4-76 フェイロンは、恋人 その2
青龍部隊は、汗をかくこともなく、オリーブドラブ色のテントの中で座っていた。
蒸し暑い夏だというのに、汗をかかないのは、チャイナドレスや中国服が全身の体温を計算し、パーティカルロイド粒子で快適に保っているためだ。
折り畳み式のテーブルと、パイプ椅子に小隊全員が座っている。
バニーガールズとはまた、別テントなのだ。
彼らは、彼らで隣のテントで、指示を出している。
「たいき、ひま、アルネ!!!」
「まあまあ、ルェイジーさぁん、我慢してくださぁい」
「アイヨー、ルェイジーいつも落ち着かない、いけないよー」
「銀龍は、何しているアルか!!」
「恐らくぅ、フェイロンを着用しているかとぉ思われますぅ……」
「アイヤ、フェイロン、地下には入れなくなっちゃう、アルネ!!」
「今回はですねぇ、地下に入るという前提の作戦ではぁないですよぉ?」
「ルェイジー、椅子に座るといいよー」
ルェイジーは落ち着きなく、テントの隙間から顔を入れて外を眺めた。
真っ青な空に、銀色の光が縦横無尽に飛んでいるのだ。
「ルェイジー、じっとしていられない、アルネ!! 銀龍の空飛ぶ姿、まぶしいアルネ!!」
空では、テスト飛行している銀龍が、きりもみ回転しながら空を駆っていた。
フェイロンは、銀色の粒子を放ちながら、右へ左、更には滑空、そして上空へと再び上がる。
その速度は、ヘリよりも素早く、飛行機よりも自由だ。
銀龍の背中のタトゥーと、パワードスーツ「飛龍」(フェイロン)との能力が合わさることで、飛べるとのことらしいが、能天気で純粋なルェイジーには複雑な理屈などよくわからないのだ。
「アイヤ、さすが銀龍アルネ、素晴らしい飛行技術アルネ!!」
ルェイジーは、その飛行技術に感動して思わずテントから抜け出す。
銀色の残像を追いながら、ぴょんぴょんジャンプして、両手を振った。
「おーい、銀龍、アルネー!!」
テスト飛行が終わったのか、ルェイジーの傍まで、銀色のフェイロンはゆっくりと着陸した。
ゴーグルをしている銀龍は、笑顔をにじませて、ルェイジーの目の前に降り立つ。
「よお、ルェイジー。テメェさん達は、最後の切り札だ。作戦の通り、あのゴキブリ野郎をキッチリと放り込んでくれや!!」
ルェイジーの後ろから、マーメイとイェチンもテントを潜って外に出て銀龍を見つめる。
「銀龍さぁん、しっかりとぉ、仕事はしますわぁ」
「銀龍ターレン、あのヘリウムガスっていうヤツ、相当きいてみているみたいよー」
「ああ、みてぇだな……まさか、ヘリウムガスがよぉ、弱点なんて気づくかよぉ……」
「アイヤ、ルェイジー試したら、アルネを言いたくなったアルネ!!」
銀龍の両方の肩アーマーの裏側から、マニュピレーターが出てきて、腰のポーチの辺りから器用に中国キセルを取り出して銀龍はキセルをくわえた。
マーメイがすぐにマッチで中国キセルに火をつけた。
「わたしでぇすみませぇん……」
「いつもは、この役目はメイヨウだったんでぇ。
まさかな、オレすら知らなかったぜぇ? 隠された王族の生き残りがいるなんてよぉ……」
「ええ、まだ確実な情報ではありませんがぁ、でもぉ、言われてみるとぉ、メイヨウさんはぁ、随分と察しが良いと言いますかぁ……」
「アイヨー、メイヨウちゃんは凄く人が何かをしようとしているところで、予知能力者みたいな感じだったよー」
ルェイジーは、叫ぶ。
「アイヤ、メイヨウ、初めて会った時、超能力者みたいだと思ったアルネ!! なんでもルェイジーのやりたいことを全部予測していたアルネ!!」
冷ややかな瞳で、銀龍はルェイジーを見つめる。
「テメェは、オレでもわかるぐらいに、予測がつくぜぇ? いっかぁ、今からあててやらぁ……」
ルェイジーは、真剣なまなざしで、銀龍の言葉を待つ。
「テメェさんはよぉ、現在……チャーハンを食べたいと思っている!!」
ルェイジーの身体全身に驚きと衝撃が走る。
「アイヤ!! な、な、な、なんでわかったアルかーーーーーーーー!!」
その様子を見ているマーメイとイェチンは、ひそひそ話をする。
「アイヨ、私でもあてられるよー」
「まぁ、いつもの事ですねぇ……」
「ルェイジーのご飯の具合はよぉ、あとの話だぜぇ? オレは、セントラルタワーの屋上から着陸し、そこから龍王様の謁見の場までひとっ飛びに行くぜ!! テメェら、毒ガスコマンダー捕まえたら、オレにも必ず連絡してくれ!!」
青龍小隊全員は、空飛ぶ銀色の龍をずっと見上げていた。
青龍小隊が待機していた、テントの隣りからバニーマムがゆっくりと空を見上げる。
そして、バニーマムは一言だけ呟いた。
「あいっかわらず、銀色にまぶしいわね……」
更にフェイロンは加速し、タワーの方面へと向かって行くのだった。
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