こほうぎどなたが酔っ払ったら
久し振りに飲むおちゃけはうまし!
調子に乗って飲みすぎちゃった作者は考えた。
中学生のこほうぎどなたがお酒を飲んだらどうなってしまうのか?
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あたし、お酒なんかに興味ないって。
そう、思ってた。
「いいからほら。飲んでみなよ」
そう言ってウィスキーをコーラで甘くしたものの入ったグラスを、長介さんが差し出してくる。
美味しそう。
あたし、コーラ大好き。
飲む気マンマンでそれを受け取ると、あたしは長介さんに『ところであなたは誰だったっけ?』と聞くつもりで、言った。
「どなた?」
「はっはっは。大丈夫だよ。こんなの飲んだぐらいで前後不覚になりゃしないって」
長介さんはあたしの質問なんか無視して、笑った。
「ほらほら。美味しいよ? ぐいっと一気にいっちゃえって、ほら」
誰なんだろう、長介さんって。
あたし、なんで名前だけ知ってるんだろう。
なんで初老のこの人と、知らない家の部屋で、お酒を勧められてるんだろう?
「どなた?」
あたしは心に浮かんだ通りの言葉を、もう一度口にした。
「いいから、いいから」
長介さんはまたあたしの質問を無視した。
「君が『どなた?』しか言えないことは知ってるから。わかってるから。気にせずほら、飲んで飲んで」
これを飲んだらあたし、どうなってしまうのか……。
ん?
どうなってしまうのか?
ど……
ど……
「どなた?」
勢いよくそう言うと、あたしはそのコーラを勢いよく口に流し込んだ。