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チャイナガールズ!!~スーパーカンフーハイパワーチーム~  作者: 乾ヒロキ
カオルンセングォ毒ガスパラダイス編
149/178

4-69 カォルンセングォゴキブリホイホイ大作戦!! その2

 


 -------N.A.Y.562年 8月18日 11時00分---------



 白虎部隊は、二手に別れて探索していた。


 ヤーイーとチンヨウは、青龍省Fダッシュのブロック2を歩いているのだ。


 リャンリャンとチャオは、老龍省のAダッシュのブロック2の辺りを歩いているはずだ。


 ヤーイーは、トンファーを腰にぶら下げつつ、ホンホンの六角棍を持っている。


 彼女の身長だったら少し短い程度だが、今回、無念だったホンホンへの意思を継いでいるという意味でもある。


 そして、銀龍に香水を振りかけられた。


 ジンジャーの香りがふわりと広がり、銀龍と一緒の匂いがしているのだ。


 銀龍の話によると、毒ガスコマンダー鷺沼は銀龍を匂いで判別しているフシがあったそうだ。


 暗闇の中でも目が良いというのもあるが、ヤーイーは半信半疑だった。


 チンヨウはランタンを持ちつつ、ヤーイーの前方を歩いていた。


「ねえ、チンヨウシェンシン?」


「うむ、なんだ白虎部隊ヤーイー小隊長?」


「私、正直裏九龍城国の事を知ろうとしなかったのかもしれません」


「そうか。我々も知ろうとしなかったのかもしれん……。クンフーもそうだがどんな時でも光があれば闇がある。

闇があれば光もある。お互いにお互いが理解しなければ成立しない世界だろう」


「そうですね、私も住んでいる所ばかりではなく、もっと裏九龍城国の人々の事も理解するべきでした……」


 チンヨウは歩きを止めて、三つ編みをぶら下げている背中から、顔を覗かせた。


「ふ、私ももっと早く理解すべきだったかもな。クンフー知る者、全員その道は一緒だ。

そして、探究者はルェイジー君だけではないということだ」


 ヤーイーは、いつも吊り上げている太い眉毛を、珍しく落とし微笑む。


「探究者は、ルェイジーちゃんだけではないですよ。私も今だ道の中……」


 チンヨウは、前方を向いたまま突如押し黙った。


「待て、ヤーイー小隊長」


 ブーツと水を打ち付けるような、湿った音が響く。


「間違いないわ、チンヨウシェンシン……奥に中国国防部の兵士の姿あるわ!!」


 目の前に人影が見えた瞬間、閃光が目に入る。


 チンヨウは、すぐさま右へと三角飛びをさせ、前方の相手の小銃を分解しつつ、掌底を出した。


 人影が吹っ飛ぶと、今度はヤーイーが駆け寄り、奥にもう一人いるので六角棍の先で相手の喉元をついた。


 人影がもう一つ吹っ飛んだ後、動かなくなった。


「何? バトルドレス壊さない限り動き続けるんじゃないの?」


「恐らくだが、遠隔で動かせるギリギリで行動していると、思われる」


「じゃあ、相手との距離が遠いということ?」


「かもしれん。急ごう、ヤーイー小隊長!!」


 二人は前方へ走った。


 直線距離でそのまままっすぐ行けば、闇市場へ出れるのだ。


 ヤーイーはリャンリャンに連絡する。


「リャンリャン、そっちはどう? こっちは遠隔操作で襲撃を受けたわ!!」


「こっちも、ふたりたおしました!!」


「私達は、ブロックの2から6、10と目指しているわ!! 鷺沼は私達を誘っている!!」


 相手に感づかれては困るが、どうしても声に力が入ってしまう。


「ぎんりゅううぅぅぅぅううううううううううう!! ぶっころしてやるぅぅぅうううううううううう!!」


 チンヨウは驚異的な動体視力で前方から飛んできた分銅を身体をずらして、かわす。


 そして、ヤーイーは反射的に六角棍を出してしまった。


「しまっ!!」と、声を出した瞬間に、分銅が六角棍に絡みつくと、闇へと引きずり込まれそうになる。


 ヤーイーはそれに抗い、こっちも引っ張ろうとする。


 彼女が全力であらがっているのにもかかわらず、白い鋼鉄ハイヒールが地面を削る。


 徐々に徐々に闇へと引き込まれていくのだ。


