3-18 ルェイジーとリームォのジャンケン。 その2
銀龍:おい、テメーら、ジャンケン禁止な?
ルェイジー:アイヤ!! なんでアルか?
銀龍:なんでじゃねーよぉ。ったく、大飯ぐらいでかつ破壊活動かよぉ。
ドラゴンマフィアすら、逃げ出すぜぇ……。
リームォ:どらごんまふぃあ、おいしいの?
銀龍:おう、すげうめーぞー……(白目)
イェチンは、ストレス解消で白龍省にある所で趣味で一人でサッカーしたり、リフティングをしている。
チャイナガールズのメンツを誘いたいところだが、この国ではほとんどの人々はサッカーを知らない。
九龍城国内ではスポーツよりもクンフー、政治よりもクンフーだからなのだ。
そして、イェチンはその帰りに、必ず白龍省の公園でも軽くボールで遊んでから自宅へと戻るのだ。
通りがかった、イェチンは自身の赤いユニフォームの格好をしたまま、公園に到着した。
だが、そこには平和な光景など一切なかった。
池があったはずの場所も水はおろか土しかなく、きれいな花壇があった花も、すべてめくりあがって、散り散りに粉砕されている。
おしゃれな外套があったはずなのに、その外套の姿すらなく、その公園の中心にはルェイジーとリームォが突っ伏していた。
「アイヨー、話しかけたいけど、すごく面倒になりそうな気がするよ……」
そして、ルェイジーと視線があう。
「アイヤ!! イェチンアルネ!!! おーいアルーー!!」
イェチンは、しぶしぶと一歩ずつ足を踏みしめながら、苦笑いした。
「アイヨー、ルェイジーここで何しているよ。というか、公園どこ行ったよ」
「アイヤ!! リームォとジャンケンしていたら、こうなったアルーー!!」
と、屈託のない笑顔をさせる。
「そ、それで、どうしたよ。なんか探しているの?」
リームォが、すかさずイェチンを見上げる。
「ホンホンとリャンリャン、さがしてりゅ……」
「アイヨー、この景色、どう考えても公園にいないよー」
「アイヤー……どうしてアルか?」
「公園には、いないよー。たぶん吹っ飛んだよー。飛龍だよー……」
「アイヤ!! じゃあ、頑張って探すアルネ!!」
「たぶん、探さなくても大丈夫じゃない?」
ルェイジーは、両方の眉毛を下げ、悲しそうな顔をさせた。
「アイヤ、せっかくジャンケンをもう一度見せたかったアルのにねー……」
「二人だったら、大丈夫よ。それよりも、これ……どうするよ」
ルェイジーは、イェチンの言われたとおり、周辺を見渡す。
「アイヤ!! これ、誰がやったアルか!!!」
「アイヨー、それすらも気づいていないよ」
どさりと、音がしたので、三人は同時に後ろを振り向く。
初めはわからなかったが、普段から特徴のある笑顔をさせている見慣れた女性が黒いリクルートスーツを着ていた。
リーシーが、バックを落としたのだ。
「……これは~凄まじいですね~~。一体~公園はどこに行ってしまったのでしょう~~」
イェチンは、サッカーユニフォーム姿のまま、両手を上げて首を左右にふる。
「リーシーシェンシン、私にもわからないよ。到着したときは、すでにこうなっていたよ」
「これは~チャンスかもです~~」
「イェチンさん~さっそく銀龍さんに連絡です~~」
「アイヨー、それよりもそのカッコウは一体どうしたのよ」
「その前に、とりあえず~連絡です~~」
「アイヨー、了解」と、イェチンの瞳が薄青くなる。
――1時間後
そして、銀龍は、その光景に、キセルを落とした。
「な、どんだけだよぉ……」
リーシーが全部まとめて報告した。
「ったくよぉ……ジャンケンで公園吹っ飛ぶ国ってぇよぉ、うちらぐらいしかねぇぜよぉ……。
莫大な保険を国にかけているから全然大丈夫なんだけどよぉ。
ルェイジーとリームォにはよぉ、ジャンケン禁止令出しとくぜ……」
「それと、銀龍さん~これって~等級は下がって行ってしまいますが~チャンスなんじゃないでしょうか~~?」
銀龍は、キセルを拾い上げ、ユグドシアル大陸と比較してもおかしくない、殺風景な光景を眺める。
「あん? いってぇ、どういうこったい」
「私の~~やっている営業の~~チャンスですよ~~」
「ま、まさか……」
「そうです~このような災害のために~ぜひとも入っていただければ~~」
「そうか、恐怖心が購買意欲につながる!!!」
「そうですよ~銀龍さんは~本当にこういうところは~商売下手くそなんですから~~」
「まあ、苦手っちゃあ苦手だぜぇ……。でもよぉ、リーシーよぉ……でかした!!」
銀龍は、両手でリーシーの両肩を力強く掴む。
「テメェ、ここで踏ん張ればぁ!! 副社長になれるぜ!!!」
銀龍は、背筋を伸ばし荒野へと変貌した公園で両手に腰をあてて、大笑いする。
「あーはっはっはっはっはっは!! ピンチはチャンスだぜ!!!」
リーシーは、笑ったままの顔で、少し汗ばむ。
「なんか違う方向に~行ってるような~~私の~休みは~~?」
遠方のスピーカーでは、シャオイェンがずっと喋っていた。
「シャオイェン警報、5時間目です。ここで、皆さんからのレターを紹介します。
うるさくて眠れねぇ、何とかしろよ!! クソアマ!!
何というか、とっても刺激的なレター誠にありがとうございます。
うるさくて申し訳ないのは分かっていますが、私は寝ている間も寝言でこのようにお話をしているときがあるそうです。
相方には非常に迷惑がられますが、私の性格上、無理なので、このように24時間ほど喋らさせて貰っています。
これだけ喋れると非常に楽しいですね。
そういえば楽しいと言えば、人のエンドルフィンが脳内を支配するときほど、幸福度が上がるそうで……」
かくして、チャイナガールズ警報に「ジャンケン警報」という、また新たな警報が刻まれた!!!
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実は設定表ができるようになっているのだ!!
それとも、コレクションのように集めてみてもいいし。
ただし、私も発言するので、ついーとの速度は尋常ではないのだ。
君は、全ての設定を果たして見ることができるのだろうか?
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