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こほうぎこなたはかく語りき  作者: フリードリヒ・ハラヘルム・タダノバカ
新番組 『こほうぎそなたのラヴ・アフェア』
127/213

下野くんの葛藤

 僕の名前は下野景希しものかげき。中学三年生だ。


 僕らは来年高校受験を控えている。恋愛なんかに心を乱されている暇はない。


 それでもどうしようもなく僕らは思春期でもある。異性のことが気になるのはどうしようもない。


 僕にも気になる女の子がいる。


 クラス委員長のこほうぎそなたさん。


 彼女は品行方正で、勉強もよく出来て、そしてなんといってもかわいい。


 どうしても僕の目は、彼女のことを追ってしまう。

 授業中、前のほうの席に座る彼女の後ろ姿を。

 体育の授業中、ささやかに胸を揺らして走る彼女の横顔を。

 下校時、校門のところで誰かを待っている彼女の思い詰めたような表情を。


 誰を待っているのだろう。女の子の友達を待つのに、あんな思い詰めた表情をするものだろうか。


 まさか……彼氏?


 いやいやまさか。品行方正で高校受験も控える彼女に限って、そんなうわついたものなどいるはずがないだろう。


 僕は彼女を見てるだけでいい。中学時代に好きだった女の子がいたという、そんな思い出さえ出来ればいい。


 彼女の香りを感じながら、横を通り過ぎよう。そんなつもりで校門へと歩く僕を、彼女はまっすぐ見つめていた。


 待ち伏せされてるのは、僕だった。


 彼女は僕に、言った。

「わたしと駆け落ちして」


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― 新着の感想 ―
[一言] 駆け落ちの相手は誰でも委員会!?w
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