 チンヨウはそのまま奥への闇へと消える。


「チ、チンヨウシェンシン!!」と、ヤーイーは叫ぶ。


 防毒マスクをしている顔が見えた瞬間、チンヨウは相手に突撃をしようとするが、今度は鎌が飛んできたのだ。


 チンヨウは、上半身だけを右へとそらし、その鎌を何とかかわすが、左頬に赤い筋が走る。


「くっ!!」


 相手は両手を使用していたと思われたが、腰の両方の部分に自動取り巻き式の鎖鎌が両方の腰に装備されていた。


 だが、それでもチンヨウは相手に近づき、方拳をつくり黒い装束の腹に一撃を与える。


 鷺沼はうまく力を逃すように自ら吹っ飛びつつ、鎖鎌を手放したら、チンヨウに毒ガス手裏剣を投げ込む。


 チンヨウはすぐさま前方へ転がり、相手を執拗に追い詰めていく。


「うひゃあぁあああ!! 銀龍じゃないけど、たっのしいなぁあああああ!!」


 ヤーイーは後続だが、すぐさまチンヨウに追い抜く。


「チンヨウシェンシン、交代ね!! 私が前でいいですか!!」


「任せた!!」


 鷺沼は後ろへ後ろへと逃げつつ、叫ぶ。


「忍法毒ガスクナイ!!」


 ヤーイーは太い眉を吊り上げて、叫ぶ。


「パーティカルロイドフルパワー、気功ユニットオン!!」


 クナイが見えた瞬間、スマートコンタクトレンズに簡易予測軌道が見える。


 ヤーイーの全身に、パーティカルロイド粒子が駆け巡る。


 彼女はかなりのハイスピードで六角棍を左右に振り叩き落す。


「やるじゃあないかぁあああああ!!」


 再びクナイが投げ込まれる。


 ヤーイーは眉根を寄せて、それを確実に落とすが、暗がりの中、目の前に刃の光が見えた瞬間チンヨウの声が聞こえた。


「借りるぞ!!」


 彼が言葉を言い終えると同時に、鋼鉄トンファーが抜かれ、小太刀とぶつかり火花が散る。


 下から上にかけてチンヨウがトンファーを薙ごうとすると、すぐさま相手は一歩離れて、小太刀を構えた。


「うぉほほほほほ!!!」


 ヤーイーが、トンファーを渡そうと思った時は、マジックのようにいつの間にかチンヨウがトンファーを両手に持っていた。


「しぃぃねぇええええええ!!!」


 鷺沼が叫ぶと、そのまま小太刀でチンヨウの鳩尾を狙おうとするが、胸元に迫りくる刃を右手のトンファーで右へと薙ぎ、次は左へと薙ぐ。


 鷺沼が一つ太刀を振れば、チンヨウは二度ほどトンファーを振っている。


 そして、鷺沼は太刀を突き刺そうと幾度もするが、チンヨウは鋼鉄トンファーで全てかわす。


 刺突を戦略として持ってくるあたりに、ヤーイーは感心しつつ、チンヨウが攻撃しないときに六角棍を突く。


 チンヨウはトンファーを持ったまま後方へ転がり、ヤーイーと交代。


 トンファーでかわすにしても、刺突だと相性が悪いからだ。


 ヤーイーは右へ左へと鷺沼にあてようとするが、全て小太刀にかわされる。


 だが、相手も小太刀なので、迂闊に近寄ろうとはしないのだ。


 ヤーイーが鷺沼を突こうとした瞬間、鷺沼の小太刀に鎖鎌が絡みついた。


 チンヨウが、地面に落としていた鎖鎌を使用していたのだ。


 ヤーイーは息つく暇もなく、そのまま鷺沼の腹に六角棍をついた。


 鷺沼は吹っ飛びつつ、再び逃げていく。


「く、手ごたえないわ!!」


 後ろへはねつつ、鷺沼は一度体勢を立て直そうと、背を向けた瞬間、ヤーイーが白いチャイナドレスの裾を揺らし、しゃがみ込む。


 彼女の絹のように、きめ細やかな太ももから腰にかけて、白いレースのパンティがのぞいた。


「逃がさないわよ!! 気功ユニット全開!!」


 白い残像が、あっという間に鷺沼へと追いつく。


「そんなに、逃げたいんだったら、これでも食らいなさい!! 踢技术打破一切(全てを断つ蹴り技)!! ホワッチャッァァアアア!!」


 ヤーイーは、スラリとした足で鋼鉄ハイヒールの蹴り足を突き出す。


 威力は音速へと到達し、バリアが放たれる。


 鷺沼の背中に向け、パワードスーツ服部半蔵のバリアが発生するが、白いハイヒールは六角形のバリアを粉々にする。


 背中に鋼鉄ハイヒールが、鷺沼の背中へ食い込んだ。


「うぎゃああああああ!!」


