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チャイナガールズ!!~スーパーカンフーハイパワーチーム~  作者: 乾ヒロキ
カオルンセングォ毒ガスパラダイス編
152/178

4-72 ヨウ大佐の足跡

 


 -------N.A.Y.562年 8月18日 11時00分---------



 ヤーイーが、毒ガスコマンダー鷺沼と戦っているころ、金龍たちはヨウ大佐の跡を追っていた。


 金龍は、金色のチャイナドレスに、腰ベルトにポーチを合計9つほどぶら下げている。


 針という武器で戦うタイプなので、中国キセルに、それぞれの対応する針がポーチの中に入っているのだ。


 彼女達は、表側の銅龍省の周辺をまわりつつヨウの足取りを調査していた。


 表側の九龍城国は、現在静まり返っていて、いつも商店街からも流れる月琴の音すら鳴っていない。


 リーシーは、首を左右に振るう。


 薄茶色い髪を三つ編みに縛っている髪が、左右に動く。


 頬に手をあてて、関羽大刀を持ちつつ彼女は首を傾げた。


「おかしいですね~~。ヨウさんの~~足取りがここら辺で~途絶えていますね~~」


 ファリンもサングラスをさせたまま、ゴミ箱の中、ビルの隙間、更には住宅街の辺りなど。


 だが、どこにも人影はおろか、野良猫や野良犬すらいない。


 あまりにもここは、誰もいなく、午前中で晴れ間だというのにも関わらず、不気味に静まり返っている。


「ボク……怖いよ……」


 シェンリュも、色々と探していたが、左横にあるコンクリート製の建物が気になった。


 その建物は、うっすらと扉が開いていて、シェンリュは扉の中に入った。


 この建物は、簡易宿泊所みたいで、シェンリュは薄気味の悪いものを見た。


「嘘……どういうことなの……」


 シェンリュは、即座に捜索している全員に連絡、この簡易宿泊所に集まってもらった。


 ポーカーフェイスの金龍も、口を開けてしまったくらいだった。


 壁には、黒龍会会長ことツィイーの写真が何十枚も貼ってあった。


 そして、更にはその関係者、更にはメイヨウの写真もあった。


 シェンリュは、その写真をはがし視線を落とした。


「ちょっと……これ……何でメイヨウちゃんの写真があるの?」


「しかも、ツィイーに相当追跡していたみたいだわねぇ……」


 ファリンは、写真が貼ってある壁を横目に、隣のベッドの上にある、一枚の紙を広げた。


「き、金龍シェンシン……」と、それを広げて金龍にも広げた。


「これは、表の九龍城国と裏九龍城国の地図ね? 詳細が凄いわ……」


 シェンリュもそれを覗くと、眉をしかめた。


「ファリンちゃん、表側の九龍城国を見せて?」


 ファリンは、その地図をシェンリュの前で掲げた。


 彼女は小柄なので、彼女の上半身が隠れるぐらいに、その地図は大きい。


「これ……何度もここへきている証拠ね?」


「なぜ、分かったの?」


「老龍省のここ、超分かりやすくない?」


 シェンリュが、老龍省の辺りに指を差すと、金龍も気づいた。


 そこには、地図上に「NAY561年2月着工日」と書いてあるのだ。


「これ……着工日まで書いてある……。着工日は一年半前ぐらいの事だから、結構前からこっちへ来ていたみたいね?」


 リーシーは、それを見ながら、金龍に話しかける。


「でも~メイヨウちゃん、ツィイーに~、更にはヨウ大佐~。これが全部つながっているということですよね~~金龍さん~~」と、いつも通りの笑顔に見える真顔で、ふと、ベッドの隙間から覗くノートみたいなものをゆっくりと抜く。


「これは~~」と、題名も何も書いていないノートだった。


「金龍さん~~これ、どうなさいます~~?」


「そのノート、結構古いわね……」と、金龍は、ノートの端々が痛んでいるのをよく見ていた。


「いいわ、開いてみましょう……」


 そこには、びっしりと、ここで何をやっているのか書いてあるノートだった。


 つまり、ツィイーを捜索している活動記録だった。


「あら~~性格の通り、マメな方ですね~」


 シェンリュは、眉をしかめた。


「うっわ、凄い。誰のどの人に聞いたかまで書いてある。アタイ、性格雑だからムリ」


 ファリンは、地図を適当にたたむと、そのノートを皆で一緒に見つめる。


「これ……全部黒龍会会長を追っているノートだね……」


 全員はその内容を見つめると、全員黙り込んだ。


「こ、これは……メイヨウちゃんと裏九龍城国の関係性、更にはツィイーまでそうだったなんて……」


「ここまで、よく調べあげたものね。普通に歴史文献に等しいわ」


 金龍は、龍の形をしている金色の中国キセルをくわえる。


「さてと、行くわよ、皆?」


 シェンリュは、首を傾げる。


「え? どこに?」


「ツィイーがいるところに、ヨウ大佐ありよ?」


 リーシーが、感づいたようで、頬に指先をあてる。


「ああ~~そういうことですか~~セントラルタワーに、行くのですよね~~?」


 金龍は、眉宇に決意を秘めながらも、赤い唇をあげた。


「ええ、そういうことよ?」



<キャラクター設定>


(チャン) (ヨウ)


年齢25才

男性

身長178センチ

髪は黒 七三分け メガネをかけている

肌の色 黄色

瞳 黒

出身 中国(香港)

利き腕 右手

クンフースタイル 

得意技

得意武器

一人称 私は……

誕生日 NAY532年3月8日

BWH 体重 92/69/96 75キログラム 



国防部の男。メガネをかけていて、「ですます」口調。

そこら辺の幹部とは異なり、部下の面倒見がよくて、国防のためだったら身を犠牲にしても良いと思っている。

しかし、中国国防部との軋轢もあり、そこの狭間で葛藤している。

実は、以前の作戦の時、毒ガスコマンダー鷺沼に散々引っ掻き回されたことがある。

それを追うたびに、生き別れた姉の顔がちらつき、その姉が黒龍会のチャン・ツィイーだと気づく。

何事も、フラットにならないと気が済まないくらい、几帳面な性格。


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