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6.

「何か、命を狙われる心当たりがあるんだね。教えてくれ」


「えっとですねぇ、私、最近彼にあったんですよ。会ったというか、見かけただけなんですけれど。それで、見かけたのが人気のない路地裏でした。彼は女性とキスをしていました。そして、私と目があうと、彼はものすごい形相でこちらを見ていました。それこそ、殺されるのではないかと思いましたよ」


「えっと……、アリス、その彼っていうのは、いったい誰なんだい?」


「それが、わからないのですよ。私、あの三人にあったのは数回ですから、見分けがつかないのです。でも、誰なのか予測することはできますよ。あんな人気が無いところでキスをしていたということは、私が見たのはおそらく浮気現場です。あの女性が奥様や婚約者なら、わざわざ隠れる必要もないし、見られたからといって、あそこまで怒りをあらわにすることもありませんからね。浮気がバレたら、財産を半分近くとられますし、罪に問われるかもしれません。世間体を気にする人なら、耐えられないでしょう。私を殺そうとした動機はそれです。ライアン王子、あの三人の中で、結婚、あるいは婚約中の人物は誰ですか? その人物が、私に殺し屋を差し向けた犯人です」

 

 アリスは、ライアン王子の返答を待った。

 これで、犯人を特定できる。

 こんな目に遭わせたその犯人には、しかるべき罰を与えなくてはならない。

 そう思っていたのだが、彼から帰ってきた返答は、予想外のものだった。


「残念ながら、三人とも結婚しているんだ。だから、君が見た人物が三人の内の誰だったとしても、動機がある。君が見た人物が誰なのかは特定できない」


「そんな……」


 アリスは言葉を失った。

 せっかく自分の命を狙っている人物が分かると思ったのに。

 何かほかに方法はないかと考えていると、部屋の扉をノックする音が聞こえた。

 いったい、誰だろう?

 ライアン王子が、扉を開けた。


 入ってきたのは、アリスの知っている人物だった……。

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