表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
チャイナガールズ!!~スーパーカンフーハイパワーチーム~  作者: 乾ヒロキ
チャイナガールズ!!達の破壊的な日常。
78/178

3-31 シャオイェン、ラジオDJになる。 その1

 

 朝九時三十分。


 銀龍は、のそりのそりと、中央省のタワー25階にある、チャイナガールズの事務所へと足を運んだ。


 相棒の金龍が既に事務所を開けていてくれたので、自動ドアを潜り抜ける。


 金龍は、金色の中国キセルを片手に銀龍に挨拶をした。


「おはよう、銀龍……」


「あーあ、おはよう……」


「凄い顔してるわよ?」


 彼女は微笑みながら、赤い唇でキセルをくわえる。


 銀龍は黒いソファーへと千鳥足になりながら歩を進める。


「あーヤベェ。昨日はよぉ……シャオイェン警報のお陰でぇ、寝れなかったぜぇ……」


「ああ、私は全部防音の部屋に住んでいるから、そこまでして影響ないのよねぇ」


「ったくよぉ、金持ちさんはよぉ羨ましいぜぇ……」


 銀龍は、孤児院にポケットマネーをつぎ込んでいるので、金龍ほど裕福ではない。


 金龍は、お金に関してはしっかりとしているので、色々な事業も回したり、美貌も手伝ってか様々な副業にも手を出している。


 金龍はキセルを口元から外すと、煙がふわりと軽々しく踊る。


 彼女の気分を体現しているみたいだ。


「あー()みぃ……」


 銀龍は左手にある黒いソファーに腰をかけて天井を仰いだ。


「あーレイレイがいないだけで、こんなにきついとはなぁ……」


「彼女、どこに行ってるんだっけ?」


「実家にでも(けえ)ってんじゃねぇの?」


「彼女も年頃の女の子よね」


「まあ、田舎に帰って遊んで、仕事で全力でつくしてくれりゃあな。それだけで十分だぜぇ……ふあーぁ……ねみぃ……」


「シャオイェン警報も、保険みたいの作ってみる?」


「どうっしようかなぁ。最低でもよぉ、相手側にもいろいろと行ってもらわないとよぉ、成立しねーじゃん。睡眠障害ごときで妙なクレーム入れられてもなぁ」


「何か良いアイデアないかしら?」


「……しっかしよぉ、よくあそこまでよぉ、喋れるもんだぜぇ。才能だよ、才能」


 自動ドアが開く。


 黒い髪に、豪勢な花飾りをしている女の子が扉をくぐる。


 メイヨウが書類を持ってきてくれた。


「おはようだぜぇ……メイヨウ」


「おはようございます、銀龍様……」


「あー、メイヨウさあ、シャオイェンのあの警報ヤバくないか?」


 メイヨウは、精神的に強い部類に入る。一切の寝不足という感じがしない。


 まだ9才ぐらいの女の子だというのに、しっかりしている。


 メイヨウは、金龍のデスクの前に書類を積み上げ、銀龍に振り向く。


「さすがにねむいですが、まだ大丈夫です……」


「ったくよぉ、リームォやルェイジーよりも年下なんでぇ。お前さんみたいな女の子の方が、しっかりしていやがるぜぇ」


「何を話されていたのでしょうか?」


「いやよぉ、シャオイェンのあの警報何とかなんねぇのぉ?」


「そうですね、皆さんなんかどんよりとした動きですし、少し考えないといけないかもしれません」


「おうよぉ」


「そうですねぇ、ラジオDJなんかどうでしょうか?」


 銀龍は、ソファーから立ち上がり、指を鳴らす。


「うぉう!! そ、れ、だ!!!」


「いっその事、彼女の24時間ラジオ番組にしてしまって、なおかつずっと不定期放送にしてみるのはいかがでしょうか?」


「よし、放映局を作るぞ!!」


 金龍は、微笑させながら、灰皿にキセルの灰を捨てる。


「いんじゃないかしら? 会社作っちゃえば、税金対策にもなるし」


「でもよぉ、とりあえずよぉ、これだけネットも普及してるしよぉ。試しにシャオイェンに喋ってもらおうかい」


「そうね、ネット配信みたいで喋ってもらいましょうか?」


「オッケー、じゃあさっそく実行だ!! メイヨウ、わりぃがそれなりに高そうなマイクを買ってきてやってくれよ!!」


 メイヨウは瞼を薄く閉じ、着物を揺らせ、腰を落とす。


「かしこまりました、銀龍様……」と、メイヨウは早速行動に移してくれる。



 午前中、銀龍は全ての物事を済ませ、最近は毎日足を運んでいる「劉龍飯店」の扉をくぐる。


 店内は閉店かと錯覚するほど、物静かで、騒がしいのはルェイジーぐらいだ。


「アイヤ!! 劉店長!! 銀龍来たネ!!」


 いつもの劉店長のはりのある声は聞こえず、皆、周辺の客も何も言わずにぼそぼそと喋りながらご飯を食べている。


 よく見ると、他の客は中国箸をひたすらかじりついている者や、鼻からスープを飲んでいる者や、ワンタンスープを飲もうとしているのに、レンゲのすくう部分を取っ手に持って、何とかしてワンタンを食べようとしている。


