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チャイナガールズ!!~スーパーカンフーハイパワーチーム~  作者: 乾ヒロキ
チャイナガールズ!!達の破壊的な日常。
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3-2 ルェイジーちゃん、更なる高みへZ!! その1


 九龍城国(カオルンセングォ)に戻ってきたルェイジー。


 相も変わらず、中華料理店でバイトもしつつ、毎日大忙し!!


 可愛いルェイジー目当てで、皆変な客ばっかり入る「劉龍飯店(りゅうりゅうはんてん)


 そんな忙しい時、リームォから連絡が入る。


 ルェイジーは配膳で出れなかったが、ようやく休憩になりリームォを呼び出す。


 ルェイジーの、瞳が青く光り、スマートコンタクトレンズでリームォと通信した。


「何アルかね、リームォ?」


「るぇいじー、あす、おやしゅみぃ?」


「ルェイジーは、いつでも、いつも大忙しアルネ」


 もう一つウィンドウが開き、いつも知っている女性が顔を出す。


「あらぁ、ルェイジーさぁんじゃないですかぁ。休暇はぁどうでしょうかぁ?」


「マーメイも今一緒アルか?」


「たまにはぁ、遊びに来てくださいねぇ」


「マーメイ、ゴメンアルネ! 明日もバイトあるよ! ルェイジー、一杯ご飯食べるアル、だから一杯稼がないといけないアルネ!」


「出張サービスはぁ、あるのでしょうかぁ?」


「あるアルヨ!」


「じゃあ、お金払うのでぇ、ルェイジーさんをぉ注文しますわぁ」


 ルェイジーは、テーブルを両手をついて、赤いチャイナドレス姿のまま、ぴょんぴょんはねる。


 すぐそばにいる店主の劉に話した。


「店長、店長!!」


 休憩中にタバコをくわえて、九龍城国新聞を見ている小太りな男性店主だ。


 不愛想だが、中華鍋とお玉を持った時の飯を作るときは超一流。


 それが、劉飯店の店主だ。


「なんだい、ルェイジーちゃん」


「ルェイジー、明日の仕事もらったアルネ! 出張サービス、ご指名アルネ!」


「そっかぁ、じゃあ明日行ってきな。しっかり、お代は頂くんだよ。誰んところだい?」


「それが、チャイナガールズの、直属の上司アルネ!!」


「ああ、お隣の黄龍地区のマーメイさんかい。気をつけて行ってきな」


 ルェイジーは、大喜びしながら、仕事なのかプライベートなのかよくわからない出張となった。


 九龍城国は、エリアがきっかり十に別れている。


 九龍城国は上空から見上げると、ケーキのホールのように丸くなっている。


 真ん中は、「中央省(セントラル)」と呼ばれている。


 富裕層が集まると言われていて、最もセキュリティが厳しいところだ。


 外側から徐々にセキュリティが緩くなっていく。


 中央省以外は、ケーキを分担するように九つのエリアにうまく分かれている。


 ルェイジーが住んでいるところは、「青龍」エリアだ。


 そして、リームォたちが住んでいるところは、「黄龍」エリアだ。


 「青龍」エリアと「黄龍」エリアは南側で隣り合っている。

 

