのかたまりだから。


 ああ……。ふつうの女の子に生まれたかった。なぜ、わたしは、こんなにかわいくなってしまったのだろう。


 いや、当初はわたし、こほうぎ家で唯一のふつうの女の子キャラという設定だったはずだ。いつから……自分がふつうだなどと錯覚していた?


 振り返る男の子たちを見えないフリして、わたしはパパを置き去りにして早足で歩いた。わたしにあんな冴えないパパがいるなんて恥ずかしい。


 ペットショップに入ると、そこにママがいて、にっこりわたしを迎えた。


「よくらいたわね、そなた。このにしましょう」


 そうして我がこほうぎ家に新しい家族、ネズミ犬の『ぽちゅ』が加わったのだった。ネズミ犬って何?!




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― 新着の感想 ―
[気になる点] そなたちゃんは高校生だったんでわ?
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