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チャイナガールズ!!~スーパーカンフーハイパワーチーム~  作者: 乾ヒロキ
カオルンセングォ毒ガスパラダイス編
154/178

4-74 その影は、いずこに……。



 -------N.A.Y.562年 8月18日 11時45分---------



 金龍たちが、ヨウ大佐のツィイーの捜査手記までたどり着いたあとのこと。


 レイレイ達は顔が細長いダブルジッパーの男の行方を追っていた。


 チャイナガールズ警報が発令されると、普段の部隊のアクセス権限が何段階か底上げされる。


 つまり、銀龍や金龍でしかアクセスできない所を、普通の隊員もアクセスできるようになるということだ。


 銀龍は、パワードスーツフェイロンを装着するために、時間がかかるそうだ。


 黒鉄の箱は、上空から老龍省のサッカー競技場予定の所に投下しているとのことだ。


 リームォは、得意の身軽な身体を活かし、紅龍省の周辺をジャンプしたり、屋根の上を走ったりしながら、俯瞰してみていた。


 だが、人間はおろか、他の生物の影もなかった。


 メイヨウ探索の件に関しては、完全に独立していて、バニーマムやアスペルギルスに報告するような義務はない。


 むしろ、銀龍が気を使って、そこら辺は断ったのだ。


 彼女には彼女たちの仕事があるように、レイレイ達にはレイレイ達の仕事があるのだ。


 リームォの瞳が薄青くなる。


 まあるい右目からほろりと涙をこぼし、レイレイに報告をした。


「ちょうたいちょう……めいようたん、いにゃい……」


 レイレイから即座に返答が来た。


「ありがとう、リームォちゃん!! えっとぉ、リームォちゃんは、紅龍省の辺りね!!


