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チャイナガールズ!!~スーパーカンフーハイパワーチーム~  作者: 乾ヒロキ
カオルンセングォ毒ガスパラダイス編
139/178

4-59 チャイナガールズ混成部隊VSドラゴンテロリスト!! その8


 レイレイはレイリンと交戦中だ。


「レイレイ小隊長、聞こえますか?」


「何よ?」と、レイリンの突き攻撃をかわしている。


 先ほどよりも、チャイナドレスの裾がぼろついていて、相手の攻撃もすさまじいことも伺える。


「チーミンを捕らえました。ですが、私も見ての通り我に損害ありです。それと、そちらへ手助けしたいところなのですが、鋼鉄すら切断できるカーテンに囲まれすぎて、そちらへ向かう頃には終わっているかもしれません。

仕掛けを解いてから、そちらへ合流するしかなさそうです……」


「そう、そうして!!」


 レイレイは、相手に向けて拳を限界まで作り、肋骨めがけて拳を押し込もうとした時だ。


 レイリンは「火!! 火行炮拳フゥォシンパォチェン!!」と、叫ぶと拳を裏返した、独特な突きを放つ。


 見かけは地味だが、レイレイの拳の軌道が反れてしまい、レイレイはそれに直撃した。


 レイレイの肋骨に痛みが伝わり、レイレイは5メーター吹っ飛んだ。


 その衝撃は超強力だったので、両手に持っていた梅花双刀も手放してしまった。


 赤いカーペットの上に、梅花双刀が落下する。


 そして、カーペットの上に大股を広げつつ、仰向けに倒れこんだ。


 息をするたびに、左胸の肋骨に痛みが広がる。


 相手は、ゆっくりと歩きながらレイレイに近づいていく。


「もう、終わりアル? もっと楽しませてくれるかと思ったのに……残念アル!!」


 呼吸を行うだけで、痛みが響く。


 どうやら、肋骨にヒビが入った可能性が強いようだ。


 苦悶の表情で、痛みにこらえながら、それでもレイレイは相手と対峙する為に仰向けの状態から立ち上がる。


「ぐ……。アンタ……拳法強いのに、なんで黒龍会に手なんか出したのよ……」


「なぜにそんなこと聞くアル? それは単純、お金のためアル!! 極悪NPO法人に借金アル!!」


「アンタみたいのはね、傭兵として雇われた方がいんじゃないの?」


「うるさい、アル!! 私情持ち込む、プロとしても失格アル!!」


 レイレイは、額から流れ落ちてくる脂汗をぬぐいつつも、絆創膏を貼っている鼻筋にしみる。


 頭をうなだれると、七星剣を形どられたピアスが静かに揺れる。


「はは、そうよね。プロとして失格だわ……。でもね、私は最後まで希望は捨てない主義よ? たとえこの身が焦げようとも、私は必ずメイヨウちゃんを奪還するつもりよ!!」


 レイリンは、直立し両手を開いたまま、両腕で下から上へと円を描き、深呼吸した。


 腰を落としつつ「はー……」と呼吸を終え両手を構える。


 五行拳の構えだ。


「思い残すことは、もうないアル? そろそろ最後アル!!」


 そう叫ぶと、レイリンの身体がうっすらと青い膜のようなもので囲まれる。


 突然、レイレイが叫んだ。


「シャオイェン!!」


 レイレイは真下にしゃがみ込む。


 彼女の後ろには、赤い中国服を着ている女性が、トンファーを持ったまますでに跳躍していたのだ。


 そして、シャオイェンが容赦なく、レイリンの顎下にトンファーを薙いだ。


 不意をつかれたレイリンは、顎下にトンファーの先が食い込み、彼女は膝を真下に落とした。


 シャオイェンは、中国靴で足裏を腹部にめり込ませた。


 レイリンの軽量級の身体を吹き飛ばすほどの威力だ。


 気絶してしまっている、ユーの付近まで彼女は吹っ飛んだ。


 距離は、5メーターだ。


 レイレイは、息を何とか整えながらも、シャオイェンの健康的な肌を見つめている。


「シャオイェン、背中がとんでもないことになっているわよ?」


「そんなことはどうでも良いです。たとえこの身が焦げようとも、朱雀部隊は任務を達成しなければいけないのです!」


「カーテンとかはどうなったのよ?」


「カーテンは、このトンファーの持ち手に遠隔スイッチが持ち手の所に仕組まれていたようで……」


