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チャイナガールズ!!~スーパーカンフーハイパワーチーム~  作者: 乾ヒロキ
カオルンセングォ毒ガスパラダイス編
147/178

4-67 闇の中の夢

 


 -------N.A.Y.562年 8月18日 04時00分---------



 レイレイは、額に大汗をかいて眉根を寄せて寝ていた。


 真っ黒な闇の中、背筋をピンとさせていて、全身真っ黒いレディーススーツの女性の背中が、目の前にあった。


 彼女は振り向くと、青白い顔でレイレイを見下すような、歪んだ顔で笑う。


「あら、私の名前はツィイー。あなたはメイヨウ様の事を真剣に考えているのかしら?」


 レイレイは、目の前の黒い女性に視線を合わせて、訴える。


「私は、メイヨウちゃんの為だったら、この命をかけれるわ!!」


 その女性は、胸の下で腕を交差させ、冷ややかな顔をさせて笑う。


「ふーん、命ねぇ……」


 彼女の右下に、赤い中国服を来ている小さな女の子が、レイレイを見上げていた。


 黒く、大きな瞳だ。


「レイレイ様……何で私を助けてくれなかったのですか?」


「そ、そんなことないわ。私はあなたを助けようと必死だった!!」


 彼女の、黒い大きな瞳が揺らいでいる。


「本当にでしょうか? もし、本当に助ける気があるのでしたら、私はすでにあなたのおそばにいます……」


 レイレイは、その言葉が胸の奥に突き刺さる。


 錯覚なのか、痛みのあまり返す言葉も出ない。


 強引に彼女に近づこうとすると、突如何者かに彼女が担ぎ上げられた。


 担ぎ上げたのは、丸いサングラスに面長の顔。


 ダブルジッパーのライダースジャケットを羽織っている男だった。


「おっとぉ、メイヨウ様に触れようなんざ……無礼だぜ……」


 青白い顔の女性と、丸いサングラスをしている男性は同時に踵を返し、真っ暗な世界へと消えて行こうとする。


 レイレイは、右手を広げ全力で叫んだ。


「待って!! メイヨウちゃんは私たちの家族なの!! 返して!! 返してよ!!」


 レイレイは、目頭に涙をためて叫んでいた。


 だが、前に進もうとするが、左手首に何かを掴まれていて、進めない。


 顔を後ろへ向けると、シャオイェンが左手を掴んで離さなかった。


「レイレイ小隊長、それ以上は進んではなりません。それ以上進むと取り返しのつかないことになります。毒ガスで殺されてしまいますよ!!」


 左手首の感覚がなくなった瞬間、目の前に、ガスマスクの顔が浮かんだ。


「しねぇぇえええええええ!!!」と、男性らしき声がすると、レイレイの赤いハイヒールの足元には、


 手裏剣が地面に刺さっていた。


 そして、ガスが漏れる音がゆっくりと静かに聞こえてくる。


「う、うそよ、私は何が何でもメイヨウちゃんを助けないといけないの!!

私は、まだ立ち止まれないわ!!」


 上半身を起こして、レイレイは叫ぶ。


「メイヨウちゃん!!」


 レイレイは、ハッとした。


 チャイナガールズの事務所にある、黒いソファーの上でレイレイは大汗をかいていた。


 息もあがっていて、肩も揺れている。


 しばらくすると、左胸下側の肋骨が痛み、右手で反射的にそえる。


「ぐ、夢だったのね?」


 そして、傍には銀龍がレイレイの足元で上半身を預けて寝ていた。


「ターレン……」


 パーティカルロイド機能もオフ状態になっていたので、いつの間にかタオルケットもかけられていた。


 パーティカルロイド粒子を巡らすことで、粒子が全身にいきわたり、身体の体温調節も脳波によりコントロールされるのだ。


 夜になると、設定次第では自動的にオフモードになる。


 スマートコンタクトレンズで、脳波指令を送れば、再起動も可能なのだ。


 だが、レイレイは完全に処置などできずに、そのまま眠ってしまっていたのだ。


 膝に何か感触を感じたので、そこへ見下ろすと銀龍の小さな顔がある。


 レイレイは、嬉しいような悲しいような、何とも言えない表情で唇の両端をあげた。


「ターレン、私のために……ありがとうございます……それとトイレに行きたいんですけど……」


 レイレイは、膝に力を入れようとしたら、銀龍がゆっくりとまつ毛をあげた。


「んあ? う、うおお、レイレイか!」


「あの、た、ターレン。ちょっとトイレへ行きたいんだけど……」


「ああ、りぃりぃ」


「それと……タオルケット、ありがとうございます」


 暗がりの中、銀龍のチャイナドレスがうっすらと銀色に浮かび上がる。


「ま、おめーさんの事だから、どうせ調節機能の処置をやっていねぇんだろうと思ったぜ……」


「はい、その通りです」と、レイレイは肋骨の辺りに右手を添えたまま、ソファーから立ち上がる。


 レイレイは脱衣場奥にあるトイレに向かおうと、出入り口のドアノブに手を触れると、その動きを止めた。


「ターレン……」


「あんだよ?」


「わたし、絶対にメイヨウちゃんを助け出してみます……」


「ああ、期待しているぜぇ? 朱雀部隊隊長……」


 レイレイは、銀龍に笑顔で顔を向けると、ドアノブを回し扉を潜ったのだった。


<キャラクター設定①>


黎 麗々(レイ レイレイ)