 そのため、ルェイジーとリームォはよくあって遊んだりもしている。


 昔は、九龍城国内でも内戦が頻繁に起こっていて、誰かが立ち上がって国が統一されたらしい。


 ルェイジーは、9歳の頃に捨てられたので、もう5年近く、ここに住んでいることになる。


 黄龍エリアは、まあまあインフラなど整っていて、リームォたちがお姫様のような気がしてしまう。


 入り組んだ雑居ビルをいくつも掛け合わせたような道を歩き、マンションみたいな入り口の前についた。


 インターホンを押す。


「ルェイジー、到着アルネ!」


 ドタドタ駆ける足音がし、扉が開いた瞬間、リームォがルェイジーに抱き着いてきた。


「るぇいじぃ、おしょい」


「悪かったアルネ! ちょっと色々と具材を買ってきたアルヨ!」


 ルェイジーがマンションの入り口に入ろうとするが、巨大なリュックに引っかかる。


「アイヤー、これは無理アルネ」


 奥から、マーメイがやってくる。


「あらぁ、ルェイジーさぁん、そんなに買ってこなくてもいいんですよぉ」


 彼女の姿は、ジーパンに上着はアオザイを着ている。


 普段は、丈の短いチャイナドレスしか着ていないので、ルェイジーは妙な違和感を感じる。


 彼女は、一生懸命にバッグから色々なものを取り出し、


 何とか入室することに成功した。


 ルェイジーは、仕事なのでウェイトレス姿の赤いチャイナ服のままだ。


 会話をしながら、リビングへと三人は向かった。


 そして、リームォがまた日本のアニメの影響を受けているのか、腰に手を当てて、何か叫んでる。


「かーめーはーめーはぁーーーー」


 ルェイジーは、不思議がってその動きを見ていた。


 リームォがリビングの手前で説明してくれる。


「あらあらぁ、リームォったら、またそんなことを」


「あの恰好、何アルか?」


「だいぶ昔にねぇ、流行った日本のアニメをリームォは見ているのですよぉ」


「随分、少林拳に近い、クンフーネ?」


「まあ、そうなのかしらぁねぇ」


 ルェイジーはリームォに話しかける。


「リームォ、そのアニメ教えてくれるアルか?」


「リームォ、ルェイジーおねーたまと、いっしょに、アニメみたい」


「だったらぁ、今日は泊まっていきなさないなぁ」


「よろしいアルか?」


 リームォが、ルェイジーの腰に手をまわしたまま、一向に離れない。


「リームォ、いっちょにいたい……」


「わかたよ、ルェイジーも今日は泊まるアルネ!」


 ルェイジーは色々な料理をふるまった。


 お得意のチャーハンから始まり、ホイコーロー、鶏肉のカシューナッツ炒め、


 フカヒレのスープに、手作り日本製ラーメンなどなど……。


 ルェイジーは、いつか中華料理屋の店主になりたいといつの間にか願っていた。


「リームォ、いっぱい食べたアルネ! 食べる子、よく育つアル!!」


 そして、リビングの真ん中にある、紙のように薄いテレビ画面で、三人はくつろぐ。


 リームォとルェイジーは、早速そのアニメをみた。


 初めは中国っぽいところが舞台だったが、途中から宇宙を目指し、後半はもうよくわからなくなっていた。


 だが、ルェイジーは、主人公のように、瞬間移動できると完全に信じ切っていた。


 リームォとルェイジーは、寝間着になりリビングで二人とも遊んでいた。


 アニメをずっと見ていたリームォは、ルェイジーを指導する。


 ルェイジーも、真剣なまなざしでリームォと一緒の動きをした。


「リームォ老子、こうアルか!」


 腰を落とし、両手を右側の横腹側面に持っていく。


 そして、手に気をためて、一気に両掌を縦に突き出す。


「かーめーはーめーはぁー!! アルネ!」


 どうしても、口癖というか訛りというか、方言なのでアルネが入ってしまう。


「ルェイジーおねーたま、ちぎゃう……」


 最終的には、どっちが老子なのか分からないくらい、二人とも一生懸命に


 その形をマネた。


 マーメイの瞳に、通信が入る。


 銀龍だ。


「あらぁ、銀龍隊長さぁん。どうしたんですかぁ?」


「仕事でも何でもねぇ。十分満喫しているかどうか確認したかっただけだ。ん? なんか周りがやかましくねぇか?」


「すみませぇん……うるさくてぇ……」


 マーメイは、急須にお茶の葉っぱを入れながら、話ししている。


「リームォはともかく、どっかで聞いたことある声だし、訛りだな?」


 マーメイは、微笑みながら、三人分の暖かいウーロン茶を入れる。


「ふふ、銀龍隊長さんも、お呼びしたいぐらいですわぁ」


「何となく、分かったわ。やかましすぎて、どーせついていけねぇのはわかってるよ」


「今度の遠征はぁ、いつぐらいなのでしょうかぁ?」


「勘弁してくれよぉ、仕事の話しじゃねぇんだからよぉ」


「わかりましたぁ、ではぁ、またぁ……」


 と、マーメイは通信を切った。


 二人は、ずっと同じことをしている。


 マーメイにとっては、この光景が一番ゆっくりできる光景であった。


「二人ともぉ、ウーロン茶が入っていますわよぉ」


 二人は振り向きざまに「わーい」と、マーメイの傍に駆け寄ってきた。





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