表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/178

1-21 演習、ラストバトル!! その3

  

 空から、オカマが再び三人のチャイナガールズ達の目前に飛来してくる。


「いんやぁ、さすがねぇ! 久々にこうふんしちゃんたわぁあああ!!」


 続いて、爆速でダッシュしてくる影がある。


「あなたたちぃぃぃ!! ファンになっっちゃうわよーーーーーーーー!!!!」


 そして、お得意のショルダーで、オカマが急ブレーキし戻ってきた。


「さっすがねぇええええ!! ますます、惚れちゃいそう!!!!」


 生き残りの、チャイナガールズ三名は、同時に顔が青ざめる。


「ア、アイヨ……。どういうことよ」


 ヤーイーが叫ぶ。


「う、嘘でしょおおおおおお!!」


 そして、オカマ三人全員が揃って、筋骨隆々の背中を見せた。


 一人は、戦闘機のタトゥーが入っている。もう一人は、空母のタトゥーが入っている。


 そして、最後の一人は戦車のタトゥーが入っている。


「私たち、メイドインガールズはぁ、ハミルトンボスの為に!!」


 と、全員ボディビルダーのようなきめポーズをし、背景にはまたカラフルな爆風が広がった。


 遠くで見ていた、銀龍は珍しく素直に狼狽させる。


「う、うおお、マジかよ!! オレ達とほぼ同一技術じゃねーかよ!!」


 銀龍と金龍の背中にもタトゥー、刺青が入っている。


 銀龍は、龍が降りたつ刺青。


 金龍は、龍が昇る刺青。


 そして、それはバリアユニットのパーティカルロイドシェルと同等の技術を利用している。


 その為、双龍コンビは常軌を逸した防御力や攻撃力を持てるのだ。


 つまり、刻むということは、パーティカルロイドコアとパーティカルロイドシェルの


 良い所取りを同時に行っているということだ。


 そして、更に銀龍と金龍の刺青は、気功ユニットの役目も担っている。


「あらあらぁ、あなた達だけの専売特許じゃないのよ。日々、化学は進化しているの。できないものは廃れるか応用するかのどちらかなのよ」


 金龍も、涼しい顔させながら、笑う。


「ま、予想はついていたけどね、銀龍?」


 銀龍は無言になった。


 誰かが、技術を売った。


 それは九龍城国内を快く思っていない連中の仕業であるのは間違いなかった。


 チャイナガールズ達は、ゆっくりと近づく要塞たちに、ヤーイーを中心に全員身を寄せ合って目をウルウルさせている。


 全員、目尻から涙をため、その涙は今にも溢れそうなくらい、まるくなっている。


「ちょ……来ないでよぉ。いやぁぁぁあああああああ!!」


「アイヨ、助けてーーーーーーーーーーー!!」


 かくして、四泊五日(一日自由行動)のチャイナガールズ史上最大規模の演習は全員戦死ということで、幕を閉じた。


 そして、一時間後。


 総員一列になり、その格好はどっかのコスプレ大会となっていた。


 銀龍は、「あーあ」とつぶやく。


「テメェら、そんなにコスプレが好きかぁ? 情けねぇ」


 銀龍は、目の前のそうそうたる格好に、やれやれと言う感じだ。


 金龍は、前向きにとらえていた。


「あらま、楽しいじゃない。命をはっているからこそ、もっと楽しまなくちゃ。あやちんらしいし」


 リャンリャンとホンホンは、白い虎のぬいぐるみみたいなのをかぶされている。


 ある意味、カワイイ。


 銀龍を目の前に、怒りのぶつけようがなくてとりあえず銀龍に文句を言う。


「ちょっと、これ、暑いんだけど!!」


 リャンリャンは、逆に文句を言っていない。


「これは、ふゆにつかえそう」


 銀龍は、銀色の中国扇子で口を隠し、目尻を下ろす。


「まあ、戦死だからなぁ。テメェらも」


 リームォは、ツインテールなので、念願のセーラー服だ。


「おおー、リームォ、ねがいかにゃった!! リームォ、せーりゃーがーりゅじゅに、はいりゅ」


 リームォの真横では、ルェイジーがひたすらまだ回っている。


 銀龍は、思わずつっこむ。


「テメェは、なんで花魁なんだよ?」


 ルェイジーは、元気よく答える。


「これ、気に入ったアルネ!! 日本の衣装!! みな、こんな格好しているアルネ!!」


 もう、つっこむのが面倒になった銀龍は、1000年ぐらい前の日本人の恰好の話しをしてあげる。


「そうだよ、女全員、そんな感じだ。ちなみに、男はサムライと言ってな……。みんなチョンマゲなんだ」


 ルェイジーは瞳をキラキラさせる。


「おお!! そうアルネ!! チョンマゲ格好良いアルネ!! 武士道とは、死ぬことと見つけたりぃアルネ!!」


 金龍の前では、真っ白い顔を塗った女の子がいる。ずっと分析しているので、シャオイェンとすぐわかった。


