3-13 ホンホンリャンリャン警報 その1
ホンホンとリャンリャンは、伝説の映画「燃えよドラゴン」を見ていた。
ヤーイーから武術の参考になるということで、データを借りてみたのだ。
データーのやり取りで、行うため非常に速い。
借りたデーターは返すのも、この世界では当たり前なのだ。
昔は、著作権という法律で縛っていたが、
最近ではデジタルになり、借りたデータは持ち主に返すのが当たり前になっている。
データも、また財産というわけだ。
ヌンチャクやトンファーで、敵をぶっ倒す話だ。
ホンホンとリャンリャンには、お母さんがいる。
お母さんに預けられたのはつい最近で、ホンホンとリャンリャンも実の母親のように慕っている。
だから、傭兵で稼いだお金は、全部母親に渡すようにしていた。
今日は働きに出ていて、二日間ほど帰れないみたいなので、二日分の食事を冷蔵庫に入れておいてもらっている。
何かあったら、お母さんに連絡か、シュエジー老子に助けてもらうように母親は頼んでいた。
ホンホンとリャンリャンは、二人で物真似をしていた。
右手を顔の辺りに構え、「あちょー!!!」と、叫んでいる。
ニッと笑うと右八重歯が見えるのがホンホン。
リャンリャンは「ホワッチャー!!」と、叫びながら拳を縦に突き出し、笑う。
左八重歯がきらりと光った。
「ねぇねぇ、リャンリャン、外の公園でクンフー修行しよう!!」
リャンリャンは、左側の八重歯をだし、笑う。
「うん、わかった、あそこでしゅぎょうしましょう!!」
二人はバトルドレス、チャイナ服を着て、公園の前で六角棍を持ちながら、おたがいにあいさつをした。
十数人の、老人から子供まで、月琴の音を聞きながら太極拳の套路を行っている。
ホンホンは、垂直に六角棍を石畳につく。
コン!! と、軽快に響く。
「よし、じゃあ兵器同士で套路を行うわ!!」
リャンリャンも、同じ仕草で六角棍を石畳に垂直に突いた。
「ここは、兵器たい拳法にしましょう!!」
二人の意見はあっという間に真っ二つになった。
「兵器だよ!!」
「拳法です!!」
ずっと言い合いが続いていて、周りの太極拳を行っていた一般人も鬼気迫る迫力にひいていた。
二人は、鼻先まで顔を近づける。
「こうなったら!!」
「しかたがないです!!」
両者とも距離をおいて、六角棍の先を同時に向けた。
そして、ただならぬ勢いで、太極拳をしている人々が散り散りに逃げていく。
その中の誰かが叫んだ。
「おい!! ホンホンリャンリャン警報を出せ!!」
そこら中にあるスピーカーから警報が流れた。
「ホンホンとリャンリャン警報です、付近にいる方々は、なるべく建物内に逃げるか、アパートにあるシャッターも下すようにしましょう」
二人とも、同時に六角棍をふるう。
金属と金属が激しい火花を散らしながら、鋼鉄の棒と棒がこすれ合う。
リャンリャンが、大きな口を開けながら、棒を薙ぐ。
ホンホンは跳躍、リャンリャンに容赦なく縦に棒を振るう。
石畳と棒がぶつかり、リャンリャンは片手を離し、手を振った。
「ったぁ、手しびれた!!」
「スキありですね!!」
リャンリャンは棒を幾度もつく。
そのたびにホンホンは軽やかに鋭い突き技をすべてかわす。
「あまい!!!」
リャンリャン側へ一歩踏み出し、そのまま頭突きをする。
リャンリャンは、みぞおちにその衝撃が伝わり、後ろへ吹っ飛ぶが、ダメージを軽減するためにわざと後ろ
へ飛んだ。
空中でくるりと回転し、リャンリャンの構えが変わる。
両手両足を石畳につき、眉根を寄せて吊り上げている。
「がるるるる!!!」
リャンリャン式白虎拳の構えだ。
「かまえ、変えたわね!! リャンリャン!!」
「がるる!!」と、声を出しながら、S字を幾度も描き、ホンホンへ一気に駆け寄る。
ホンホンは、とっさに棒を出し、リャンリャンの突撃を食い止める。
そして、後ろにあるベンチへとそのまま吹っ飛んだ。
ベンチは、真っ二つに折れるが、二人はお構いなしだ。
「いったぁ!!!」
二人は同時に立ち上がり、3メータほど距離を置く。
ホンホンは棒を回転させる。
リャンリャンも棒を回転させる。
「気功ユニット全開!!」
二人が同時に叫ぶと、空に鉛色の雲が集まり、上空の雷が横へと流れる。
そして、ホンホンに雷が落ちて、バリアに守られつつ、リャンリャンへと向かっていく。
リャンリャンも稲妻攻撃なので、棒をフル回転させバリアをはる。
ホンホンはプラス、リャンリャンはマイナス。
その流れで稲妻が落ちるというコンビネーション大技なのだが、
確実に技の悪用だった。
棒を振るうたびに、電が放たれ、整備されたあらゆる花や、木々、更には公共施設のものまでが全て落雷により粉々になる。
「てぇえええい!! リャンリャン、これで、終わりだーーーーー!!」と、ホンホンがリャンリャンへ突撃した瞬間だった。
「ホワッチャアァアアアア!!!」という声とともに、第三者にお腹を蹴られ吹っ飛んだ。
音速で吹っ飛ばされたホンホンは、池へ突撃する。
池は限界まで膨張し、上空に雨を作った。
吹っ飛んだリャンリャンを中心に大きなクレーターができたのだ。
ヤーイーが放送を聞きつけて、駆けつけていたのだ。
池の中にいた亀や魚など、様々な生物が空から降ってくる。
リャンリャンは、両手に腰をあてている白いチャイナドレスを着ている人の背中を見た。
背面には、白虎を背負っているとても大きな背中だ。
ヤーイーがリャンリャンに振り向いた。
「ったく、何やってんのよ!!」
リャンリャンは、涙を流し始めた。
「た、たいちょう……。ごめんなさーい!!!」
ヤーイーは、ため息をついて、リャンリャンの頭を撫でた。
「何で、喧嘩してたのよ? あんた達」
「だってー、クンフーしゅぎょうでーーーー、しゅぎょうのいけんがわれちゃったんですーーー!!」
「ご近所迷惑でしょ? あんた達、もっと良い方法で解決できなかったの? チャイナガールズにも何か状かあるじゃない。言ってごらんなさい」
「うあーん、ごめ、ごめんなさーーーーーい!!」
「もう、しょうがないわねぇ」
ホンホンが、体を震わせながら、何とか立ち上がった。
バリアに守られていたとはいえ、ヤーイーの蹴りの威力は尋常ではない。
ホンホンがゆっくりとヤーイーに近づいて行って、口を開いた。
「ヤーイー隊長。すみませんでした。チャイナガールズは、意見が割れそうだったときは必ず平和的な解決で行う事です……」
ヤーイーは、とぼとぼ歩いて来たホンホンの頭も撫でた。
「よく、できたわね。よしよし、蹴っちゃってごめんね……」
ヤーイーも眉根を寄せながら、涙をこらえていたが、目じりから大量の涙が出た。
「ご、ごめんなさぁあああい!! ヤーイーたいちょうおお!!!」
ヤーイーは、二人を抱き寄せ、背中をゆっくり撫でた。
「よしよし、あとでクンフー指導してあげるからね……」
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