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チャイナガールズ!!~スーパーカンフーハイパワーチーム~  作者: 乾ヒロキ
カオルンセングォ毒ガスパラダイス編
136/178

4-56 チャイナガールズ混成部隊VSドラゴンテロリスト!! その5

 

 レイレイがチーイーミンの右隣りで戦っている間、彼は憎たらしい笑顔をたやすことなどない。


 シャオイェンとイーミンとの距離は約20メーターほどだ。


 左隣には、10メーターほどの大理石のテーブルがある。


 その上には華柄が金色に装飾されている赤い壺が置いてあるのだ。


 イーミンは、シャオイェンとユーを手前にして余裕の表情だ。


 シャオイェンは、戦っているレイレイを横目にしながら、静かだった。


 なぜならば、相手は攻撃もしてこないし、何もしてこないからだ。


 ――不気味さが増す。


 チーミンは、テイザー銃を肩たたきがわりにし、口を開く。


「よお、貧乳と本当は戦う気満々だったんだけどよー、てめぇらでも構わねーぜ? ここでの足止めが何よりも重要なんだよ!」


 シャオイェンは、刃を交差させたまま、動くことはなかった。


「ま、いいから、かかって来いよ? それとも、てめぇは感情的にでもならないと来れねーのかよ?」


「シャオイェンちゃん、気をつけて、アイツ絶対何か企んでる!! それと、テイザー銃は、日本の針で電気を流すから、片方の針がプラスで、もう一つの針がマイナスよ!!」


 シャオイェンは、落ち着いた声でユーに返答する。


「分かっています。今までそっちから攻撃してこないのもおかしいですし、色々と変すぎますしね……。

テイザー銃の仕組みは理解しました。片方の針を叩き落すかぶった切れば無効ということですね」


 金髪オールバックの男は、吊り上がっている細い瞳を更に細める。


 その笑い方は、いつ見ても醜悪だ。


「おやおやあ、よーく考えてねえ? 俺はドラゴンテロリストの計画が非常に楽しみだったんよお? 

わかるー? 国を転がしちゃう。しかも、毒ガスでね!! もう、最高!! あひゃはは!!!

