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託卵活
こほうぎどなたは困惑していた。
よくわかっていないのだ、今、自分が何をさせられようとしているかを。
自分は娘を産んだはずだ。しかし中学生がそんなことをしてはイカンというように、いつの間にかその設定をなかったことにされた。
それを嘆き悲しんでいたら、作者が不憫に思ってくれたようで、娘のこほうぎどなた?を復活させてくれた。
いきなり登場した『楓姉』に産み直させてくれたのだ。
しかし、他の人が産んだ子供は、自分の子供なのだろうか?
確かに体外受精というものはあるが、しかし……
楓姉が産んだからには、楓姉の子供なのではないのだろうか?
大体、楓姉とは誰なのであろうか?
あの楓さんなのであろうか? もしかして?
こほうぎどなたは、楓姉に思い切って聞いてみた。
「どなた?」
楓姉は、にっこり微笑むと、答えた。
「死の宮楓と申します」
「どなた!?」