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2-10 チャイナガールズVS機甲部隊


 玄武部隊は、爆撃と硝煙が立ち込める前線にいた。


 バリアでガードするたびに周辺の赤い土がえぐられ、砂煙が湧きあがる。


 最善の防御方法を持っているのが、玄武部隊なので、激しい攻撃を止める役柄が多い。


 そして、今回もそうだった。


 相手側が奥の手をついに出してきた。


 1人乗り用の戦車ワンマンタンクを駆って出てきたのだ。


 朱雀部隊は、三人の青い半円球のバリアによって守られている。


 玄武部隊は他の部隊よりも人一人分入るぐらいのバリアの範囲となっていて、その狙いはこのように前線まで部隊を運ぶようになっている。


 戦車と同じ理論だ。


 そのため、最後の最後までパーティカルロイド粒子の温存に努めていた。


 たった三人だけで、戦車5台、装甲車5台の砲撃を全て受け止めている。


 相手側も容赦なく、後方には装甲車の砲撃もただひたすら連発。


 玄武部隊の裏で隠れていたのは、朱雀部隊だ。


 荒野の中、ゆっくりと玄武部隊が歩んでいく。


 朱雀部隊が進むには、もう少し、距離を詰めたいところだ。


 リーシーは、間延びした声で部隊内全員に通信網で連絡する。


「皆、もう少しよ~頑張って~! あと50メータ~、40~、30~、20~、10~……朱雀部隊~お願いします~!!」


 その瞬間だ。


 玄武部隊のバリア内から、高速に移動する赤い三つの影が装甲車に同時に近づく。


 朱雀を背負っている女の子が最速、弾丸をよけながら、装甲車の裏の扉を七星剣でぶった切る。


 パーティカルロイドを応用した出力の剣なので、装甲車の扉がいとも簡単に一瞬に溶解してぶっ壊れるのだ。


 扉が開いた瞬間、リームォが無邪気な声で、「おなかしゅいたー」と、言いながら、装甲車の中に突撃する。


 男の声が「うううひいぃぃぃ!!」と銃声が二発なった後、リームォが驚異的なスピードで出てくる。


 両手に持っている刃物は真っ赤に染まっている。


 装甲車をぶっ壊すよりも、装甲車に乗っている人間を襲った方が速く、かつ迅速だ。


 しかも、パーティカルロイドの節約にもなる。


 シャオイェンは、1人で装甲車二台を相手にしている。


 だが、梅花双刀という両手もちの武器を振り回し、全ての7ミリの弾丸を弾いてしまう。


 あまりにも凄まじい速度なので、荒野の赤い砂埃が舞っていく。


 どんなに弾丸が彼女を襲ってこようとも、顔色一つ変えない。


 バリアを使うほどでもないと判断したシャオイェンは、装甲車を中心に半円を回り裏へと近づく。


 そして、刀をバツ字を描き、装甲車の扉をぶっ壊した。


 中に入り、相手が幾度も銃を撃つが、跳弾に当たり、ひるんだ瞬間、叫び声が聞こえた。


「ぎゃあああああ!!」


 その後、気功ユニットを全開にさせ、隣の装甲車の扉もあっという間に壊す。


 壊れた瞬間を狙い、リームォが瞬時に入って、とどめを刺した。


 三代目の装甲車は反撃する間もなく、静かに落ちた。


 レイレイは、すぐさま戦車の後ろにいる装甲車を相手にする。


 装甲車は弾丸を撃ちまくっているが、当たる気配など全くない。


 レイレイが速すぎるのだ。


 赤い影が急加速、急停止し、装甲車周辺を一周する。


 装甲車の銃口に斬撃をかまし、銃身が短くなる。


 鋼鉄の車はバックしようと動き出すが、全く動かない。


 青龍部隊のマーメイがバックする装甲車に対して、全身を使って押し返していたのだ。


「ひいいぃぃぃ!!!」


 外側でも相手側の声が聞こえる。男は恐怖のあまり、ただただ叫ぶしかない。

 