「自信のおかれている状況について説明します。どうやら、芸子という日本の文化があり、それは私もその格好を模倣しています。

これは、旧暦から数えても昔からあったというなりきりという行為であり、これは通常格好による物真似であり、物真似ということは、

憧れを満たす欲求であると言います。そして、日本のサブカルチャーでも非常に爆発的に広まったと言われる、コスプレイヤーと言う者が

以前から存在していました。現在でもその流行はまだまだ発展するようであり、経済的にもまだまだ伸びしろがあるそうです。

つまり、私の現在の恰好はまさしく、舞妓という格好であり、舞妓というものは日本の中でもメインに取り扱われているのは、

これは京都府ということまでは確認できました。芸子と言うものは非常に奥深く……」


 金龍も面倒くさいので、シャオイェンをただ見ている。


 シャオイェンの隣では、背の高いマーメイが全員の姿を見回している。


「あらあらぁ、リームォの願いはかなったのですけどねぇ。わたしはぁ、看護師になってしまいましたぁ」


 金龍は、無言だったが、何かが違うと思っていた。


 看護師は、もっとクリーンにする必要があるので、ナースキャップなど非常に古く、ピンク色の衣装もなんかなまめかしい。


 スカートは、勿論ミニスカートだ。


 綾の私物という話しだから、どんな接待をしたのだろう? と、金龍は疑問に思っている。


 ファリンは、髪型は変わっていないものの、頭が左右お団子なのに、


 メイド服という感じだ。


 周りのバカ騒ぎに、顔を赤らめたまま、恥ずかしそうに目尻に涙をためてうつむいている。


 イェチンは、今風の女の子の顔つきだが、なぜかアメコミのヒーローで出てくる、黒い猫みたいな衣装をしてる。


 キャットウーマンというやつなのだろうか?


 胸は小さいが、スリムなので妙に似合っている。


「アイヨ、私、ネコよりイヌ派よー」


 シェンリュは、なぜか金色クレオパトラ風。


 周辺のカオスっぷりに、苦笑いしかしていない。


 毎日、おっとりリーシーは、逆に面白がっている。


 リーシーの恰好は、雪だるまの着ぐるみだ。


「暑いですけど~、わたしを~、みて~、涼しくなってください~」


 それでも、マイペースは崩れない。


 そして、ヤーイーはすでに、もうコスプレという完成度の息を超えている。


 全身シルバーメタルフレームの、人間の骸骨のようなコスプレとなっており、どうやっているのか分からないが、とにかく喋れば、両目は赤く光るし、手の指先もギアの音が鳴るようになっている。


 そして、ヤーイーが喋れば、メカ風ボイスチェンジャーも仕込まれている。


 随分と昔に大ヒットしたSFアクションもののかっこうだ。


 大笑いする銀龍の傍で、真面目にヤーイーは答える。


「ギンリュウターレン、スミマセン、マケテ、シマイマシタ」


「ぎゃはははははは!! ここまでやったんだ、テメェら、あのバニガ達を超えたようなもんだぜ!!」

と、バニーガールズと比較し、一応彼女なりに褒めた。


 そして、レイレイは、西洋風の貴婦人。


 綾が来ていたという、感じで銀龍の前に立つ。


「銀龍ターレン。私、もっと綺麗になりたいです。そして、お願いがあります!! 銀龍ターレンも一緒にパーティー、出席しましょう!!」


 銀龍は、真顔になる。


「え? テメェらだけで行ってくれよ。オレはいいよぉ、メンドクセ」


 金龍もレイレイの意見に賛成する。


「そうね、たまには接待に行きましょ、銀龍。この戦績は全員戦死でしたけど、私はあなた達チャイナガールズを高く評価します」


 全員、一瞬にして静かになる。


「銀龍ターレン、一緒に行きましょう!」


 改めて、レイレイがまっすぐに銀龍の瞳を見続けている。


 銀龍は、気は進まないが、頭をかきむしり、許諾した。


「わーったよぉ、行きゃーいいんだろぉ、いきゃーよぉ」


 ルェイジーが、早速大喜び。


「アイヤ!!! ただでご飯食べれるアルヨ!!!」


「チッ、テメェは毎回食いすぎなんだよぉ、どうやってその体格維持しているのか、意味不明だぜぇ」


 そして、ハミルトン綾がこの場をしめる。


「はいはい、皆さん、よく聞いてくださいねー。これでチャイナガールズとメイドインガールズの演習は終わりです。パーティー行きたい人々は、あさっての13時頃、ハミルトンホテルに来てちょうだい!! お疲れ様でした、解散!!!」


 チャイナガールズと、メイドインガールズは互いに敬礼をしあい、演習は終えた。


 そして、ハミルトン綾はチャイナガールズ達の背中を押す。


「さあさ、せっかくだし写真撮るわよ!!」


 かくして、部隊内ではこの一枚の写真が全員に配られた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