4-7 ルェイジーちゃん、神流会とコンタクト
-------N.A.Y.歴562年 8月15日銀龍と同時刻---------
ルェイジーは、まっすぐ進み、そのまま逃げた。
そして、換気がある道へと移動、何とか裏九龍城国の、暗黒太極拳使いの会長のところにたどり着いた。
「ルェイジー、逃げてきたアルヨ!!」
緑色の中国服を身に包み、白く長い髭を生やした老人がそこには立っていた。
裏九龍城国には似つかわしくないくらい、健康的で艶やかだ。
「おう、よく来たねぇ、ルェイジーちゃん」
老人の真横には精悍な顔立ちの青年が立っていた。
背筋は軍人のようにまっすぐで、鍛え抜かれたクンフーもだぼだぼの服を通してでも、よくわかる。
「危なかったな、ルェイジーくん」
「そうでもなかったアルヨー!!」
男は、腰の辺りまで三つ編みをしている髪型だが、鋭い瞳に強さを宿している。
「それは、良かった。我々も手をこまねいている、あの男は我々よりも異常だ」
男の手は頬よりも固く、確実にバリアすら破壊できそうな手刀も打てそうだ。
「アイヤ、そうアルか?」
「君は五年前のあの時、数か月間一緒に君と過ごした。あの時の君のクンフーは本物だった。
君のような逸材は我々、神龍会も失うことは許されない……」
ルェイジーは、屈託のない笑顔をする。
「ありがとうアルネ!!!」
男は老人にまっすぐな瞳を向ける。
「老師、ところでどうしましょうか? 誰があのような輩を連れてきたのか、調べる必要があります」
「うむ、そうじゃのぉ、ルェイジーちゃんはどう思うかのぉ?」
「アイヤ、みな、仲良くしないといけないアルよ!! けど、元を調べた方がいいアルよ!! 同じこと良くない、よろし!!」
「そうじゃのぉ、どうするかのぉ」
老人は、精悍な男に話す。
「俊佑、ルェイジーちゃんと行動しなさい」
チンヨウは、答える。
「分かりました、老師。必ずや手招いたものを突き止めます」
かくして、ルェイジーとチンヨウはツーマンセルになった。
「チンヨウシェンシン、よろしくアルネ!!!」
神龍会会長
程 建明老師
神龍会会長。暗黒式太極拳+酔八仙拳使い。
老人で、非常にマイペースに思えるが、いまだクンフーを修行している人。
非常に博学で、伊達に裏九龍城国にいたわけではなく、彼の
持つ暗黒太極拳と酔八仙拳との融合は、銀龍とは比べ物にならないくらい、
最大限の攻撃力を持っているクンフー。主にカウンター攻撃が多く、その威力も絶大。
拳龍会とは仲が良くて、裏九龍城国の空調ダクトなどの情報などは全て知っている。
殷 俊佑
神龍会所属、副参謀的な役割。
蟷螂拳の使い手。細身で身長は168センチ。
26歳。
真面目、実直、落ち着いている感じ。
ルェイジーちゃんを「神童」と呼んだりもしている。
長い髪を後ろにまとめて三つ編みにしている。




