4-18 裏九龍城国だよ、一部集合!!
-------N.A.Y.562年 8月16日 13時00分---------
裏九龍城国へ来たのは、金龍は初めてだった。
想像以上に活気があり、金龍たちは銀龍が待っているところへと向かった。
屋台街みたいなところがあり、銀龍と通信しながら、歩いている。
結構な裏道っぽいところを通り過ぎると、簡素なテーブルの上で、色々な人たちが集まっていた。
チャイナガールズのメンバーはともかく、ルェイジー周辺にいるメンバーは全員知らなかった。
銀龍は肉まんを片手に持ちながら、手を振っていた。
「よう、金龍よぉ!!」
五人はゆっくりとテーブル傍へ歩いていく。
「ったく、さっきの緊張感はどこ行ったのよ?」
銀龍はガツガツと小籠包などを食べる。
「んあ? んなもん犬にでも食わせておけばいいだろぉ?」
「で、そちらさんは?」と、金龍はルェイジーの周辺にいる者達を見つめる。
黒い中国服を着ている、瞳の鋭い男。
身長が高くて胸が大きい、探検家みたいな恰好をしている青い髪の女性。
ルェイジーとご飯を取り合っているのは、髪がぼさぼさな童顔の男の子。
銀龍の隣では、リームォが爆速でホイコーローを食べている。
そして、ヤーイーは普通に食べているが、たまに「ホワッチャァ!!」という言葉と同時にリームォの口元をティッシュで拭いている。
「まー、なかなかカオスだこと……皆、適当に座ってご飯食べていてちょうだい?」
イェチンとファリンは「了解」と、ルェイジーの眼前に座る。
髪ボサボサで長い男の子とルェイジーとでチキンの取り合いをしている。
他の中国国防部はヘルメットを脱いで、国防部同士で会話をしている。
金龍は、腰のポーチの中で最も細長いポーチの中から金色の中国キセルを取り出し、くわえながら銀龍の右隣の席へと座る。
「で、どこから話してくれるの?」
「あーっとよお。まずは、あれだ、あれ。服部半蔵は多分光が苦手なのかもしれねぇ」
「どういうこと?」
「ヨウがよぉ、表の九龍城国から潜伏した可能性があるかと思ったけどよぉ、そうじゃなかった」
「じゃあ、どこから?」
銀龍は黒い中国服を着ている長髪の男を紹介した。
「神龍会のチンヨウさんだ」
金龍は、眉をしかめた。
「ドラゴンマフィア? 膿じゃない……」
「君たちにどう言われようが構わない。だが、私は今の神龍会には誇りをもっている。
そして、あやつだけは必ず追い出す!! その気持ちはそなたも同じだろう」
「ドラゴンマフィアって、どうにもこうにも悪い噂しかないわよね」
「まあ、それも狙いらしいぜ? な、チンヨウさんよぉ……」
「我々の会では、一番単価が高いのが情報だ。我々は表側の人間には申し訳ないが、デマの情報を流させて、ある程度は選定させてもらっている。
結構面倒くさい輩もどうしても入ってしまう時もあるが……」
「つまりよぉ、はえー話、スラムにもスラムの掟として、入ってくる人間を選んでいるらしい」
「そんなのはあとの話だ。それよりも、ルェイジー君と銀龍さん、そして私の見解によりほぼ一致したのが、毒ガスコマンダー鷺沼は恐らく九龍城国周辺を囲っている湖から来た可能性が非常に強い」
金龍は、赤い唇を少し開けて、煙を吐き出す。
「なるほど、確か湖にはビザ通過なんて……」
「あるわけねぇだろぉ?」
銀龍は、笑いながら、ウーロン茶を飲み干すと、キセルをくわえた。
「まあ下水道だよ。裏九龍城国よりも下のしただぜぇ」
金龍は、口をへの字に曲げた。
「うええ、あんなところよく……」
「それもそうだが、何よりもあの暗がりの中でも目の良さだ……我々もランタンだけで戦うのが厳しくなってきている」
「そうだな、もうめんどくせぇから綾ちゃんにコンタクトレンズ新しいの、聞いてみるか?」
「野戦専用コンタクトレンズに切り替える?」
「あん、んなのあったっけぇ?」
「まあ、アップデートかけていなくても、全然違うはずよ」
「しゃーねぇ、事務所では誰が待機してたっけ?」
「確か、レイレイとシャオイェンじゃない?」
