3-21 シェンリュ、なぜか「猫猫喫茶」で働く!! その1(クロスオーバー作品)
アタイの名前は陶 深緑(深緑) トウ シェンリュ。
九龍城国の「碧龍省」に住んでるんだ。
「碧龍省」は上空から見て、北東側にある地域なの。
九龍城国専属傭兵集団「チャイナガールズ!!」で仕事していて、アタイはチャイナガールズの仕事はとっても大好き!!
毎日、クンフーで強くなって、更に頑張れば色々な報酬もついてくる!!
戦車五台で、5万クーロンドル!!
装甲車十台で、9万クーロンドル!!
敵を倒せば倒すほど、ボーナスがいっぱい入るの!!
でも、アタイが一番目指しているのは、銀龍ターレンはいっぱい持っているけど、九龍城国から授かる勲章!!
凄く憧れなんだ。
アタイは、銀龍ターレンに呼ばれたので、チャイナガールズの事務所へやってきた。
自動ドアが開くと、銀色の龍が降りているタトゥーが私を歓迎してくれた。
キセルを片手に持ったまま振り向いた。
「よぉ、シェンリュ……」
そして、その隣にはスタイル超抜群な赤いスパンコールドレスを着ている女性がいたのだ。
私は、銀色のチャイナドレスを着ている人に話しかけた。
「あれ? 銀龍ターレン。勲章は?」
その人は私を一瞥した後、キセルを持ったまま両手に腰をあてて不気味に笑い始めた。
この時点で、悪い予感しかない。
「へっへっへっへっ……。シェンリュ、テメェにはなぁ、猫という勲章を与えてやらぁ!!!」
「え?」と、アタイはどういう顔をしていたのだろう。
赤いスパンコールドレス姿の、女性が赤い唇を開ける。
「シェンリュちゃん、お久しぶり。猫カフェに興味ない?」
「お、お久しぶりです。猫……猫は好きですけど……」
銀龍ターレンが私の前に来て、アタイを見上げたまま突如右肩に手をおいた。
「よし、じゃあ決まりだなぁ!!」
アタイは、毎回勢いのあまりおされそうになるが、今回はさすがに聞き返した。
「ちょ、銀龍ターレン。アタイは何をやるの?」
「へっ……。猫カフェをなぁ綾ちゃんがプロデュースしたんだけどよぉ。オープンになって一人辞退しちまったんだぜぇ。
だからよぉ、副業ついでによぉテメェさんを店員としてスカウトしたまでよぉ」
「そ、それ、スカウトっていうんですか?」
「今、したじゃあねかよぉ……」
「猫カフェ……子猫ちゃんもいますか?」
「いるぜぇ……」
「三毛猫は、いますか?」
「いる!!」
「マンチカンは!!!」
「もちろんだぜぇ……」
「やります!!!」
「おし、決定だなぁ……」
綾さんがアタイを見つつ笑顔になる。
「じゃ、交渉成立ね!! 明日、銅龍省のメインストリート寄りの八番街地区に来てね。
地図データは後ほど送っておくわ」
♪ ♪ ♪
次の日。
私は、いかにも新しそうな店の入り口前で待っていた。
お店はとてもオシャレな外観で、金色の文字で「猫猫喫茶」と看板は書かれていて、
入り口にぶら下がっている「OPEN」と書かれている札には猫が忍び足で歩いている感じのデザイン。
更には木製の扉で、とっての部分は木彫りの猫がのっかっている凝ったデザイン。とってもカワイイのだ。
……さすがは、綾さんね。
とにかく、あらゆる小物が猫になっていて、徹底的にこだわっていてスキがないのだ。
そして、ようやく到着した赤いスパンコールドレスを着ているプロデューサーが到着した。
「朝早くからごめんなさいね、シェンリュちゃん」
「いえ、大丈夫です」
「そろそろ、到着するころなのだけど……」
足音がしたので、私は振り向いた。
そこには、銀龍ターレンよりも背が低く、目は赤色。
髪はボブヘアーで、ピンク色。
両耳の裏辺りに三つ編みのウィッグを左右両方にしている。
彼女は私に向けてお辞儀をした。
「初めまして、戚 梦想といいまちゅ!!」
私は彼女を見下げながら、とりあえずあいさつ。
「は、初めまして、シェンリュといいます……」
「おはよう、メンシャン店長……」
「え?」と、私はどんな表情していたのだろう……。
「大丈夫よ、口調はカワイイ女の子だけど、彼女これでも20歳越えているわ」
「え? 20歳……」
「そうよ、ビールも飲むし、ワインも飲むわ」
「か、カワイイけど……大丈夫なのかしら」
彼女は、手をぐるぐるさせながら、暴れる。
「大丈夫でちゅよ!!」
「こう見えて、猫の扱いに関してはスペシャリストよ!!」
「猫ちゃんは、カワイイでちゅよ!!」
「う、うん、分かりますよ……」
アタイは、彼女と視線をそらす。
とっても、ファンシーな店長だなぁ。と、内心思っていた。
そして、もう一つの靴音が近づいてくる。
黒い長髪を揺らしながら、こちらへやってくるのだ。
音符が散りばめられたワンピース姿の女の子が、ヒールを鳴らしながらやってくるのだ。
随分と、芸能人みたいにかわいい子だなとアタイは思ったのだ。
彼女はアタイ達の前にやってきて、歩みを止めた。
「おはようございます、店長」
「おはようござまちゅ!! 越川美歌ちゃん!!」
ハミルトンさんが彼女に手のひらを差し出し、紹介してくれた。
「こちら、越川美歌さん。芸能人でもあるわ」
「美音符という名前知っていまちゅか!!」
アタイは九龍城国テレビを、見れるときと見れないときが極端なので、ちょっとわからなかったが……。
そういえば、ユグドシアル大陸で遠征に行っているとき、ファリンが確かCD持っていたことを思い出した。
彼女、顔を赤らめながら、CDを抱きしめていたっけ……。
はっと、アタイは思い出した。
「あ!! 同僚が確か知っているよ!!」
「そうなのでちゅ、カワイイアイドルなのでちゅ!!」
アタイは、複雑な心境になった。
カワイイ大人の女性が、カワイイカワイイ言っているので、カオスになる。
ハミルトンさんが「とりあえず入りましょ……」と話を切ってアタイ達は中に入った。
越川美歌
年齢15才
女性
身長159センチ
黒髪 ロングストレート。
肌の色 健康的な黄色
瞳 黒
出身 不明
利き腕 右手
クンフースタイル なし
得意技 歌
得意武器 マイク
一人称 私
誕生日 不明
BWH 体重 89/62/87 ヒミツ(50ぐらい?)
異なる世界からやってきた、パラレルヒューマン。
九龍城国に来る前には魔法が使える世界にいたため、暮らしに多少の不便はあるものの、
なじんでいる。
自己暗示能力が高く、魔法が使用できないので、自己暗示により能力向上ができる。
具体的には、跳躍力が素の状態でもパワーアップし、更には力も気を巡らせずに
ゼロ距離で力を発揮できる。
黒髪、ロングストレートの女の子。
名称で芸能人として美音符という名前で活動している。
アイドルになっているときは、フリフリの西洋風の水色の衣装。
膝上ぐらいのスカート。
普段は、九龍城国内でバイトしながらアイドル活動している。
「銅龍省」に住んでいて、「猫猫喫茶」というメイドカフェで働いている。
水色のメイド服に、猫耳カチューシャがとっても似合う。
じつは、オーナーはハミルトン綾。




