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チャイナガールズ!!~スーパーカンフーハイパワーチーム~  作者: 乾ヒロキ
カオルンセングォ毒ガスパラダイス編
91/178

4-12 チャオ、ユーに拉致される。

 


 -------N.A.Y.562年 8月15日 20時00分---------



 ここは、神龍会のアジトだ。


 四人で散り散りになり、待ち合わせしても効率が悪いため、当分の間、四人で動くということとなった。


 裏九龍城国内を歩くのは元からリスクは高いが、手練れの者が四人も集まっていれば大丈夫という判断になったが、それでも全員安心はできなかった。


 四人は今までやってきた道を戻り、アジトへと到着したのだ。


 あれから、チャオはユーを見るたびに顔を赤くさせている。


 ユーは普段はコックの恰好をしているが、裏九龍城国を探索するときは、なぜか洞窟の探検隊の姿をしていたのだが、胸のサイズが大きいため、ブラジャーをたまに覗かせるのだ。


 チャオにとっては、目のやり場に困ることばかりだったのだ。


 程 建明チェン・ジャンミンが、食後のお茶をすすりながら、テーブルに座っている。


 その隣には、チンヨウ、ユー、チャオ、ルェイジーの順で全員座っている。


「では、現在どういった状況か、整理しておこうかのう……」


 チンヨウが一番初めに切り出した。


「ヨンジー老師の情報によりますと、あの者を手招いたのは、牙龍会の可能性があるのではないかと」


「ふむ、それはなぜじゃ?」


「あやつが着ている白衣。通路を歩いていると、何回か見かけたことがあります」


 ルェイジーが銀龍の言っていたことを思い出した。


「アイヤ!! 銀龍、言っていたアルネ!! その白衣にはたぶんGPSがついていたはずアルネ!!」


「どういうことだ、ルェイジー君」


「GPSつけるたびに、白衣を脱いでいるらしいアルネ!!」


「なるほど、それで通路内に白衣があんなに転がっている訳か……」


 ユーは、手をあげる。


「はいはーい、おねーさんも最新の情報があります」


「ユーおねーさん、何アルかね?」


「言ってみてくれ、何かの参考になるかもしれない」


「実はねぇ、黒龍会が一人凄腕の人を雇ったらしいよー?」


 ジャンミンはほほうと、老体とは思えぬツルツルな顎を撫でる。


「ほほう、それは興味深いじゃの……」


「しかも、おねーさんの情報によると、そのフリーランサーの女の子はメチャクチャ空中戦が速いみたい。


 地面から離れれば離れるほど、速くなるみたいよ?」


「なんだそりゃ? どんな拳なんだよ?」


「さあ? おねーさんにも分からないわ」


「では、明日早速牙龍会へ行ってもらった方がいいかもしれんのう」


「それでは、明日の午前中に必ず行くようにします」


「お前さんたちのクンフーは強い。じゃが、気をつけてのう……」


「わかりました、老師様……」





 全員は、順繰りにシャワーを浴びた後、アジトのソファーや、客室などを借りて寝ている。


 ルェイジーは客室を借りることとなり、客室にはテレビなどが設置してあって、割と快適だった。


 客室の木製の扉がいきなり開き、ルェイジーは振り向いた。


「アイヤ!! チャオ、どうしたアルネ!!!」


 チャオは、血相を変えて、右手拳を一つ作り、叫ぶ。


「どうしたじゃねーよ!! なんで俺がユーと一緒にソファーで寝なきゃならねーんだよ!!」


「アイヤ、そのどこが悪いアルネ?」


「しかも、ユーのヤツ、俺を抱き枕がわりにしやがるんだ!!」


「でも、ルェイジーと一緒に寝ると、危ないアルよ?」


「普通、女同士で寝るだろ!!」


「あまり経験ない、そうアルか?」


「そうアルか? じゃねーよ!」


「ルェイジー、俺と交代しろ!!」


「交代すると、みな危険。ルェイジーの寝相は戦いながら、寝ているヨロシ! 仲間、傷つけたくないアルネ!」


「いや、なにが何でも……」


 チャオは急に冷や汗をかき始める。


 後ろにいつの間にか下着姿の女性が扉の淵に肩ひじをかけて、チャオを見下げていたからだ。


「まあ、チャオったら……。おねーさんから逃げちゃ、ダメでしょ?」


 ウィンクをしながら、徐々にチャオに近づく。


 うろたえながら、後ずさりするチャオ。


「う、うわわあわあ!!」


「もう、ウブな18歳なんだから……」


「ち、ちかづくなー!! 俺にちかづくなー!!!」


 チャオは、後ろにある箱に引っ掛かり、仰向けに倒れる。


「クンフー強いのも魅力かもしれないけれど、女性を知るっていうことも重要よ。おねーさんが、お、し、え、て、あげる」と、チャオに攻めより、完全に胸の間に顔を挟む。


 チャオは、全身の力が抜けて、気絶。


 ユーはチャオを軽々と抱え上げて、そのままソファーがある一室へと向かった。


「お邪魔したわね、ルェイジーちゃん!!」


「アイヤ!! また明日、皆でご飯食べよう、ヨロシ!!」


「了解よー」と、木製の扉がばたりと閉まる。


「チャオ、静かに埋もれるヨロシ!!」


 ルェイジーは再びテレビに視線を運んだのだった。





チャオ……18歳、男性。




拳龍会所属。


身長160センチ。


黒髪、黒い瞳、髪ミドルまでボッサボサ。


浅黒い肌。


口元には黒いバンダナを巻いて、


ボロボロの黒いマントを羽織っている。


地下組織裏九龍城国の中でも、最強の暗殺形意拳使い。


彼の放つ方拳ポンケンは、チャイナガールズでさえ、手に負えないぐらい、威力が強い。


二のうちいらずの拳も持っていて、ポンケンを放つだけで、人は吹っ飛びます。


実は、地下組織にいるにも関わらず、非常に犬好きである。


ありとあらゆる闇を見てきたので、瞳は薄暗く、殺人となってもいとも容易く出来る。


拳銃などを持っていたとしても、素早く突撃し、引き金を引く前に事を処理しようとするので、どんな輩でも戦う。




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