 シャオイェンは、顔だけ後ろを向けて、トンファーの持ち手のスイッチを押す。


 すると、カーテンがぶら下がった。


 そして、もう一度ボタンを押すと、カーテンが上がっていく。


「ま、単純な仕掛けですが、シンプルな仕組みほど苦戦するものですね?」


「へえ、よ、よく見破ったじゃない……」


「そして、更に言うなれば……」


 レイレイに左手を差し出す。


「レイレイ小隊長、まだ立てますか?」


「うん……肋骨やられたっぽいけど、まだ立てるわ……」


「まあ、見てくれの通り分かるとは思いますが、私はパーティカルロイド機能が完全に機能しなくなってしまいました」


「私は、確実に肋骨をやられたわ……」


「大丈夫ですか?」


 レイレイはいつも通り、両方の眉毛を吊り上げて、笑顔をさせる。


 額から流れ出る汗がとまらないようで、痛みにこらえているのは明らかだった。


「うん、大丈夫よ!!」


「無事には見えませんが、レイレイ小隊長には頑張ってもらいましょう……」


「まあ、アンタのシャオイェン警報よりかはマシだけどね!」


「それは、全ての任務が終わってから、いくらでも愚痴は聞きます。

それよりも、レイレイ小隊長が戦っている間、何となく相手のトリックと言いますか、あの赤いコートの仕組みが分かりました……」


「そうなのね?」


「ええ、どうやらあの女性に薄く青い膜が張られていますよね?」


「そうね」と、レイレイは呼吸をするたびに、左胸の下をおさえる。


 横隔膜が広がるたびに、奥歯を噛みしめる。


「ぐ……思っている以上に響いているみたい。ここは、たえるしかないわ……」


「恐らく、あの薄い膜が、驚異的なスピードを出せる仕掛けみたいです。


 あの膜を張ることで空気摩擦の抵抗をかなり少なくしているのではないかと……」


「そ、そんなの可能なの?」


「彼女の五行拳も驚異的ですが、それよりもあれは相対性理論を利用した斬新なクンフーです」


 レイレイは眉をしかめた。


「え? アインシュタインの?」


「そうです、端的に言ってしまえば、地球と宇宙の時間は異なるという話しでしたが……」


 シャオイェンはまだ立ち上がろうとする、レイリンを見つつ蟷螂拳の構えをする。


 その鋭い視線に気づいたレイレイも、腰を落とし構えた。


 シャオイェンとレイレイは、横並びになる。


「あれは、アインシュタイン式五行拳と、私は勝手に名付けました……」


「それはそれは……随分と斬新ね!!」


 赤いコートを揺らせ、膝をがくがくさせながら、相手は立ち上がる。


 五行拳の構えを再度整えるが、両腕も小刻みに震わせていた。


「本当に、チャイナガールズ……やるアル……。私もタフアルけど、あなた達もタフアル!!

なぜ、そうまでして戦えるアル……」


 レイレイとシャオイェンは、同時に視線を合わせ無言で頷いた。


 シャオイェンがつぶやく。


「それは……」


 レイレイも自然と言葉が続く。


「そうね……」


 二人は同時に大声で叫んだ。


「全ては、銀龍ターレンや金龍シェンシンの為に!!」


 身構えているレイリンに、シャオイェンが接近しようとする。


 だが、相手はすぐさま後方から突撃するレイレイに狙いを定めた。


 レイレイの左真横に突如、靴底が彼女を襲う。


 さっきのダメージを見抜いていて、的確に彼女の肋骨をターゲットにしている。


 だが、レイレイは左腕に力を入れて、彼女の蹴りを防御した。


 威力は浅いものの、肋骨に響く。


「ぐ……!!」


 額に汗が浮き出つつも、レイレイは相手の行動を読んだ。


「シャオイェン、後ろ!!」


 シャオイェンが踵を返したころには、赤いコートの姿は既にいない。おかっぱ頭の少女の、すぐ真後ろに立っていた。


 シャオイェンは、すぐさましゃがみ込み、真後ろに下段回し蹴りを行おうとするが、レイリンはすぐさま消えた。


「シャオイェン!!」


「アイサー、レイレイ小隊長!!」


 レイレイが口を開くと同時に、レイレイとシャオイェンは背中同士をくっつけた。


 単純な作戦だが、シンプルな作戦ほど強力なのだ。


 お互いの視覚をカバーすれば、これほど心強いものはない。


 二人は同時に左右を警戒した。


<キャラクター設定>


黎 麗々(レイ レイレイ)