「ああ、あの二人か。どーすっかなぁ? とりあえずこっちまで取りに来てもらうようにするかぁ?」
「それは、危険じゃない?」
「まあな……」
「だったら、ここら辺で道に詳しいものを我々から出そうか?」
髪の青い女性が、金龍の隣へとやってくる。
「ふーん、おねーさんが案内してあげようか? 出入り口へ……。
私の名前はユーと呼んでね? 金龍さん?」
「あらあら、お気になさならなくていいわよ? ユーさん……」
美女同士が目を細くさせて、にらみ合っている。
銀龍はキセルをくわえたまま話す。
「まあ、とりあえず、そのなんだ? スマートコンタクトレンズを変更しないとオレ達も厳しいな。
これはオレの痛恨のミスだ。昨日からホンホンは倒れるわで、それどころでもなかったけどよ。
昨日やった作戦会議も意味なしだぜぇ」
「でもさ、メイヨウちゃんに任せたら?」
「いや、一人で行くわけには……。あ、そうだ。レイレイとシャオイェンとで組ませればいいのか?」
「私たちはどうする?」
「オレ達はここで待機しよう。とりあえず、ルェイジー達には動いてもらおう」
チンヨウも、首を縦に振る。
「分かった、我々はルェイジー君たちと引き続き動く」
ルェイジー達はご飯を取り合いながら、拳をかわしている。
「アイヤ!! ルェイジーのご飯アルネ!!」
「てめー!! 爆速で食いやがって!! どういう内蔵してんだよ!!」
チンヨウとユーは視線を合わせる。
二人は同時に頷くと、ルェイジーとチャオの首根っこを掴んだ。
「ほら、ルェイジー君、また後で食べようじゃないか……」
「ほら、行くわよー。チャオくん……」
「アイヤ!! ご飯今しか食べられないアルネー!! 銀龍、助けて、助けてアルネー!!」
「ユー、離せよ!! 俺まだあんま食えてねーんだよ!! ルェイジーがほとんど食っちゃってんだよ!!」
銀龍と金龍は過ぎ去っていく二人を見ながら、ずっと冷ややかに見つめていた。
「あの二人、似ているよなぁ?」
「ええ……あの子、何ていう子?」
「拳龍会所属、チャオっていう名前らしい……あんななりだが、結構なクンフー使いらしいらしいぜ?」
「ふーん、そうなのね?」
「ったくよぉ、あちらさんもよぉキャラ濃いぜぇ?」
銀龍は明るすぎる、疑似的な空を見上げながら、煙をはいた。
鷹 葉青(叶青) (レン イェチン)
年齢17才
女性
身長150センチ
髪は青に近い、黒。髪は長髪で、前髪の辺りを2つ赤い紐で緩くまとめている。
肌の色 黄色
瞳 黒
人種 中国(河南省)
利き腕 両利き
クンフースタイル 鷹爪翻子拳
構え方 左足を軸に、片足をあげ、タカのように構える。
得意技 ①旋风脚涉及一切(全てを巻き込む旋風脚)
②鷹爪連拳散手関節技の連続技
得意武器 双匕首ナイフ二刀流みたいな感じ
一人称 私
誕生日 NAY545年9月19日
所属部隊 青龍
BWH 体重 69/49/68 50キログラム
髪型は、黒く長髪で、前髪の辺りを左右両方に、赤い紐で緩くまとめている。
チャイナドレス姿ではあるが、下半身はパンツスタイル。
靴は、ルェイジーと同じように踵の低い中国靴を履いている。
ルェイジーとは、よきパートナー、よきライバル。
プライベートでもルェイジーと一緒に出掛けたり、
ご飯を食べたり、クンフーを磨いていたりする。
性格は、他のメンバーと比べるとコスメなど、非常に大好きで、
良い仕事をしたら、良い服を買う。
良い仕事をしたら、良い食べ物を食べる。
一番、まともに今風の女の子。
銀龍と知り合うことで、ここに入りたいと思うようになった。
たまに、ルェイジーを、からかいついでにアルネと、言ったりする。
アイヨーと、たまに驚く言葉で使ったりするが、語尾にアルネとはつけない。
趣味は、サッカー。
たまに近所の公園で赤いユニフォームを着て、サッカーしているが、九龍城国内では全くもってみんな
スポーツには無関心。
その為、一人で寂しそうにリフティングの練習を行っている。




