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こほうぎドリルの週末
「お母さん」
「あら、どうしたの、娘?」
母こほうぎドリルが台所で誰も見たこともない料理を作っていると、後ろから娘のこなたが包丁でその背中にもたれかかってきた。
「ずぶ」
「あら、刺したのね?」
「これでお母さんは一巻の終わり」
「あらあら。困ったわね。今、お料理の最中なのよ?」
「どうせ毒料理だったのでしょう?」
「あらまあ。よくわかるわね。さすがは私の娘。フフフ……」
「早く終末しなさいよ」
「そうは問屋が卸さないわ」
「血が……! 血が出てるよ、お母さん!」
「当たり前でしょう? あなたが刺したんだから、娘。フフフ」
「早く病院へ行かないと……! 産婦人科へ!」
「そしてあなたは早くアタマの病院へ行かなきゃね。フフフ」
「ああ……! どうしよう! あたし、実の母を殺してしまった!」
「大丈夫よ、こなたちゃん、フフフ。ばたっ」
こうしてこほうぎの母ドリルは終末した。