年齢15才

女性

身長154センチ

髪は黒髪 髪型は、お団子頭左右2つ 布では覆われていない。 右耳に七星剣のイヤリングをしている。

肌の色 色白

瞳 茶色

出身 中国(福建省)

利き腕 両方

クンフースタイル 七星蟷螂拳

必殺技① 无形的速度削减(見えない速度の斬撃)


得意武器 七星剣

一人称 私

誕生日 NAY547年4月10日

部隊 朱雀

BWH 体重 80/53/85 59キログラム


朱雀部隊リーダー。

若年の割にはかなりのしっかりもので、武道を重んじ、相手が強いと思ったら、必ず敬うように教育されている。

チャイナガールの中でもスピードスター。

赤いチャイナドレスを着ていて、丈が長いドレスを好んで着ている。

チャイナドレスの背面には朱雀の刺繍がされていて、朱雀の刺繍が、気功ユニットになっていて、

気功ユニットを使用したときの反射速度や移動速度は、弾丸よりも早く移動すると、大げさながらにも言われている。

チャイナドレスの、両腕の左右は長さが異なっていてアシンメトリーになっている。

髪型はお団子を左右に結っていて、お目目パッチリ。

右耳には小さい七星剣の形をしたイヤリングをしている。

イヤリングは、部隊内で七星剣であらゆる戦果を挙げた者に送られるような勲章。

兵器は、七星剣が得意で、クンフーは七星蟷螂拳をメインに戦う。

七星剣を両手に持ったときの戦闘力は異常で、一般兵がどんなに束になっても、勝てない。

得意のクンフーは、見えない突き攻撃や、見えない刀捌きで、次々と様々な物を切っていく。

足の速さも断トツで、初速最大スピードが、100キロ出せる。

現在は、九龍城国の「紅龍省」に住んでいて、マンション「紅木楼ホンムゥラウ」の301号室で一人暮らしをしている。

シャオイェンとはお友達兼戦友で、相棒。

実家は香港の生花店。

お父さんとお母さんは一般人で、彼女は父と母の為に一生懸命お金を仕送りしている。


<キャラクター設定2>



朱 曉燕(晓燕) (シュ シャオイェン)


年齢16才

女性

身長155センチ

髪は赤 髪型は、短髪。右耳に、梅の花の髪飾りをしている。

肌の色 黄色

瞳 赤

人種 中国(山東省)

利き腕 両方

クンフースタイル 梅花蟷螂拳(連続攻撃を得意とする)

得意技 赤き閃光の突き  最快的速度决策技术(Zuì kuài de sùdù juécè jìshù)

得意武器 梅花双刀

一人称 自分

誕生日 NAY546年3月11日

部隊 朱雀

BWH 体重 73/50/74 61キログラム


実直で、まじめな女の子。

だが、ストレートすぎるが故、分析癖は他の部隊員の追随を許さず、

セリフの量も膨大になりがち。

カンフーは、本当に実直、まじめで、まっすぐな技を撃つと、

部隊長である、黎 麗々(レイ レイレイ)からも評価をもらっている。

服装は、中国服に、しちぶだけのパンツをはいている。

とても、さっぱりしていて、ボーイッシュ。

その為なのか、あまり感情を表立って表情を変えることは少なく、

空気読まず膨大な言葉を出てしまうのが、たまにキズ。



だが、それを含めて皆から慕われている。

趣味は、ボーイッシュとはかけ離れている、女の子らしいピアス集め。

現在は、九龍城国の「紅龍省」に住んでいる。

マンション「紅木楼ホンムゥラウ」の101号室に住んでいる。



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