 これで、探したのは、老龍省、碧龍省、紅龍省ね!! 私が今探しているのは、青龍省で……」


 リームォの耳からもう一人の声が聞こえる。


「私は白龍省の辺りですね。現在、探しまくりましたけど、見つかりませんね。

果たして、彼らはどうやって地上に上がってきているのでしょうか? 入り口は正規ルートでしょうか?」


 レイレイは、大声で声をあげた。


「あ!! ゴメン。ユーターチェに聞けばいいじゃん!!」


「ですが、どうやって聞きます? 彼女は作戦に出ない代わりに、裏九龍城国の人々の非難を手伝ってもらったので、イヤホンすらないはずです」


「じゃあ、チンヨウさんに聞くしかないか……」


 レイレイは、ビルの狭間を見上げると、ジャンプをして右へ左へとビルを蹴っていく。


 そして、5階建てのビルの屋上に飛び移った。


 後ろには超巨大タワーのセントラルが見える。


 そして、青龍省が一望できる景色を真下に見ながら、チンヨウとコンタクトを取った。


 表側の九龍城国なので、風が後ろから強く吹くと、レイレイの右耳の七星剣の形をしたピアスが揺れる。


「すみません、チンヨウさん……」


「レイレイ小隊長か?」


「はい、今戦闘中でしょうか?」


「いや、毒ガスコマンダー鷺沼を追い出して、我々も老龍省の正規ルートの出入り口を目指している」


「ちょっと聞きたいんですけど、裏九龍城国の人々って、正規ルートを通る人はほぼいないですよね?」


「……なるほど、そういうことか。各龍会ごとに、実は裏ルートが存在している」


「やっぱり!!」


「我々の所は会の秘密ゆえ詳しく話せないが、その龍会毎の縄張りで、裏ルートがあるのは間違いない」


「黒龍会は、どこでしょうか?」


「黒龍省の地下が黒龍会の縄張りだったはずだ。そこら辺を探してみてはいかがだろうか?」


「分かりました、ありがとうございます!」


 レイレイは、五階建てのビルから飛び降りる。


 鋼鉄ハイヒールが、レンガ造りの床を砕き、粉々になる。


 痛み止めは飲んだものの、肋骨に響くが一刻も早くメイヨウを助けなければいけない。


 気持ちがはやるのだ。


「シャオイェン、リームォちゃん、黒龍省の裏九龍城国への入り口に集まって!!」


「了解!!」という声と、「りょぅきゃい!!」という声が同時に聞こえる。


 レイレイ達が本気を出すと、スピードスターの朱雀部隊はすさまじい。


 横へ一直線の動きは、他の傭兵部隊もできるが、おうとつの激しい立地の所では、チャイナガールズの朱雀部隊は群を抜いて速い。


 五分程度で全員が集まった。


 黒龍省は、公園などの公共施設が少なく、住民の人達のコミュニケーションが特に濃い地域だ。


 不思議と情報過多になりつつある世界なのに、黒龍省の人々は口コミを一番重要視する。


 それと、防犯カメラの使用率もなぜか高いのだ。


 情報を大事にするという根付いた文化があるらしく、口コミの信用度も高いのも特徴だ。


 シャオイェンは黒龍省の裏九龍城国への入り口近辺にある、監視カメラを見上げていた。


「レイレイ小隊長? アレをみてください。 監視カメラです」


 ドームタイプのカメラで、遠隔で情報を絶えず送信しているタイプだ。


 レイレイはそれを見上げると、シャオイェンに指示を出す。


「シャオイェン、映像を探せる?」


「緊急事態により、私達のアクセス権限のレベルが上がっているので、大丈夫だと思います」


 シャオイェンの瞳が薄青くなる。


 遠隔でアクセスし、権限を容易く抜けて、映像を受け取る。


 シャオイェンは、早回しで各映像を見ていた。


 メイヨウがさらわれた時間を考えると、この24時間以内であるのは間違いない。


 リームォは、ぴょんぴょん跳躍しつつ、ビルや民家の高い所から探している。


「どきょにも、いにゃい……」


 シャオイェンの目の前にはウィンドウが開き、24時間分の監視カメラの映像がダウンロードされる。


 まずは現在から24時間前の所から見てみる。


 近所の子供たちが階段で遊んでいたり、そこら辺に住んでいる若い女性が通り過ぎたりしている。


 めぼしい人物はいなかった。


 本日の24時ごろに映像を進めてみる。


 人通りは少なく、たまに野良猫が通ったり、深夜になぜか犬を散歩している人の姿もあるが、


 何か人影らしきものが見えた。


 シャオイェンは、AIを通してメイヨウと同じ身長かどうか、計算をさせた。


 AIが処理を終えると、結果が出た。


 大きさからにして、メイヨウとほぼ同じと断定できたのだ。


「レイレイ小隊長、これ、あのサングラスの男です!!」


「わかったわ、小隊全部に共有して?」


 映像解析結果を全員に脳波で指令を送る。


 レイレイの瞳も薄青くなった。


「これは、間違いないわね。どこに向かってるの?」


「坂を上るような方面に向かってますよね」


 レイレイとシャオイェンは、その方向へと視線を送ると、そこには巨大なセントラルタワーが見える。


「ねぇ、ひょっとして……龍王様の命を狙っているんでしょ?」


「可能性は、大いにありますね」


「メイヨウちゃんが、本当に元王族だったとしたら? という私の仮説だけれど……」


「はい、レイレイ小隊長」


「そのまま、龍王様をあやめて、メイヨウちゃんを即位につかすんじゃないの?」


「ヤバいですね、その可能性大いにありますよ」


「私達もセントラルへ行った方が良いかもね……」


 リームォが、二人の傍まで駆け寄る。


「せんとらりゅ……しゅごくおっきい……」


 圧倒的迫力でそびえ立つ、セントラルを三人は見上げた。


 そして、レイレイが銀龍に報告をする。


「ターレン、聞こえますか?」


「ああ、聞こえるぜぇ? こっちは調整するのに、もう少しかかりそうだ」


「あと、どれくらいでしょうか?」


「20分ほどでフェイロンを着終わる」


「恐らくですが、メイヨウちゃんとツィイーは、セントラルへ向かっているかもしれません。

防犯カメラを見たところ、メイヨウをさらっていったサングラスの男の姿が確認できました。メイヨウちゃんも一緒と思われます」


「分かった、テメェらは先に中央省へ向かってくれ。オレは一度装着したら、多分10分ほどであっという間につくぜ!!」


<キャラクター設定>


林 璃茉(璃茉) リン リームォ


年齢12才

女性

身長142センチ

髪は青色 髪型は、ツインテール

肌の色 黄色

瞳 黒

人種 中国(福建省)

利き腕 右手

クンフースタイル 六合蟷螂拳

得意技 あたちのじゃんけんぽん

得意武器 胡蝶刀(中国のナイフみたいなもの、両手装備)

一人称 あたち

誕生日 NAY550年4月30日

チャイナガールズ入隊時 NAY560年4月1日(10歳ごろ入隊)

部隊 朱雀小隊

BWH 体重 60/48/63 45キログラム


青龍部隊であるマーメイの、実の妹。

姉が超パワータイプなのだが、妹は完全スピードスタイル。

得に、気功ユニットは最大限出力にすると、マックススピードは小隊長をも凌駕するが、最大で30分しか動けない。

性格は、飽きっぽく、すぐにやめてしまうときもある。

修行が大嫌いで、よくサボったりする。

面倒くさがり屋が、年齢と精神年齢にズレが生じてしまっている。

精神年齢は6歳ほど年下になっているので、

「お姉ちゃん」を「おねーたま」と呼んだり、

「○○する」を「○○すりゅ」と言ったりする。

姉とは、仲が良いのだが、

本拠地(九龍城国)に帰ると、必ずどっかに隠れて、修行をサボっている。

趣味は、日本や海外の特撮を見ること。

戦隊ものが特に大好き。

なぜか、日本の傭兵部隊セーラーガールズに憧れている。

口癖は、やだー、面倒くさいー。

が、口癖。


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