 ここ、連日のシャオイェン警報が全ての原因であるのは間違いない。


 銀龍も寝ぼけ眼で、そのままルェイジーの案内通りにそのまま店長がよく座っている奥のテーブルに座った。


「アイヤ!! 銀龍、注文何アルか!!」


「テメェさん、よく大丈夫だよなぁ。あれ? ママさんはどうしてぇ?」


「今日は、ママいないアルヨ!! ルェイジー、ぐっすり眠れたアルネ!!」


「あー、テメェさんは水の中でも寝れるんだったよなぁ……」


 銀龍はその一言で突如思い出した。


 何かの、どっかの大規模作戦だったか忘れたが、ルェイジーはなぜか泳ぎながら眠れるという、傭兵にとっても羨ましい謎の身体能力を持っている。


 つまり、彼女のねぞうもヤバいということになる。


「アイヤ!! ママと寝ていても、ママも寝ながらルェイジーの攻撃をかわしているネ!!」


「んだよぉ、そりゃあ。どんだけ、クンフー狂いなんだよぉ……」


 銀龍にとっては、それは誉め言葉であるのだ。


「それで、注文は何アルか!!」


「……チャーハン、お願いします……」


 これで、酒が入ったら、確実に即死コンボだ。


 いつもは新聞も目に通すはずなのだが、あまりの睡眠不足で、両肘をついたままこうべを垂れている。


「やべぇ、オレの髪って、カーテンの役割に……」


 銀龍はこういう傭兵家業をやっている割には、部屋が暗くないと眠れないタイプだ。


 そして、自身のセミロングがまさかのカーテンの役割を担うということに対して、32年間生きてきて初めて気づいた。


「こいつぁ、こたえるぜぇ……」


 銀龍は、そのまま眠りそうになっているところで、オーダーしたチャーハンが来ないことに銀龍は気づいた。


 ルェイジーも一人なので、忙しそうなあまり、ついついカウンターの方まで重い足を運ぶ。


 カウンターから劉店長の背中は見えていたが、ブツブツと何かを言いながら空を眺めている。


 銀龍はチャイナドレスを揺らしながら、椅子に膝を乗っけ、半身を出して劉店長をようやく覗くことができた。


「劉……さん……」


 なんと、劉店主は眠さと戦うあまり、卵を握って鍋を振っているつもりだったようだ。


 つまり、生卵を鮮やかに縦に振っている。


「……こ、コイツぁヤベェぜ……」


 シャオイェン警報は、チャイナガールズの中でも最も持久戦に適したものだと、新たに気づかされた瞬間だった。


「店長!! おい!! 劉さん!!!!」


 銀龍の声に、ようやく気付いたのか、ハッとして劉店主はカウンターに振り向いた。


「あ、すみません、銀龍さん!!」


「おいおい~頼むぜぇ。チャーハンまだかい?」


 劉店主は自身の右手を見て、ハッとしている。


「ああああ、すぐつくりますんで!!」


「すまねぇ、シャオイェンのせいだよな……」


 背中を見せながら店主は口を開く。


「いえ、うちの九龍城国守ってもらっているんです、そんなことはないですよ」


「ムリしなくていいぜぇ。ったくよぉ、法律が整備されなさすぎの国もまた、不便だぜぇ」


「へい、銀龍さん、お待ち!!」


「だよなぁ、普通はもっとはえーもんなぁ……」


「へへへ、すみません」と、店主は照れくさそうに笑った。



朱 曉燕(晓燕) (シュ シャオイェン)


年齢16才

女性

身長155センチ

髪は赤 髪型は、短髪。右耳に、梅の花の髪飾りをしている。

肌の色 黄色

瞳 赤

人種 中国(山東省)

利き腕 両方

クンフースタイル 梅花蟷螂拳(連続攻撃を得意とする)

得意技 赤き閃光の突き  最快的速度决策技术(Zuì kuài de sùdù juécè jìshù)

得意武器 梅花双刀

一人称 自分

誕生日 NAY546年3月11日

部隊 朱雀

BWH 体重 73/50/74 61キログラム


実直で、まじめな女の子。

だが、ストレートすぎるが故、分析癖は他の部隊員の追随を許さず、

セリフの量も膨大になりがち。

カンフーは、本当に実直、まじめで、まっすぐな技を撃つと、

部隊長である、李麗々(リー レイレイ)からも評価をもらっている。

服装は、中国服に、しちぶだけのパンツをはいている。

とても、さっぱりしていて、ボーイッシュ。

その為なのか、あまり感情を表立って表情を変えることは少なく、

回りが見えていない部分も多数出てしまっているところが、弱点。


だが、それを含めて皆から慕われている。

趣味は、ボーイッシュとはかけ離れている、女の子らしいピアス集め。

現在は、九龍城国の「紅龍省」に住んでいる。

マンション「紅木楼ホンムゥラウ」の101号室に住んでいる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