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2-12 我らは、チームワーク最強!! 白虎部隊!!


 クトゥルフ社製パワードスーツを着ているものたちはテンパっていた。


「なんだよ、あのバケモノ!! 掠るどころか、全部よけやがる!!」


 男が駆るパワードスーツは飛行できないが、並みのワンマンタンクよりかは性能は段違いだ。


 他の者たちは倉庫裏側で銀龍に遊ばれている。


 ロケットランチャーを背中から射出するも、驚異的な正確なスピードで全部よけられる。


 男一人がふと呟いた。


「ちょっとまってくれよ、何かおかしくないか?」


 男は銀色のハエを見ながら右手機関銃を空へ向けて撃っている。


「どういうことだ?」


「なぜ、攻撃してこない?」


「そりゃあ、弾丸を無駄に消費させたいだけだろうよ」


 狙うたびに、一回転したり、急旋回して避けたりしている。


「そういえば、あれだけ早ければよ、俺達とっくにやられているぜ?」


 男は弾丸切れたので、スマートコンタクトレンズで残弾数を確認しようとしたところだ。


 隣の男が突如叫ぶ。


「ふぎゃあああああ!!!」


 男が急に真っ二つになり、爆発した。


 血と硝煙と赤い土ぼこりや皮膚が焦げるにおいが鼻腔をつく。


 男は何がおきたのか、分からないまま咳こむ。


 意味が分からなかった。


 煙が目に入るので、涙目になりながら瞼をゆっくり開けると、


 赤いチャイナドレスを来ている少女が黒煙を前にして、金色の剣を片手で持っている。


 この時、初めて理解できた。


 相手があの剣で男をぶった切ったことを……。


「な……」


 レイレイは、剣先を相手に向けて叫ぶ。


「私の名前は、朱雀部隊隊長レイレイレイよ!! あなた達、かくごしな……」


 突如、甲高い声が聞こえる。


「お、な、か、す、い、た、アルネーーーーー!!!」


 男の背中にはとてつもない衝撃が走る。


 赤いチャイナドレスの少女はすぐに跳躍した。


 そのまま勢いが止まらず、押し出され、もう一台の鋼鉄にぶつかり、プレス機につぶされるような感覚になったあと、爆発の衝撃が走った。


「がぶごあぁあああああ!!!」


 彼らが着用しているパワードスーツはまあまあだが、結局裏をかかれると厄介なことには変わりない。


 それは、どんな戦術だろうが、相手が人間なので変わることないのだ。


 レイレイは、金色の刃物を持ったまま、肩にかける。


「ちょっとぉ、ルェイジー、なにやってるのよ!!」


「アイヤ!! パワードスーツ殴ったアルよ!!」


「いや、そうじゃなくてぇ」


「何アルか?」


 レイレイは、あきらめ気味に頭をふる。


「もう、いいわ……」


 パワードスーツはあと二体。


 他のメンバーたちが相手をしている。


「おまえら、いい加減にしろ!! 俺達を舐めすぎだ!!」


 玄武部隊に向けて、全弾発射をさせる。


 ミサイルポッドは拡散し、大地を焼き、9ミリの弾丸は地上をえぐる。


 空薬きょうがひたすら回転しながら地面を弾み、男は全弾丸を撃ちきった。


 あらゆるスモークがかかり、赤い土埃も交わり、炎のかおりもする。


 スモッグが風で揺られ、消えたが、玄武部隊は半円球のバリアで全て覆われていた。


 男は笑みを見せるが、天から地獄へ落ちた、顔をさせる。


「う、嘘だろおおおお!!」


 銀龍は、その様子を冷淡に見ながら、つぶやいた。


 空を飛びながら、マニュピレーターでキセルをくわえる。


「テメェら、作戦もくそもねぇよ。地雷は置いてねぇし、パワードスーツのバリアもついてねぇし、舐めてんのはぁ、テメェらだよ……」


 そして、玄武部隊の裏側からヤーイー、ホンホン、リャンリャンと出てくる。


 男は思考を切り替え、近接モードに入った。


 右手からパーティカルロイド粒子を高速回転させるナイフを取り出す。


「殺してやらぁああああ!!」


 男は一歩踏み込み、ナイフを突き出そうとするが、なぜかヤーイーのトンファーが届く。


 一瞬の出来事で分からなかったが、相手の装甲で覆われている右手をトンファーではじき、もう片方の手で薙いでいた。


 男は視界がぼやける中、今度は見下ろすと、いつの間にか白い小さな虎、リャンリャンがいた。


 非常に背が低いので、近づかれているのかどうかわからなかった。


 視界に入った瞬間、白い小さな女の子は、「やあああ!!」と叫び、男の鋼鉄に包まれている腹部にめり込ませる。


 男は飛び出そうな目で「ふおうぶ」と口を開ける。


 既に意識が飛びそうな中、夕日に照らされ、ホンホンがすでに跳躍していた。


 ホンホンは飛び降りると同時にひるんだ男の後頭部を棍で振り下ろす。


 頭蓋骨が割れる音が響き、男の意識はすでにない。


 そして、ヤーイーを中心にホンホンとリャンリャンは三人同時にトンファーと棍を突き出し、相手を吹っ飛ばした。


 三人同時に声を発する。


「ホワッチャアアアアアア!!」


「いやあああああああああ!!」


 パワードスーツなど意味がない。


 その衝撃は突き抜け、窓ガラスを突き破り、倉庫の鉄骨をへし折り、更にはもう一枚のもろい壁を突き抜け、男は尽きた。


 ホンホンとリャンリャンは棍先を同時に赤い土に置くと同時に、そのパワードスーツは大爆発を起こした。


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