 ヤーイーはすかさずリャンリャンへ連絡した。


「リャンリャン、私の蹴りでブロック13から16にかけて鷺沼を闇市場まで吹っ飛ばしたわ!! 闇市場に到着してる?」


「はい、とうちゃくしています!!」


「私とチンヨウシェンシンとで、追うから!! よろしく!!」


「りょうかいです!!」



<キャラクター設定①>


武 芽衣(芽衣) ブ ヤーイー


年齢16才

女性

身長168センチ

髪は短髪で、色は黒。

肌の色 色白

瞳 グレー

人種 中国(香港)

利き腕 両方

クンフースタイル 截拳道ジークンドー


得意技①

全てを断つ蹴り技 踢技术打破一切  Tī jìshù dǎpò yīqiè

得意技②

まだヒミツ


得意武器 トンファー両手もち ヌンチャク両手もち

一人称 私

誕生日 NAY546年12月20日

チャイナガールズ入隊時 NAY556年4月1日(10歳ごろ入隊)

所属部隊 白虎小隊

BWH 体重 83/58/85 63キログラム


白虎隊リーダー。

白いチャイナドレスに、白虎の刺繍が施されている。

攻撃、防御、スピードに優れていて、白虎隊らしく、超バランスタイプ。

白い超鋼鉄ハイヒールを履いている。

長い脚を生かして、主に蹴り技が多い。

特に、鋼鉄素材のハイヒールを履いているので、蹴り技が最も映えるキャラ。

バイ老師にも、アドバイスをもらって自身でジークンドーを昇華させている。

住んでいる場所は「白龍省」のマンション。

結構、良いところに住んでいて、音響なども映画館並みのリングルームを持っている。

ごくまれに、ファリンがレトロゲームを持ってきて、一緒にゲームをやっていたりもする。

とにかく、ドラマ、アクション映画好き。

趣味は、だいぶ前に映画になった、ブルース・リーの、カンフーアクション映画観賞。

ダイハードも大好きで、とにかくアクション映画好き。

割とミーハーな所もあり、憧れた者になりたい願望が強く、昔見た「ターミネーター」のシュワルツェネッガーに強くなりたいと思い、

思わずターミネーターの銀色の骸骨を選んでしまうくらい、ある意味ファリン以上に思い込みの強い女の子。

ちなみに、下着は白いレースのパンティ。



<キャラクター設定②>


梁梁(レイ リャンリャン)


年齢13才

女性

身長139センチ

髪は黒色 二つに分けた、三つ編みの髪を頭の左右、側頭部に纏めている。


肌の色 黄色

瞳 グレー

出身 九龍城国

利き腕 両方

クンフースタイル リャンリャン式、白虎拳

得意技 空をも穿つ雷撃マイナス (雷电也在天空中醒目) Léidiàn yě zài tiānkōng zhōng xǐngmù

虎ですら死ぬ両手拳 两只手即使被老虎打死 Liǎng zhī shǒu jíshǐ bèi lǎohǔ dǎ sǐ

得意武器 六角棍

一人称 わたし

誕生日 AY549年11月11日

チャイナガールズ入隊時 NAY559年4月1日(10歳ごろ入隊)

所属部隊 白虎小隊

BWH 体重 58/48/61 49キログラム


ホンホンの妹

一卵性双生児で生まれたため、ほぼ同一の顔をしている。

そのため、髪型笑い顔で判断するしかない。

笑うと八重歯が左側にある。

姉とは、息がぴったりでよく声が被る。

二人同士で棒術の演舞をするときは九龍城国、周辺が緊急警報を鳴らすぐらい、凄まじい爆風と雷が発生する。

その為、この二人が揃うと、通称稲妻姉妹と呼ばれている。

二人が九龍城国内で喧嘩をおっぱじめるときは、全住民が避難シャッターを下ろし、

逃げ込むという光景も見られるときもある。

この状況を、九龍城国では、「ホンホンリャンリャン注意報」と呼んでいて、

省内の公共スピーカーや、九龍城国放映テレビ局でもアナウンスが流れるぐらい、ヤバいことが起きる。


リャンリャン式白虎拳は、ホンホンは直立だが、リャンリャンは本当に虎のような姿勢の低いのが特徴。

性格は、ホンホンとは異なり、勝ち負けにこだわらず、静かに生活したいと思っている。


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