4-19 第三部隊出動!!
-------N.A.Y.562年 8月16日 13時45分---------
シャオイェンは、お昼休憩が終わったら、即座に元気よく武術場で套路を行っていた。
レイレイは、休憩室でタンクトップの格好のまま白いソファーで寝っ転がっている。
メイヨウは雑用を行ったり、オフィス内を色々と掃除している。
ここは、チャイナガールズの事務所だ。
セントラルの南側の区画に入っていて、チャイナガールズも待機できるような場所だ。
普通はシャワー室完備が大体のところだろうが、オフィスには多少大きめのお風呂場もあるので、
下手をすれば普通に住めるくらいだ。
事務所という言葉を越えて、住宅といっても過言ではない。
レイレイは寝っ転がりながら休憩室内にある、ディスプレイに映る九龍城国クンフー大会の模様を見ていた。
右手にはポテトチップスをかじりつつ、ぼーっとしている。
一応、銀龍には「待機」と言われていたが、ほとんどやることがない。
「……暇……」
突如、レイレイに耳の内側から着信音が聞こえた。
銀龍から着信だ。
「よう、レイレイ。出動だ」
「りょーかい、ターレン」
「おうよ、じつはな、スマートコンタクトレンズを野戦用に変更したいんだぜぇ。そして、それを持ってきてほしい」
「それ、どこにありますか?」
「久々に使うからよぉ……忘れた。メイヨウが知ってるはずだ。
あと、テメェさんたちは兵器を必ず持って来い。
後で服部半蔵の戦闘データを流すけどよぉ、正直ゲスイ戦いになりそうだ」
「ゲスイ……とにかく了解です。これから準備でき次第、連絡します。現在はどちらにいるの? ターレン……」
「裏九龍城国の真ん中、闇市場だ。メイヨウが道順、知っているはずだぜ」
レイレイはそそくさと立ち上がり、左隣りにある扉を開けて、脱衣場を抜け、事務所へ入った。
頭左右に花飾りをしている女の子が、ごみをまとめていた。
「メイヨウちゃん、出番よ」
メイヨウはキョトンとした顔で、レイレイを見上げる。
「なんでしょうか、レイレイ様」
「メイヨウちゃんさ、夜戦用スマートコンタクトレンズどこにあるか知っている?」
「たぶん、倉庫にありますよ」
「私も手伝うからさ。それと、一緒に裏九龍城国へ案内してくれる? 銀龍ターレンが助けてほしいって」
「かしこまりました、銀龍様のご命令とあらば」
二人は事務所入り口のすぐ左隣にある扉へ入る。
周辺には棚がいっぱいあって、コスプレグッズから、メイドインガールズの時に使ったたたまれたテント、
野戦の時に使用した中華鍋、皿、食器。
更には戦闘用チャイナドレスが何枚も入っているクローゼット。
もちろん、歴代のチャイナガールズたちが着用していたバトルドレスだ。
Ⅰ型と言われている、初期の頃のバトルドレスであろう。
もう一つ棚があって、五段ぐらいの高さの棚を見まわしながら、さがす。
戦闘用備品具の品物を入れている棚をレイレイは見つけた。
三段目ぐらいに、黒い箱を見つける。
ほかの棚を探しているメイヨウに声をかけた。
「メイヨウちゃん、これ見てみて?」
その黒い箱をメイヨウは開けて確認する。
「13セットぐらいありますね。私はまだスマートコンタクトレンズをすることは出来ません」
「そうだったね、メイヨウちゃんはいくつだっけ?」
「9歳でございます……」
「あらま、若いわねー。羨ましいわ、9歳に戻りたいわね。
とにかく、シャオイェンを呼びつけないと……」
深呼吸をさせ、おかっぱ頭の少女は考えていた。
己がもっと強く、凛々しくなければいけない。
深呼吸をさせ、肺に空気をため込む。
横隔膜が膨れ上がり、子宮の辺りが暖かくなる。
すなわち、下丹田の位置だ。
そして、左拳を握り、左足を一歩踏み込むと同時に拳を打ち出す。
地面が軽く揺れ、強烈な拳を放ったような気がした。
扉が開く音がして、彼女は右へと顔を向ける。
お団子頭を左右に飾っていて、右耳には剣の形をしているイヤリングをしている。
「レイレイ隊長、どうしました?」
「これから、裏九龍城国へ遠足よ!!」
「遠足ですか。遠足は非常に良いものですね……そういえば、遠足の基準は軍隊……」
「ちょ、長くなるわよね?」
「はい、勿論です!!」
「それは後で聞くから、メイヨウちゃんに道を案内してもらいながら、ターレンに野戦用コンタクトレンズを届けるわよ!!」
「我々もそれをつけた方が良さそうですね」
「ひとつ前の旧世代だけど、まだまだ使えそうよ。それと、兵器を必ず用意しておいて?」
「なぜでしょうか?」
「服部半蔵は死体を操ることができるそうよ。
その為には、バトルドレスをぶった切るしかないって」
「我々が適任ということなのですね」
「そうね、打撃よりも斬撃兵器の方が相性が良いみたい」
そして、全員はチャイナドレスに着替え終える。
メイヨウは、派手な漢服ではなく、地味な赤い中国服を着ていた。
レイレイは、両手に腰をあてると眉を吊り上げた。
「さあ、第三部隊、行くわよ!!」
朱 曉燕(晓燕) (シュ シャオイェン)
年齢16才
女性
身長155センチ
髪は赤 髪型は、おかっぱ頭。右耳に、梅の花の髪飾りをしている。
肌の色 黄色
瞳 赤
人種 中国(山東省)
利き腕 両方
クンフースタイル 梅花蟷螂拳(連続攻撃を得意とする)
得意技 赤き閃光の突き 最快的速度决策技术(Zuì kuài de sùdù juécè jìshù)
得意武器 梅花双刀
一人称 自分
誕生日 NAY546年3月11日
部隊 朱雀
BWH 体重 73/50/74 61キログラム
実直で、まじめな女の子。
だが、ストレートすぎるが故、分析癖は他の部隊員の追随を許さず、
セリフの量も膨大になりがち。
カンフーは、本当に実直、まじめで、まっすぐな技を撃つと、
部隊長である、黎 麗々(レイ レイレイ)からも評価をもらっている。
服装は、中国服に、しちぶだけのパンツをはいている。
とても、さっぱりしていて、ボーイッシュ。
その為なのか、あまり感情を表立って表情を変えることは少なく、
空気読まず膨大な言葉を出てしまうのが、たまにキズ。




