3-3 ルェイジーちゃん、更なる高みへZ!! その2
<前回のあらすじ>
ルェイジーは、劉龍飯店で働いている時に、リームォから呼び出される。
そして、とあるアニメを見るが、それは地球から物語が始まり、宇宙へと飛び立ち、最後にはわからなくなるアニメだった。
そして、ルェイジーはついに銀龍を呼ぶこととなり、これからルェイジーの真の力が発揮されるというところだったのだ、、、、。
そして、二週間後。
ユグドシアル大陸北西の演習場だ。
北西は、山々が連なり鳥が空で交差している。
今度は、ルェイジーが珍しく銀龍を呼び出した。
しかも、演習準備前だというのにこんな辺鄙な小さい滝と、岩場が集まっているに呼び出されたのだ。
銀龍は岩の上で、キセルをくわえたまま、腕を組みながらハイヒールの靴先で岩を叩いている。
待ちすぎて、イライラしているのだ。
やがて、ルェイジーの声がした。
「アイヤ、お待たせアルネ!!」
その方向は銀龍の真後ろ、滝の頂からだ。
声ではわかるが、逆光なので姿がよく見えない。
銀龍は、振り向き様に粗暴な言葉を投げる。
「なんでぇ、テメェ!!! 散々待たせやがって……」
「とおっアルネ!!」という声とともに、銀龍の目の前に着地した。
着地した瞬間、水しぶきが起こり銀龍はその格好に絶句し、キセルが口元から落ちる。
「な、なんだーーーーーー! その格好!!!!!!」
ルェイジーは、オレンジ色の胴着を着ていて、更に、背中には〇に、亀と書かれている文字が、青龍の気功ユニットのように堂々と書かれている。
髪は、主人公の頭に忠実で、とにかくうまくとんがらせて黒い髪がとげとげしく所々立っている。
クンフースタイルの、いつもの中国靴ではなく何かエセ中国っぽいブーツみたいなものをはいている。
銀龍は、手を額にあてる。
「てかよぉ、オメェどういう神経してるんだよぉ? 何のマンガか忘れちまったけどよぉ、
それ……コスプレじゃねーかーーーーー!!」
「アイヤ、これ、コスプレなのネ? コスプレって何アルか?」
そして、もう一人の声が聞こえる。
「ふたりゅとも、ちょっとみゃった!!」
銀龍は、既に察したのか、口をあんぐりと開けその声の方向へ顔を振り向ける。
戦意喪失だ。
「とぉっ!!!」という声とともに、小っちゃい影が華麗にルェイジーと銀龍の前に降り立つ。
その影がハッキリと鮮明になる。
ルェイジー以上に銀龍は衝撃を受けた。
「いえええええええ!! リームォ、テメェ……。そこまでやるかよぉ」
リームォは、なんと主人公の相方の少林寺拳法と同じ頭で現れたからだ。
いつもの可愛らしいツインテールの髪型はどこにもなく、ツルッパゲだ。
「さ、さみゅい……。くしゅん!!」
銀龍は全開で振り切った潔さに、口元を右手で塞ぎ目頭に熱いものが流れた……。
「リームォ、ルェイジー、テメェらは絶対大物になるぜぇ……」
そして、ルェイジーが思いついて、口を開く。
「あ、銀龍、ここ呼んだのはこの格好だけじゃないアルネ!! ルェイジー、カメハメハとかいうやつをマスターしたネ!」
銀龍は、銀色のポーチからハンカチを取り出し、涙をぬぐう。
「いや、テメェら、もうそのかっこうだけで十分だ。手から気の塊なんて出るのは、マンガだけだからよぉ。目に見えないから、気功っていうんだぜ?」
「確かに、この二週間特訓したネ!! でも気の塊は出なかったネ!! それでもルェイジーは、特訓したネ!!」
銀龍の背中を背景に、滝が流れている。
岩というより、ほぼ山と表現した方がいいだろう。
ルェイジーは滝右横に行き、某マンガのように腰を落とし、両手を右わき腹に持ってくる。
「かぁーめぇーはぁーめぇーはぁーーーーーーーーーーーアルネー!!!!」
その気功を滝の壁面めがけて両手を縦に勢いよくあてた。
しかし、滝は静かに流れるだけだ。
静寂の中、銀龍はルェイジーの肩にそっと片手を置いた。
「分かった。テメェらは十分につえぇよ、オレ以上になぁ……」
そう言い残し、銀龍は踵を返し帰ろうとした瞬間だった。
地面が何かを呼び起こしたように揺れる。
「う、うおお、な、なんだ!!」
何と、ルェイジーの気功があらゆる岩肌を伝わり、それが地震のように岩が、滝が揺れているのだ!
「ル、ルェイジー……。テメェ、さすがにこれはやべぇぞ!!」
段々と、揺れが強くなり、ついに、滝が崩壊した。
ルェイジーと、リームォ、銀龍と、三人は一緒に洪水とともに流れていく。
銀龍達は、何とか息を切らし、流れる川から脱出した。
「テ、テメェら、地球の地形を崩しやがって……。はぁはぁ……」
ルェイジーは、倒れているリームォの胸を押す。
気絶しているリームォは、口から噴水のように大量に水を出した。
「アイヤ、まだまだアルネ!! 銀龍は言っていたアルネ!! 信じる力が強ければ、強いほどもっと力強くなるアル!!」
「言ったけどよぉ、テメェらは元から威力やスピードがフルカンストな訳よぉ、これ以上、チカラつえーとよぉ、地球が持たねぇわ」
「大丈夫アル!! 地球が壊れてもナメック星があるアル!!」
銀龍は、へ? と、口をへの字に曲げ両肩を落とす。
銀龍も幼少のころ、そんなマンガの記憶の断片があり、ストーリーも何となく覚えている。
人差し指を、ルェイジーに向ける。
「テ、テメェさあ、もしかして星が書いてある玉を集めて、7つ揃えば願い叶うと思っているか?」
「かなうネ!!!」
「んーと、あとよぉ、何か白と紫色のハゲで、シッポが生えている宇宙人がこの世にいると思っているか?」
「アイツ、アイツ許せないアルネ!!」
「更に聞くけどよぉ、もしかしてよぉ、宇宙には他の星があって、そこでもボールを集めると願い叶うと思っているか?」
「いつか宇宙に行って、七つの玉集めて、皆を生き返らすネ!!」
「あと、何だ? いつか天下を取れるような武道会に出てみるつもりか?」
「絶対、優勝して、悪い緑色の悪者を倒してやるネ!!」
銀龍の質問のたびに、ルェイジーの瞳の真ん中は、十字を切るみたいにキラキラしているのだ。
銀龍は、プラシーボ効果から始まった理論が、完全に狂気をはらんでいることに気づいた。
そして、銀龍は最後の言葉を放つ。
「テメェ、何話まで見た?」
「無印、Z、GT、超、原作本も全て見たネ!! すごいクンフーだったネ!!」
銀龍は、苦笑いしかできなかった。
「おいおい、フルコンプかよぉ……」
銀龍は、額に手をあててユグドシアル大陸の青空を仰いだ。
ふ……。今日のオレもお疲れ様……。
静かに笑みを漏らす銀龍だった。
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