年齢15才

女性

身長154センチ

髪は黒髪 髪型は、お団子頭左右2つ 布では覆われていない。 右耳に七星剣のイヤリングをしている。

肌の色 色白

瞳 茶色

出身 中国(福建省)

利き腕 両方

クンフースタイル 七星蟷螂拳

必殺技① 无形的速度削减(見えない速度の斬撃)

必殺技② 红色残像的推力(赤き残像の突き手!!)(突き手をいくつも放つ)


得意武器 七星剣

一人称 私

誕生日 NAY547年4月10日

チャイナガールズ入隊時 NAY557年8月1日(11歳ごろ入隊)

部隊 朱雀小隊

BWH 体重 80/53/85 59キログラム


朱雀部隊リーダー。

若年の割にはかなりのしっかりもので、武道を重んじ、相手が強いと思ったら、必ず敬うように教育されている。

チャイナガールの中でもスピードスター。

赤いチャイナドレスを着ていて、丈が長いドレスを好んで着ている。

チャイナドレスの背面には朱雀の刺繍がされていて、朱雀の刺繍が、気功ユニットになっていて、

気功ユニットを使用したときの反射速度や移動速度は、弾丸よりも早く移動すると、大げさながらにも言われている。

チャイナドレスの、両腕の左右は長さが異なっていてアシンメトリーになっている。

髪型はお団子を左右に結っていて、お目目パッチリ。

右耳には小さい七星剣の形をしたイヤリングをしている。

イヤリングは、部隊内で七星剣であらゆる戦果を挙げた者に送られるような勲章。

兵器は、七星剣が得意で、クンフーは七星蟷螂拳をメインに戦う。

七星剣を両手に持ったときの戦闘力は異常で、一般兵がどんなに束になっても、勝てない。

得意のクンフーは、見えない突き攻撃や、見えない刀捌きで、次々と様々な物を切っていく。

足の速さも断トツで、初速最大スピードが、100キロ出せる。

現在は、九龍城国の「紅龍省」に住んでいて、マンション「紅木楼ホンムゥラウ」の301号室で一人暮らしをしている。

シャオイェンとはお友達兼戦友で、相棒。

実家は香港の生花店。

お父さんとお母さんは一般人で、彼女は父と母の為に一生懸命お金を仕送りしている。





<キャラクター設定②>


朱 曉燕(晓燕) (シュ シャオイェン)


年齢16才

女性

身長155センチ

髪は赤 髪型は、短髪。右耳に、梅の花の髪飾りをしている。

肌の色 黄色

瞳 赤

人種 中国(山東省)

利き腕 両方

クンフースタイル 梅花蟷螂拳(連続攻撃を得意とする)

得意技 赤き閃光の突き  最快的速度决策技术(Zuì kuài de sùdù juécè jìshù)

得意武器 梅花双刀

一人称 自分

誕生日 NAY546年3月11日

チャイナガールズ入隊時 NAY558年8月1日(12歳ごろ入隊)

部隊 朱雀小隊

BWH 体重 73/50/74 61キログラム


実直で、まじめな女の子。

だが、ストレートすぎるが故、分析癖は他の部隊員の追随を許さず、

セリフの量も膨大になりがち。

カンフーは、本当に実直、まじめで、まっすぐな技を撃つと、

部隊長である、黎 麗々(レイ レイレイ)からも評価をもらっている。

服装は、中国服に、しちぶだけのパンツをはいている。

とても、さっぱりしていて、ボーイッシュ。

その為なのか、あまり感情を表立って表情を変えることは少なく、

空気読まず膨大な言葉を出てしまうのが、たまにキズ。



だが、それを含めて皆から慕われている。

趣味は、ボーイッシュとはかけ離れている、女の子らしいピアス集め。

現在は、九龍城国の「紅龍省」に住んでいる。

マンション「紅木楼ホンムゥラウ」の101号室に住んでいる。






・マンション紅木楼ホンムゥラウについて。


九龍城国内にある「紅龍省」の川沿いあるマンション。

付近には大きな公園があり、住民たちも健康の為にクンフーを行っている。

このマンションは、チャイナガールズがいくつか購入しているマンションで、

税金対策のいっかんなのだが、単なる空き室があっても損なので、

チャイナガールズの寮として、格安待遇で借りられるマンション。

以前は、レイレイやシャオイェンの師匠が借りていたらしいのだが、

現在は二人が借りている。

劇中でも説明しているように、レイレイは301号室

シャオイェンは101号室に住んでいる。

近いので、二人ともよく会いに行ったりしている。




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