 マーメイの力は、とんでもない馬鹿力だ。


 ハイヒールが、荒野の乾いた土に突き刺さり埋まるが、装甲車は逃げたくてもバックできない。


 それに気づいたルェイジーは、装甲車の横から、容赦なく技をかます。


「お、な、か、す、い、た、アルネーーーーーーーーーーーーーー!!!」


 と、最速の拳を縦に突き出した。


 彼女の拳のスピードがバリア発生まで到達し、装甲車が紙のように吹っ飛ぶ。


 鋼鉄の塊が、赤い土ぼこりを巻き上げながら、100メータほどゴロゴロ横に転がり、爆発した。


「やったアルネ!! ルェイジー、またご飯食べられるねアルネ!!」


「あらまぁ、ルェイジーさぁん、すごいですねぇ」


 ルェイジーは深呼吸をし、劈掛拳の構えをかまえなおす。


「ルェイジー、まだまだやるアルネ!!」


 更に隣りでは、前線で防御を張っていた戦車対玄武部隊となっていた。


 戦車は全部で五台。


 真っ向からの勝負だった。


 玄武部隊は防御バリアをはりつつ、戦車の砲撃もバリアのせいで滑っていく。


 戦車部隊内の悲惨な叫びが聞こえてくる。


「うあああ、こ、コイツら化け物だ!!」


「し、死にたくねぇよ!!!」


「何で100ミリ以上ある砲撃がきねぇんだよぉ!!!」


 そんな叫び声もむなしく響いている中、青い影が戦車の上に乗っかっていた。


 イェチン、ただ一人のみ……。


 左右前髪のみを縛っている、長く黒い髪が風でふわりふわりと揺らいでいる。


 ワンマンタンクのハッチを見下ろしながら、声を抑え気味でイェチンは独り言のようにつぶやいた。


「アイヨー……。私は、アンタたちに同情なんてしないよ……」


 イェチンの瞳が青くぼんやりと浮き上がる。


 ナイフみたいな兵器を逆手に持ちながら、急激にしゃがみ込み、鷹爪翻子拳の構えを行う。


「くらえ!! 旋风脚涉及一切(全てを巻き込む旋風脚)!!」


 と、戦車のハッチ部上空で高速回転し、かかと蹴りを戦車にお見舞いする。


 イェチンの強力なバリアで押し込まれたのか、ハッチが戦車本体を突き抜け、地面まで貫通する。


 そして、斬撃が後からやってきて、戦車が棺桶となった瞬間だ。


「うごががががががが!!!」


 搭乗者の身体がズタズタになっているのは間違いない。


 イェチンは軽く飛翔し、地面へ。


 そして、更にマーメイが戦車の真横で急停止、その戦車の横で急激にしゃがみ込む。


 彼女のスリット、太ももから腰にかけて、あらわになり、スリムな足の筋肉が膨張する。


 その戦車の左サイドを狙い、荒野の赤き土煙と一緒にジャンプ二段蹴りをさせた。


「超!!!連還腿(れんかんたい)!!!」


 軽く跳躍しながら二段蹴りを鋼鉄にお見舞いさせると、戦車が6メータほど上空へ吹っ飛び、隣のもう一台の戦車の下敷きになる。


 戦車と戦車のサンドイッチだ。


 イェチンとマーメイは即座に戦車から離れ、他の隊員も離脱。


 エネルギー炉に引火して、戦車のサンドイッチは大爆発を起こした。


 青空へと赤い炎が伸びあがる。


 熱風を感じつつ、各部隊は小隊の陣形を整えた。


 青空に、銀色の影が走っている。


 銀龍が全員に通信網を開いていた。


「よお、テメェら、どうだ調子は?」


 各部隊長が報告。


 朱雀部隊隊長レイレイ。


「装甲車三台破壊しました」


 青龍部隊隊長マーメイ


「戦車はぁ、二台ほどぉ撃破しましたぁ」


 白虎部隊隊長ヤーイー。


「こっちは、歩兵部隊を5人ほど。あと、2分でそちらへ到着できそうです」


 玄武部隊隊長リーシー。


「もうちょい頑張れば、コステロどもの所へいけるんじゃない?」


 銀龍は「わかった」と言った後、更に加速した。


「テメェら、いいか? 一人も残すんじゃねーぞ!!」


 12名全員は同時にこたえる。


「全ては、九龍城国のために!!」


「引き続き、潰せ!!」


「了解!!」



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