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こほうぎこなたはかく語りき  作者: フリードリヒ・ハラヘルム・タダノバカ
新番組 『こほうぎどなたの恋』
120/213

こほうぎどなたの濃い

「あ……、あのっ! こほうぎどなたさんですよね?」


 中学校の廊下で突然後ろから声をかけられ、振り向くと、カッコいい男子が自分を見つめている。


 誰だろう? 知らないけど、カッコいい。

 全然知らないけど、サッカー部のエースとか、そんな感じだ。

 名前が知りたかったので、こほうぎどなたはこんなふうに問いかけていた。


「どなた?」


「おっ……、おれっ……! サッカー部のエースをやってます、ほにゃひれ直人っていいます」


 ほにゃひれくん……。カッコいい名前。

 こんなカッコいい見知らぬ人が、あたしに何の用だろう?

 気になったので、どなたはこんなふうに問いかけていた。


「ど、どうなった?」


「前から気になってたんです……君のこと。よかったら、おれとっ……! 付き合ってください!」


 えーーー!?

 そんな……あたし、『どなた?』しか言えない、つまんない女の子だよ!?

 こんなあたしがいいなんて、このひと……


「どなた!?」


「君にいい子を産んでほしいんだ」


 キャーーー!!!

 いきなりそこまで言う!?

 赤ちゃんの名前は!? なんにする? 名前は……


「どなた?♡」


「それから君には死後、臓器の提供者になってもらいたいんだ!」


 それって……


 それって……!


「ドナー?」


「冬には毎晩鍋をしたいんだ! 土鍋を買って……」


「どなべー!?」


「いい家庭をつくろうね! 子供をいっぱいつくって、週末にはマクドナルドにいこう」


「ドナルドさんー!?」


「そしてゆくゆくはドイツに住もう」


「どいつー!?」


 とても気が合うと思った。

 こほうぎどなたは輝くような笑顔でうなずいていた。


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― 新着の感想 ―
[良い点] お〜、どなたちゃんの心の声ぢゃ 良く言えば惚れっぽい、惚れ症。 [気になる点] 悪く言うと……いえ、なんでもありません。 [一言] 「喫茶店でケーキセットしよう」 「ドーナツ?」
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