表も、裏もこう……九龍城国のコインを転がすみたいにね!!」


 シャオイェンは、無表情で刃を相手に向ける。


「良いですか? あなたがこの地域で築き上げたものは全て瓦解するのですよ?」


 チーミンは、突如無表情になった。


「あん? てめぇ、メイヨウ様がいかに偉大か知らねーくせによ……てめえらは何も知らずに、死ねやああああ!!」


 チーミンが、テイザー銃をシャオイェンに向ける。


 シャオイェンは、気功ユニットで瞬間的に距離をつめようとしたとき、左隣にある大理石のテーブルの上に置いてある金色華柄の壺が突如爆ぜた。


 弾けた壺の破片がシャオイェンに襲い掛かる。


 だが、バリアに守られて、無傷だった。


 弾けた破片が落下する途中のどさくさに紛れて、テイザー銃の針二本が彼女を襲う。


 電気を帯びたままワイヤーのようなものが、右手に持っている刀に触れる。


 シャオイェンはあらかじめ予測して、右手に持っている梅花刀を手放す。


 そうしないと、電撃の餌食になり間違いなく動けなくなっていた。


 刀はシャオイェンの真下に落下し、テイザー銃のワイヤーがチーミンに高速で巻き戻る。


 ユーがシャオイェンの左隣りに駆け寄り、中華鍋をチーミンに目掛けて投げてみた。


 鋼鉄製の中華鍋が途中でバラバラになり、チーミンの足元手前で落ちた。


「やっぱりね……。仕掛けていやがったわね!! おねーさん怒っちゃうぞ!!」


 チーミンとユーとの距離は約5メーターほどだ。


 シャオイェンは落とした刀を拾い上げる。


 チーミンの手前をよく瞳を凝らして見ると、言われなければ気づかないほどの、


 うっすらとワイヤーみたいな網目状のものが張り巡らさられている。


 そのまま突撃したら、身体などバラバラだったのは間違いない。


「シャオイェンちゃん、近づかないで! パワードスーツと同じ素材の超高硬度の、ワイヤーね!! 人の骨など、いとも簡単に貫通するわ!」


 チーミンは、醜悪な笑顔で、長い舌を出した。


「さっすがあ!! 超高度ワイヤーのカーテンを潜りながら、俺に近づけるかな!!! 五爪龍会副会長!!」


「コイツはね、黒龍会でも有名な仕掛けしよ?」


 シャオイェンは、一本だけになってしまった梅花双刀を両手で構える。


「仕掛けし? トラップでしょうか? ユー大姐ターチェ……」


「そうよ、仕掛け人のイーチーミンなんて、よく言われているみたいよ? 相手を挑発させて、陥れ、更には向かってきたヤツが悪いと豪語する、ゲス野郎よ?」


「ゲスだろうがよお、なんだろうがよお、勝てばいいだろお? 勝てばよお!!」


 ユーは、眉毛を吊り上げさせ、笑う。


「まあ、所詮は闇落ち人よね? そして、この仕掛けが分かったとしても……なかなか厄介ね?」


「ですが、ショックガンは突き抜けましたよ?」


「大体何となくわかるけれど、向こうからはゆで卵を放り投げても無傷に抜けて行くわ。

でも、こちらから突撃しようものなら、あの超硬度ワイヤーのカーテンによってむざむざに刻まれてしまうわ」


 シャオイェンは、無表情なまま冷静にチーミンを見つめる。


 感情に躍らせられてしまえば負けだ。


 彼女は両方の眉毛を撫でた。


「そうですか。けれど、どんな超硬度ワイヤーだとしても、パーティカルロイド粒子の高速振動に勝てるものなどありませんよ……」


 シャオイェンは、パーティカルロイド粒子をフル回転させている梅花双刀を、地面まで縦に切り裂き横にも切り裂く。


 十字切りだ。


 カーテン上のワイヤーが裂けると、同時に姿勢を低くさせ、イーミンに近づこうとする。


 だが、イーミンはすぐにテイザー銃を構えつつ、トリガーを引く。


 シャオイェンは、すぐさまテイザー銃の二本の針のうち、一本だけを器用に切断させた。


 二本同時に切断してしまうと、電流が流れるのならば、片方一本だけを切断してしまえばいいこと。


 チーミンは、右側にある大理石のテーブルに突如仁王立ちしたのだ。


「さあ、どうするよお? シャオイェンちゃんとユーさんよお?」


 チーミンがテイザー銃を構えると、シャオイェンは急激にしゃがみ込み、チーミンに急接近しようとする。だが、シャオイェンが梅花双刀を構えようとしたら、急激に気功ユニットのエラーが、スマートコンタクトレンズに表記される。


 目の前が「エラー」という赤い文字で埋め尽くされる。


「おれはよお、悪運というやつかい? とにかく運がいんだよお?」


 ユーが、青ざめつつ、シャオイェンに声をかける。


「シャオイェンちゃん、背中の中国服がボロボロよ?」


 シャオイェンは、背中から呼びかけくれるユーに顔だけ向ける。


「どういうことでしょうか?」


 そして、シャオイェンは背中に擦り傷のような痛みを感じた。


 背中側が、金龍が着用しているドレスみたいにバッサリと開いていて、シャオイェンの健康的な肌に細かい傷が刻み込まれていた。


「残念賞~!!! 案の定、計算ずくだったぜ!! てめぇがその刀で入った瞬間に、もう一枚カーテンを下ろした時に、背中ギリギリでカーテンに触れることで、あっという間に切り刻まれたわけだ!! 殺傷能力が問題じゃねぇ、テメェらの得意な事を一個一個潰せば、俺でも勝てるということだ!! あひゃはははは!!! 次は、気功ユニットを使えないようにしてやるぜ!!

てめぇさんの兵器は、刀の柄を握っていないとパーティカルロイド粒子を流し込めないようになっている。

携帯タイプの兵器でもないこともお見通しよ!!」


 シャオイェンは首をうなだれている。


「そうですか、いいですねぇ。あなたを本当に侮っていましたよ……。インチーミンさん?」


 シャオイェンは、キリリとした顔つきのまま、顔を上げる。


 彼女の瞳が真っ赤に光っているのだ。


 その表情が顕わになった時、チーミンも背筋にドライアイスを投げ込まれるぐらいの痛い冷たさを感じた。


「て、てめぇ、いいか、近づくんじゃねーぞ!!」


 チーミンは何を思ったのか、突如大理石の長テーブルから降りると、テーブルの下に隠れた。


 ユーは、眉根を寄せる。


「完全に、持久戦目当てだわ!!」



<キャラクター紹介>



朱 曉燕(晓燕) (シュ シャオイェン)


年齢16才

女性

身長155センチ

髪は赤 髪型は、短髪。右耳に、梅の花の髪飾りをしている。

肌の色 黄色

瞳 赤

人種 中国(山東省)

利き腕 両方

クンフースタイル 梅花蟷螂拳(連続攻撃を得意とする)

得意技 赤き閃光の突き  最快的速度决策技术(Zuì kuài de sùdù juécè jìshù)

得意武器 梅花双刀

一人称 自分

誕生日 NAY546年3月11日

部隊 朱雀

BWH 体重 73/50/74 61キログラム


実直で、まじめな女の子。

だが、ストレートすぎるが故、分析癖は他の部隊員の追随を許さず、セリフの量も膨大になりがち。

カンフーは、本当に実直、まじめで、まっすぐな技を撃つと、部隊長である、黎 麗々(レイ レイレイ)からも評価をもらっている。

服装は、中国服に、七分丈のパンツをはいている。

とても、さっぱりしていて、ボーイッシュ。

その為なのか、あまり感情を表立って表情を変えることは少なく、

空気読まず膨大な言葉を出てしまうのが、たまにキズ。



だが、それを含めて皆から慕われている。

趣味は、ボーイッシュとはかけ離れている、女の子らしいピアス集め。

現在は、九龍城国の「紅龍省」に住んでいる。

マンション「紅木楼ホンムゥラウ」の101号室に住んでいる。




<キャラクター紹介②>



チー 一铭イーミン



黒龍会所属。

色は薄緑色の中国服を着ている。

シィウェンの手下。

死んだ魚の瞳のようにやる気のない表情が多い。

男性、31歳。

金髪の髪をオールバックにしていて、金色のネックレスをしている。

入会したばかりなので、クンフーもそんなに強くないのと、

ヌンチャクを振り回すが、自信で扱えない。

ヌンチャク片手に、スタンガンという、よくわからない戦闘スタンスになっている。

スタンガンを所持している。

非常に、頭が悪く、ゲスイ手口を使う。

そこら辺のありとあらゆるものを、武器に使用したりするので、侮れない所もある。

レイレイ達の初戦では、惨敗に終わったが、再戦の時には結構追いつめたり、

戦法を変更することで、結構な勝負にまで持っていくことができるようになった。

それと、狡猾な性格なので、仕掛けものに関しては、かなりのやり手であり、

相手の怒りを誘ってこっちに有利になるように仕向けることが大得意。


が、所詮は雑魚なので、結局レイレイ達にあっという間にやられる。

そして、実はドラゴンテロリスト。

チャンツィイーの手下。



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